マジックオリジン : リミテッド考察 構築編①
2015年7月24日 Magic: The Gathering前回に引き続きまして、オリジンのリミテッドについて書きたいと思います。
今回のテーマは、アーキタイプについて考える、です。
まず、オリジンの各色のキーワードには、大雑把に以下のものがあります。
白 : エンチャント、タップ、高名、警戒、先制攻撃、全体強化、ライフゲイン
青 : アーティファクト、バウンス、ドロー、飛行、瞬速、果敢、占術
黒 : ゾンビ、手札破壊、接死、再生、生け贄、弱体化、ライフルーズ
赤 : ゴブリン、火力、速攻、威迫、果敢、高名、先制攻撃、占術、コントロール
緑 : エルフ、高名、到達、強化、トランプル、土地
(個人的には、オリジンの赤はキーワードの種類が多く、強い気がしてなりません。)
そして、それらを代表するかのように、マルチカラーのアンコモンカードがあるわけです。
それぞれの色の組み合わせのデッキのアーキタイプや狙いを、丁寧に見ていきましょう。
●白青 : 高名というキーワード能力を最も生かしやすいデッキ。
白青といえば、白の優秀な2~3マナ生物と、青の優秀なフライヤーの組み合わせの定番のテンポデッキのイメージがあります。オリジンでもテンポデッキであることには変わりはないのですが、目指すところは、
・高名を上手に達成していくテンポデッキ
・アーティファクトクリーチャーを噛み合わせて全体を強化していくウィニーデッキ
のどちらかになると思います。
前者はバランスの良いデッキ構築が求められ、バウンスやタップなどの妨害手段を上手に使いながら、相手のライフを削っていくのが主な戦術です。カードの質がデッキパワーに直結するので、シールドで優秀なカードが多かった場合は目指すことが多くなるはず。
後者は1ターン目からアグレッシブな動きが求められ、アーティファクトクリーチャーを多めに取るため、「結束した構築物」、「鋳造所の隊長」、「つむじ風のならず者」といったカードの評価点が一段階高くなるかと思います。また、全体強化である「キテオンの戦術」が最も機能するデッキでしょう。ドラフトでつむじ風のならず者が取れた場合には、アーキタイプとして狙っていきたいところです。
主軸となるアンコモン以下のクリーチャーたち
(※赤字は7点以上、太字は8点以上のカード)
ちなみに、2マナ圏に「印章持ちのヒトデ」という非常に優秀な生物がいますが、白青の戦術とかみ合わず、個人的にはあまり取りたくないカードです。
これらのカードを
強化カード : 秘儀術師の掌握、騎士の勇気、包み込む霧、力強い跳躍
妨害カード : 霊気への抑留、分散、眠りへの誘い
除去カード : 抑制する縛め、閉所恐怖症
でサポートしていきます。
バランス良く組むテンポデッキの場合は生物15~16枚、呪文7~8枚ほどが良いかと思いますが、ウィニーデッキの場合は生物17~18枚、呪文6~7枚ほどで、土地を抑えて軽量クリーチャーの数で押す比率にできれば理想でしょう。
●白黒 : 生物と除去のバランスの良いテクニカルなデッキ。
白黒は、白の優秀な2~3マナ生物と、黒の除去の組み合わせで勝利を目指します。非常にオーソドックスですが、オリジンの白黒で特に注目したいのが、エンチャントシナジーです。オーラカードを見てみましょう。
白と黒のオーラカードとエンチャントシナジー
(※赤字は7点以上、太字は8点以上のカード)
シナジーをもつカードは、集まるほど評価が高くなるので、これらのカードが多くみられた場合には狙っていきたいところです。
上で挙げた白の優秀な生物に加えて、
<黒/Black>
2:よろめくグール、悪臭のインプ
3:眼腐りの暗殺者、死橋のシャーマン、肉袋の匪賊
4:蘇りしケンタウルス
5:地下墓地のナメクジ
といった一癖ある生物を加えて、
除去カード : 魂裂き、残酷な蘇生、不浄な飢え
特殊カード : 死の円舞曲、闇の試み
などがサポートしていきます。
ケンタウルスやナメクジを挙げているのは、タフネスの高い生物に「騎士の勇気」をつけると、除去に乏しい環境、非常に対処が難しくなるからです。また、にオーラはつける先がないと腐りやすいので、赤系のデッキが相手の場合は、死の円舞曲は1枚はサイドボードでデッキにとっても良いかもしれません。
だいたいですが、生物15~16枚、オーラ4~5枚、除去2~3枚、ほどのバランスが理想的かと考えます。
●青黒 : 除去やシナジーが弱すぎて不遇な組み合わせのデッキ。
