さて、重要なのは反省会です(キリッ)

青黒緑のスゥルタイコントロールは、純正の青黒コントロールの弱点を上手に補ったデッキです。自分の思う、現環境の青黒コントロールの弱点というのは、以下。

① 探査の強いカードを使えるだけの墓地を肥やすカードがない。
② エンチャントとアーティファクトに触れるカードが極端に少ない。
③ 迅速にゲームを終わらせるカードが少ない。

これらの弱点を緑を足すことでどう補うのかといえば、

《サテュロスの道探し》で墓地を肥やす ⇒ 探査カードが非常に使いやすくなる。
《スゥルタイの魔除け》で柔軟性を増す ⇒ 弱点である《ガイアの復讐者》もケアできる。
《棲み家の防衛者》で重要カードを再利用する ⇒ ジェイスくんと共にアドバンテージを稼ぐ

現環境スタンダードで最も強力なコントロールデッキであることは間違いなく、実際にFNMでは1敗しかしていないのです!3分1敗です!(真顔)

選択肢も多く、ワンミスで試合が決しやすいデッキですから練習で使い込んでプレイスピードをあげることもそうですが、迅速にゲームを終わらせる手段をデッキに組み込むこともかなり重要なのは間違いないでしょう。

ちょうど酒田からゴリラがウホウホ遊びにきていたので、今日は反省点を含めてみっちりとデッキ調整をしようではありませんか。

●デッキ調整会

ゴリラさんの使用デッキは、赤緑信心。現環境で、アブザンコントロールや赤単アグロに並び、Tier1に位置する強力なデッキです。七瀬の使用デッキは、同じくTier1のスゥルタイコントロールとTier2のジェスカイトークン。それぞれ10本以上ずつ回して、相性差や、感じた問題点を挙げていきます。(ちなみにTier1は他にバントヒロイックとアブザンラリーと言われているが、個人的にはTier1.5かなと。)

まずは、赤緑信心 vs スゥルタイコントロール。

メイン戦の勝率は4:6ぐらいでスゥルタイ有利と感じました。赤緑信心は先手ブン回りすれば一気に押し切ることが可能ですが、ちょっとでも遅れると、マナクリーチャーは《衰滅》に呑み込まれ、引きが弱いと除去に抑え込まれ、相性は決して良いとは言えません。逆にスゥルタイコントロール側は、今回は使用しませんでしたが、《龍王シルムガル》をメインデッキに採用することで、よりマッチ相性を良くすることができそうです。

次に、赤緑信心 vs ジェスカイトークン。

メイン戦の勝率は7:3ぐらいで赤緑信心有利です。特に《囁きの森の精霊》と《龍王アタルカ》への対処は困難を極め、どちらかがスムーズに場に出ることで、ゲームは一方的なものへと変わってしまいます。赤緑信心側は《大地の断裂》などでサイドからもトークンやアグロへの対策に余念なし。ジェスカイ側は《軽蔑的な一撃》や《勇敢な姿勢》の採用でどこまでマッチ相性を改善できるか。いずれにせよ、厳しいマッチアップになることに違いはありません。ひとまずジェスカイは次回調整したいと思います。

さて、今回は「スゥルタイコントロールはどこが悪かったのか」。改めてカードを評価しなおし、デッキの完成度を高めていきましょう。

●採用カードの再評価

《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn’s Prodigy》 4枚 ⇒ 3枚
現在、これを使おうとテーマにしているカード。スゥルタイコントロールにおけるジェイスくんの働きは、墓地を肥やしながらコントロールカードを再利用することです。デッキとも噛み合っており、2ターン目の動きとしては秀逸なのは違いないですが、相手のデッキ次第ではその動きが大きな隙になるシーンが目立ちました。道探しとも動きが被るため、枚数は抑えてよさそうです。

《サテュロスの道探し/Satyr Wayfinder》 4枚維持
デッキの動きの柱。土地がめくれないことも多々あるが、墓地を肥やすことでビックアクションがとりやすく、そのためにも重要な存在です。場に出た道探しをしっかり使い切ることも考えたいですね。《アンデッドの大臣、シディシ》は出番を待っています。