青黒といえばやはり、ドローでアドバンテージを得つつ除去でコントロールしていく低速デッキのイメージがあり、運命再編+タルキール龍紀伝などでは、濫用というキーワードがこの手のデッキを強いものにしていたと思います。しかし、オリジンではよほどしっかりと強いカードが集まらない限りはこの組み合わせに仕上げることはないでしょう。
それでも可能性があるとしたら、以下のカードたちです。
2:印章持ちのヒトデ、魂裂き
3:ジェスの盗人、死橋のシャーマン、骨読み
4:塔の霊、つむじ風のならず者
5:取り憑かれたスカーブ、残酷な蘇生
6:スカーブの大巨人
そしてなにより、強力なレアカードの存在でしょうか。
とりわけ「衰滅」や「飛行機械の諜報網」といったカードは1枚で戦況を一変させるカードですし、アルハマレットやコソフェッドといったファッティなフライヤーは、ゲームエンドカードです。
際立ったシナジーがなく、アーキタイプとしては成立しませんが、上記のようなカードたちが集まれば、コントロール好きな自分は迷わず青黒を選ぶと思います。
●青赤 : アーティファクトシナジーが魅力のメカニカルなデッキ。
ドローの青と火力の赤、というイメージから、カウンターバーンなどといった構築もされる色の組み合わせですが、オリジンでの青赤はずばり「アーティファクト」、とりわけ「飛行機械」がテーマのデッキとなります。アーキタイプのひとつとして成立するでしょう。
青赤で期待したいカードたち
そして数多の火力呪文たちです。
「お前、つむじ風のならず者大好きだな。」とそろそろ言われそうですが、アンコモンながらそれだけのカードパワーをもっていると思います。
とにかく飛行機械を生み出して上から殴っていくデッキですので、相手の到達もちや飛行クリーチャーを焼き落とし、ファッティには閉所恐怖症、もしくは数に任せてチャンプブロックで対抗したいところです。
息切れが負けにつながるデッキですので、火力などの呪文を多めに採用する以上、ドローカードである「工匠の天啓」はできれば2枚取りたいところです。装備品は多くても2枚程度で抑えましょう。
生物14~15枚、火力3~5枚、その他呪文2~3枚、装備品2枚ぐらいが目安でしょうか。
●黒赤 : サクリファイスが強烈な除去満載のデッキ。
黒赤といえば除去が強いのは間違いなく、オリジンでも他の色の組み合わせと比べても突出して除去が強烈です。そしてその地位を揺るぎないものとしているのが、これ。
引用元 M:TG WIKI: http://mtgwiki.com/wiki/%E5%8F%8D%E9%80%86%E3%81%AE%E8%A1%8C%E5%8B%95/Act_of_Treason
オリジンで赤を相手にするときに、もっとも注意が必要なカードはこれです。
「生物が強くて、除去が弱い」という環境のなか、強い生物を奪って攻撃できるだけでなく、オリジンにはこのカードとシナジーのあるカードが黒赤に非常に多いのです。
特に強いのが、ナントゥーコの鞘虫と猛火のヘルハウンド。鞘虫さえ場に出ていれば、反逆の行動がたった3マナの確定除去になるわけですから、弱いわけがありません。個人的にはオリジンの環境下、反逆の行動に7点、ナントゥーコの鞘虫に7.5点、猛火のヘルハウンドに8点をつけています。(点数以上にゲームを決める能力があるのは、反逆の行動だと思っています。ちなみにアンコモン最高点は、永遠警備の歩哨の9点。)
小さな生物は焼き払い、相手のエースを反逆させて大打撃、そしてそのまま除去。
黒赤の動きはシンプルかつ強烈ですので、相手にするときは十分気をつけましょう。
5つの組み合わせの考察を紹介しましたが、残りの5つは次回に。
今回のテーマは、アーキタイプについて考える、です。
まず、オリジンの各色のキーワードには、大雑把に以下のものがあります。
白 : エンチャント、タップ、高名、警戒、先制攻撃、全体強化、ライフゲイン
青 : アーティファクト、バウンス、ドロー、飛行、瞬速、果敢、占術
黒 : ゾンビ、手札破壊、接死、再生、生け贄、弱体化、ライフルーズ
赤 : ゴブリン、火力、速攻、威迫、果敢、高名、先制攻撃、占術、コントロール
緑 : エルフ、高名、到達、強化、トランプル、土地
(個人的には、オリジンの赤はキーワードの種類が多く、強い気がしてなりません。)
そして、それらを代表するかのように、マルチカラーのアンコモンカードがあるわけです。
それぞれの色の組み合わせのデッキのアーキタイプや狙いを、丁寧に見ていきましょう。
●白青 : 高名というキーワード能力を最も生かしやすいデッキ。
白青といえば、白の優秀な2~3マナ生物と、青の優秀なフライヤーの組み合わせの定番のテンポデッキのイメージがあります。オリジンでもテンポデッキであることには変わりはないのですが、目指すところは、
・高名を上手に達成していくテンポデッキ
・アーティファクトクリーチャーを噛み合わせて全体を強化していくウィニーデッキ
のどちらかになると思います。
前者はバランスの良いデッキ構築が求められ、バウンスやタップなどの妨害手段を上手に使いながら、相手のライフを削っていくのが主な戦術です。カードの質がデッキパワーに直結するので、シールドで優秀なカードが多かった場合は目指すことが多くなるはず。
後者は1ターン目からアグレッシブな動きが求められ、アーティファクトクリーチャーを多めに取るため、「結束した構築物」、「鋳造所の隊長」、「つむじ風のならず者」といったカードの評価点が一段階高くなるかと思います。また、全体強化である「キテオンの戦術」が最も機能するデッキでしょう。ドラフトでつむじ風のならず者が取れた場合には、アーキタイプとして狙っていきたいところです。
主軸となるアンコモン以下のクリーチャーたち
(※赤字は7点以上、太字は8点以上のカード)
<白/White>
1:アクロスの看守、勇者の選定師
2:トーパの自由刃、前線の僧侶、領事補佐官
3:確固たるエイヴン、巡礼者の道の騎士
4:突進するグリフィン、アンプリンの戦術家、戦乱の神託者
5:勇者の守護神、重歩兵
6:永遠警備の歩哨
<青/Blue>
3:ジェスの盗人、狩猟者、屑肌のドレイク
4: つむじ風のならず者 、分離主義の虚空魔道士、飛空士志願者
5:護輪のフクロウ
<茶/Artifact>
1:結束した構築物
2:ルーンの苦役者
3:鋳造所の隊長、破衝車、天使の墳墓
<マルチカラー/Multi-color>
4マナ、雷鳴のワイヴァーン
ちなみに、2マナ圏に「印章持ちのヒトデ」という非常に優秀な生物がいますが、白青の戦術とかみ合わず、個人的にはあまり取りたくないカードです。
これらのカードを
強化カード : 秘儀術師の掌握、騎士の勇気、包み込む霧、力強い跳躍
妨害カード : 霊気への抑留、分散、眠りへの誘い
除去カード : 抑制する縛め、閉所恐怖症
でサポートしていきます。
バランス良く組むテンポデッキの場合は生物15~16枚、呪文7~8枚ほどが良いかと思いますが、ウィニーデッキの場合は生物17~18枚、呪文6~7枚ほどで、土地を抑えて軽量クリーチャーの数で押す比率にできれば理想でしょう。
●白黒 : 生物と除去のバランスの良いテクニカルなデッキ。
白黒は、白の優秀な2~3マナ生物と、黒の除去の組み合わせで勝利を目指します。非常にオーソドックスですが、オリジンの白黒で特に注目したいのが、エンチャントシナジーです。オーラカードを見てみましょう。
白と黒のオーラカードとエンチャントシナジー
(※赤字は7点以上、太字は8点以上のカード)
<白/White>
秘儀術師の掌握
殺人の捜査
抑制する縛め
騎士の勇気
<黒/Black>
冥府の傷跡
死の国の重み
血による聖別
これらのオーラカードとシナジーをもつのが以下のカードです。
オーラ術師
祝福された霊魂
血に呪われた騎士
荒廃唱え
空位の玉座の印章
シナジーをもつカードは、集まるほど評価が高くなるので、これらのカードが多くみられた場合には狙っていきたいところです。
上で挙げた白の優秀な生物に加えて、
<黒/Black>
2:よろめくグール、悪臭のインプ
3:眼腐りの暗殺者、死橋のシャーマン、肉袋の匪賊
4:蘇りしケンタウルス
5:地下墓地のナメクジ
といった一癖ある生物を加えて、
除去カード : 魂裂き、残酷な蘇生、不浄な飢え
特殊カード : 死の円舞曲、闇の試み
などがサポートしていきます。
ケンタウルスやナメクジを挙げているのは、タフネスの高い生物に「騎士の勇気」をつけると、除去に乏しい環境、非常に対処が難しくなるからです。また、にオーラはつける先がないと腐りやすいので、赤系のデッキが相手の場合は、死の円舞曲は1枚はサイドボードでデッキにとっても良いかもしれません。
だいたいですが、生物15~16枚、オーラ4~5枚、除去2~3枚、ほどのバランスが理想的かと考えます。
●青黒 : 除去やシナジーが弱すぎて不遇な組み合わせのデッキ。
青黒といえばやはり、ドローでアドバンテージを得つつ除去でコントロールしていく低速デッキのイメージがあり、運命再編+タルキール龍紀伝などでは、濫用というキーワードがこの手のデッキを強いものにしていたと思います。しかし、オリジンではよほどしっかりと強いカードが集まらない限りはこの組み合わせに仕上げることはないでしょう。
それでも可能性があるとしたら、以下のカードたちです。