《棲み家の防御者/Den Protector》 3枚 ⇒ 4枚
単純に強い。ブロッカーとして強い。攻め手としても強い。わかりやすくアドバンテージを稼いでくれるカード。後半に引いてうれしいカードという意味では多めに採用したい。

《解消/Dissolve》 2枚 ⇒ 3枚
2枚目の《スゥルタイの魔除け》のために直前に1枚減らしたものの、このカードを握っているかどうかがデッキの強さを変えるといってもいいぐらい重要なカードだと思いました。ジェイスくんとのシナジーは無く、アグロに対しては無駄カードになりやすいため、「現環境ではカウンターは弱い」というのが定説です。しかし《棲み家の防御者》で《解消》を戻すという動きがコントロール盤面を支える上で最も強力な動きであり、3枚は取りたいと思います。特に先手なら強いカード。

《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke》 2枚 ⇒ サイドボード
対緑信心やコントロールには強く、対アグロにはゴミというカードですが、これは正直なくてもよいかと感じました。ピンポイントで強いカードであることには違いないので、サイドボードとの兼ね合いを考えて1枚ぐらいの採用は許容かと。メインで2枚採用されている理由は、4ターン目、5ターン目に2マナ3マナのカードを展開しながら残り2マナで睨みをきかせたいのでしょうが、こういうカードのメイン採用は慎重に考えたいです。

《思考囲い/Thoughtseize》 4枚 ⇒ 2枚
これをジェイスくんで使い回せば勝てる、と思っていたのですが、トップにはどうにも勝てない模様(ニッコリ)。しかしコントロール相手には非常に強力な動きなので、サイドに《強迫》を積むことで解決したほうがライフも減らず良いかと感じました。

《胆汁病/Bile Blight》 2枚維持
色々なシーンで活躍できるカード。腐るシーンも多々見られるカードだが、クリーチャー・プレインズウォーカーが増えている現環境においては無駄になりにくく、トークン戦術にも効果的であり、2枚は取っておいてよいかと。

《英雄の破滅/Hero’s Downfall》 2枚 ⇒ 3枚
デカブツやプレインズウォーカーを確定で落とせるカードの貴重さがひしひしと感じられる現環境。4枚採用も考えたいが、呪文の種類を増やしたい気持ちから3枚で抑えてみる。

《スゥルタイの魔除け/Sultai Charm》 2枚維持
《解呪》と思えば2枚は採用して良いカード。ルーターモードも搭載しており、《ガイアの復讐者》に対処できる重要なカードなので、ここを動かす必要はないかと思います。特に最近はジェスカイトークンや星座といったデッキが流行の兆しを見せているので、これに対応できるところも評価ポイントです。

《残忍な切断/Murderous Cut》 1枚維持
ツームーブしたいときには強いカードだと感じましたが、貴重な墓地をここに費やすのは勿体ない。重ね引くとあまり強くないので、1枚のままでいいかと。

《衰滅/Languish》 3枚維持
クリーチャーデッキに対する強さはさすがといった印象。相手もそれを想定して動いてくるため、持っていないと期待はずれのまま、普通に押し切られることになります。ジェイスくんとも相性が良いので、ここも減らす必要はないかと思います。

《時を越えた探索/Dig Through Time》 4枚 ⇒ 3枚
コントロールデッキだったら4枚入って当然、というカード。しかしデッキを使っていて思うのは、重ね引いても使い切れず、墓地から再利用したいというタイミングも少ない、ということ。再利用手段がとにかく多いため、メインから4枚積むのは違うかな、と感じました。

《頂点捕食者、ガラク/Garruk, Apex Predator》 1枚 ⇒ 0枚
頼りになるシーンしかなかった!といっても違いないカード。ウギン大先生と比較しても強烈なカードパワーであり、ライフ回復手段としても活躍できるカードでした。しかし、《精霊龍の安息地》での再利用を考えた場合に難あり。素直にウギンを2枚入れたほうがいいと思う。