2:印章持ちのヒトデ、魂裂き
3:ジェスの盗人、死橋のシャーマン、骨読み
4:塔の霊、つむじ風のならず者
5:取り憑かれたスカーブ、残酷な蘇生
6:スカーブの大巨人
そしてなにより、強力なレアカードの存在でしょうか。
とりわけ「衰滅」や「飛行機械の諜報網」といったカードは1枚で戦況を一変させるカードですし、アルハマレットやコソフェッドといったファッティなフライヤーは、ゲームエンドカードです。
際立ったシナジーがなく、アーキタイプとしては成立しませんが、上記のようなカードたちが集まれば、コントロール好きな自分は迷わず青黒を選ぶと思います。
●青赤 : アーティファクトシナジーが魅力のメカニカルなデッキ。
ドローの青と火力の赤、というイメージから、カウンターバーンなどといった構築もされる色の組み合わせですが、オリジンでの青赤はずばり「アーティファクト」、とりわけ「飛行機械」がテーマのデッキとなります。アーキタイプのひとつとして成立するでしょう。
青赤で期待したいカードたち
<青/Blue>
印章持ちのヒトデ
ジェスの盗人
工匠の天啓
つむじ風のならず者
飛空士志願者
護輪のフクロウ
飛行機械の諜報網(レア)
<赤/Red>
ドラゴンの餌
飛行機械技師
ギラプールの歯車造り
ギラプールの霊気格子
ピア・ナラーとキラン・ナラー(レア)
<茶/Artifact>
結束した構築物
ルーンの苦役者
武勇の印章
投げナイフ
戦の角笛
鋳造所の隊長
護衛する自動機械
<マルチカラー/Multi-color>
隠棲した工匠
<土地/Land>
領事の鋳造所
そして数多の火力呪文たちです。
「お前、つむじ風のならず者大好きだな。」とそろそろ言われそうですが、アンコモンながらそれだけのカードパワーをもっていると思います。
とにかく飛行機械を生み出して上から殴っていくデッキですので、相手の到達もちや飛行クリーチャーを焼き落とし、ファッティには閉所恐怖症、もしくは数に任せてチャンプブロックで対抗したいところです。
息切れが負けにつながるデッキですので、火力などの呪文を多めに採用する以上、ドローカードである「工匠の天啓」はできれば2枚取りたいところです。装備品は多くても2枚程度で抑えましょう。
生物14~15枚、火力3~5枚、その他呪文2~3枚、装備品2枚ぐらいが目安でしょうか。
●黒赤 : サクリファイスが強烈な除去満載のデッキ。
黒赤といえば除去が強いのは間違いなく、オリジンでも他の色の組み合わせと比べても突出して除去が強烈です。そしてその地位を揺るぎないものとしているのが、これ。
Act of Treason / 反逆の行動 (2)(赤)
ソーサリー
クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それのコントロールを得る。そのクリーチャーをアンタップする。それはターン終了時まで速攻を得る。
引用元 M:TG WIKI: http://mtgwiki.com/wiki/%E5%8F%8D%E9%80%86%E3%81%AE%E8%A1%8C%E5%8B%95/Act_of_Treason
オリジンで赤を相手にするときに、もっとも注意が必要なカードはこれです。
「生物が強くて、除去が弱い」という環境のなか、強い生物を奪って攻撃できるだけでなく、オリジンにはこのカードとシナジーのあるカードが黒赤に非常に多いのです。
<トークン>
ドラゴンの餌
飛行機械技師
ギラプールの歯車造り
ピア・ナラーとキラン・ナラー
<コントロールゲイン>
反逆の行動
心酔させる勝者
<サクリファイス>
ナントゥーコの鞘虫
猛火のヘルハウンド
血による聖別
焦熱の結末
肉袋の匪賊/Fleshbag Marauder
特に強いのが、ナントゥーコの鞘虫と猛火のヘルハウンド。鞘虫さえ場に出ていれば、反逆の行動がたった3マナの確定除去になるわけですから、弱いわけがありません。個人的にはオリジンの環境下、反逆の行動に7点、ナントゥーコの鞘虫に7.5点、猛火のヘルハウンドに8点をつけています。(点数以上にゲームを決める能力があるのは、反逆の行動だと思っています。ちなみにアンコモン最高点は、永遠警備の歩哨の9点。)
小さな生物は焼き払い、相手のエースを反逆させて大打撃、そしてそのまま除去。
黒赤の動きはシンプルかつ強烈ですので、相手にするときは十分気をつけましょう。
5つの組み合わせの考察を紹介しましたが、残りの5つは次回に。
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