《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon》 1枚維持
ゲームエンドカード。リセット効果は強力であり、2枚取りたい、と思う機会も多かった。ガラクと比較して好みでの採用になると思うが、青黒コントロールを長く使っている感想としてはウギン2枚は悪い選択肢ではないと思う。しかし、ここでは別な選択肢を示したい。

●新たに採用したいカード

コントロールをより攻撃的にシフトしたいという意識から、以下の変更を考える。

《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang》 サイド2枚 ⇒ メイン2枚
サイドボードからアグレッシブに動くための手段として、また《部族養い》の獰猛を達成するためのパワー4として使われるカードだが、元々のスペックが非常に高い。メインから採用して何ら問題のないカード。実際にプレイしてみて、デッキの動きを邪魔することもなく、タシグルの心強さは際立っていると感じました。

《龍王シルムガル/Dragonlord Silumgar》 メイン2枚
デッキに《精霊龍の安息地》を採用している以上、ウギンだけでなくドラゴン・クリーチャーも入れて損はない。特にシルムガルは、《龍王アタルカ》、《太陽の勇者、エルズペス》への解答となるスペックの高さ。ウギンは8マナだがこちらは6マナであるため、使いやすさを考えるとこちらを2枚採用するのが適切かと思われる。


●枚数最終調整

1マナ枠 : 《思考囲い》2枚
2マナ枠 : 《胆汁病》2枚、《ジェイス》3枚、《サテュロスの道探し》4枚
3マナ枠 : 《解消》3枚、《英雄の破滅》3枚、《スゥルタイの魔除け》2枚
4マナ枠 : 《衰滅》3枚
5マナ枠 : 《棲み家の防御者》4枚
6マナ枠 : 《龍王シルムガル》2枚
8マナ枠 : 《精霊龍、ウギン》1枚
探査枠 : 《時を越えた探索》3枚、《黄金牙、タシグル》2枚、《残忍な切断》1枚

(※《棲み家の防御者》は実際にプレイするのが5マナ圏であるので。)

立ち上がりは遅いが、バランスとしては悪くないかな、と。3ターン目にきっちり3マナ使える状態にしたい。ここから土地のバランスを調整していきます。理想的なマナの展開は、

2ターン目:黒黒、黒青、黒緑
3ターン目:青青、黒青緑
5ターン目:緑緑
ですので、優先度としては黒>青>緑。ただ、《サテュロスの道探し》から土地を引っ張ってくることを考えると、緑マナをあまり軽視できない。18>16>14ぐらいが理想か。

2 : 《島/Island》
2 : 《沼/Swamp》
3 : 《汚染された三角州/Polluted Delta》
2 : 《ラノワールの荒原/Llanowar Wastes》
2 : 《ヤヴィマヤの沿岸/Yavimaya Coast》
4 : 《華やかな宮殿/Opulent Palace》
3 : 《欺瞞の神殿/Temple of Deceit》
3 : 《疾病の神殿/Temple of Malady》
2 : 《神秘の神殿/Temple of Mystery》
1 : 《精霊龍の安息地/Haven of the Spirit Dragon》
1 : 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth》

青:黒:緑=16:18:13。ちょっと足りないけど、まぁこんなところで。フェッチはよく無駄になるタイミングがあったので、1枚減量しました。

●サイドボード調整

対Tier1デッキに対する基本的なサイドボードプランは、以下の通り。

対アブザンコントロール
《胆汁病》2枚 ⇒ 《思考囲い》1枚、《漂う死、シルムガル》1枚
《衰滅》  3枚 ⇒ 《軽蔑的な一撃》3枚
《スゥルタイの魔除け》2枚 ⇒ 《悪夢の織り手、アショク》2枚


対赤緑信心
《棲み家の防衛者》4枚 ⇒ 《軽蔑的な一撃》3枚、《思考囲い》1枚

対赤単アグロ
《ヴリンの神童、ジェイス》3枚 ⇒ 《部族養い》3枚
《解消》3枚 ⇒ 《悲哀まみれ》2枚、《胆汁病》1枚
《龍王シルムガル》2枚 ⇒ 《否認》2枚
《精霊龍、ウギン》1枚 ⇒ 《漂う死、シルムガル》1枚

対青黒系コントロール(ミラー)
《胆汁病》2枚 ⇒ 《否認》2枚
《衰滅》  3枚 ⇒ 《軽蔑的な一撃》2枚、《漂う死、シルムガル》1枚
《スゥルタイの魔除け》2枚 ⇒ 《悪夢の織り手、アショク》2枚
《残忍な切断》1枚 ⇒ 《思考囲い》1枚

ということで、入れ替え候補を絞っていくとこんなところか。

《否認》2枚
《胆汁病》1枚
《思考囲い》1枚
《部族養い》3枚
《悲哀まみれ》2枚
《軽蔑的な一撃》3枚
《漂う死、シルムガル》1枚
《悪夢の織り手、アショク》2枚

少し考えて、追加で取りたいカードがあるなら、この2枚だろうか。

《悪性の疫病》
《自然に帰れ》

前者はジェスカイトークンに強いだけでなく、流行の青赤ソプターに対しても効果的な1枚。後者はその2つのデッキに対応し、特に星座系のデッキ相手に猛威を振るう。効果が絶大であるこれらのカードはサイドボードとして相応しい。

《部族養い》を1枚減らして《悪性の疫病》を、《軽蔑的な一撃》を1枚減らして《自然に帰れ》を、それぞれ追加してみることにしよう。

以上、デッキ調整が終わりまして、リストはこのようになりました。

●スゥルタイコントロール(調整版)

<メインボード>
3 : 《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn’s Prodigy》
4 : 《サテュロスの道探し/Satyr Wayfinder》
4 : 《棲み家の防御者/Den Protector》
2 : 《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang》
2 : 《龍王シルムガル/Dragonlord Silumgar》
15 creatures

2 : 《思考囲い/Thoughtseize》
2 : 《胆汁病/Bile Blight》
3 : 《解消/Dissolve》
3 : 《英雄の破滅/Hero’s Downfall》
2 : 《スゥルタイの魔除け/Sultai Charm》
1 : 《残忍な切断/Murderous Cut》
3 : 《衰滅/Languish》
3 : 《時を越えた探索/Dig Through Time》
1 : 《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon》
20 other spells

2 : 《島/Island》
2 : 《沼/Swamp》
3 : 《汚染された三角州/Polluted Delta》
2 : 《ラノワールの荒原/Llanowar Wastes》
2 : 《ヤヴィマヤの沿岸/Yavimaya Coast》
4 : 《華やかな宮殿/Opulent Palace》
3 : 《欺瞞の神殿/Temple of Deceit》
3 : 《疾病の神殿/Temple of Malady》
2 : 《神秘の神殿/Temple of Mystery》
1 : 《精霊龍の安息地/Haven of the Spirit Dragon》
1 : 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth》
25 lands

<サイドボード>
2 : 《否認/Negate》
1 : 《思考囲い/Thoughtseize》
3 : 《部族養い/Feed the Clan》
1 : 《自然に帰れ/Back to Nature》
1 : 《悪性の疫病/Virulent Plague》
2 : 《悲哀まみれ/Drown in Sorrow》
2 : 《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke》
1 : 《漂う死、シルムガル/Silumgar, the Drifting Death》
2 : 《悪夢の織り手、アショク/Ashiok, Nightmare Weaver》
15 sideboard cards


結果を残しているデッキリストと比較すると、大きな違いは、
① 《黄金牙、タシグル》のメイン採用。
② 《龍王シルムガル》のメイン採用。
③ 《軽蔑的な一撃》のサイドアウト。
④ 青黒に比重を置いた土地バランス。

という感じです。サイドボードに採用するカードは、検討を重ねた結果、似たような感じになってしまいました。メタゲームを考えると、当然の結果なのかもしれません。《強迫》も採用したかったのですが、刺さるデッキの幅を考えて。おそらく《龍王シルムガル》のおかげで、アブザンや赤緑信心に対する相性は良くなっていると思います。

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