最近はこればっかりですが、相変わらずのエスパードラゴンコントロール調整。
正直、メインデッキの調整よりもサイドボードの調整のほうが大事だと思われますが。まぁぼちぼちデッキを完成させていきましょう。
その前に、まずちょっとこの話をさせてください。
●「マジック・オリジン」が「エスパードラゴンコントロール」に与えた影響
《搭載歩行機械》の登場により、多くのデッキがこの除去耐性マシンを使用するようになりました。これはエスパードラゴンにとっては、対処が難しい問題です。これを解決するためには、オジュタイではなくシルムガルの力を借りる必要があります。
《極上の炎技》は、非常に対処が難しいカードです。打ち消すことができない4点火力はエスパードラゴンにとっては不利に働きます。本体に撃たれても、タップ状態のオジュタイに撃たれても、どちらにしても辛い状況です。
《衰滅》は強力なスイーパーですが、使うには《龍王オジュタイ》と相性が悪く、使われるぶんにはオジュタイがやられてしまう厄介なカードです。特に5ターン目にオジュタイを着地させるという強力なムーブに容易く対処されてしまう点が苦しいのです。この動きを「アブザンコントロール」にされてしまうのは、非常に苦しいと言わざるを得ません。
《ヴリンの神童、ジェイス》は、特に「ジェスカイ」や「青白コントロール」を劇的に強化しましたが、エスパードラゴンがメインに採用するべきカードではなく、サイドボードに取るには中途半端なカードです。
《巨森の予見者、ニッサ》は、特に「アブザンコントロール」を更に強化させました。コントロールマッチにおいて土地詰まりの問題を解決するという意味でも有効なカードであり、ほぼ互角のマッチアップであったはずのエスパードラゴンに、一歩差をつけることになったのです。
そして、新カードによって一躍一線に躍り出た「青赤ソプター」に対して有利がつくようなデッキではないのです。
以上のようなことを考えるとおわかりになるかと思いますが、オリジンの登場によってエスパードラゴンは何も得られていないのです。唯一、《意思の激突》というカウンターを得ることができましたがあまり採用する機会はなく、これに喜んでいるのはよっぽど青黒コントロールのほうでしょう。
それでも高い勝率を誇るのは「エスパードラゴンコントロール」というデッキパワーの高さが確かなものであるからですが、「アブザンコントロール」に有利がつくようでなければ、活躍できる可能性は低いと言わざるを得ません。
若干の追い風となっているのは、苦手とする《はじける破滅》を採用できるマルドゥが数を減らしているという点と、《死霧の猛禽》を採用したデッキが以前より数を減らしているという点。そして最も苦手としている赤アグロ系のデッキがアブザンアグロに駆逐されたことが、追い風にはなっています。
●メタゲームをどう読むか
晴れる屋さんのホームページに、高橋純也さんの記事があがっています。
http://www.hareruyamtg.com/article/category/detail/1792
《搭載歩行機械》に焦点を当てた彼の記事によると、WMCQ名古屋予選では、メタゲームは一周して「アタルカレッド」や「青赤ソプター」のような高速デッキが活躍する?どうなる?という締めで終わっています。
現行スタンダード環境の集大成といえる今回の大会において、七瀬が考えるメタゲームはこれとは異なるものです。
最大勢力となるのはアブザンで間違いないでしょう。アブザンアグロの進化形である「ハンガーバックアブザン」はその形を丸く変えて、長期戦に強い調整がされてきています。このようなデッキは特にハードなトーナメントを戦い抜くには好まれるものです。また、「アブザンコントロール」自体も非常に強いデッキであり、これを集大成として持ち込む人も多いでしょう。
次点で青系コントロールが多いと七瀬は予想しています。これはGPプラハで「青黒コントロールが結果を残したことから、「今なら青いコントロールデッキで勝てる」と判断する人が多いという読みです。日本人は青いコントロールデッキが大好きなので、特に「ハンガーバックアブザン」に優位を取れる構成の「青白コントロール」や「青黒コントロール」はその数を増やすものと思っています。隙さえあればコントロールを使うのが日本人です。「エスパードラゴンコントロール」も青系コントロールデッキに分類されるわけですが、純正青白ないし青黒と戦うと不利になりやすいので、この相性差を改善できるような工夫が必ず必要かと考えます。
その他の勢力の筆頭は、「ジェスカイ」と「赤緑」です。「ジェスカイウィンズ」はかなり苦戦してはいますがまだまだ使用者が多く、調整の上で持ち込む人は多いでしょう。特に《ゴブリンの熟練扇動者》はコントロール相手に強く、《嵐の息吹のドラゴン》はアブザン相手に強いカードです。それらを使うもうひとつのデッキとして「赤緑」があります。様々なバリエーションがありますが、《エルフの神秘家》から《ゴブリンの熟練扇動者》という強力な動きができるタイプは多く見かけることになるでしょう。《雷破の執政》と《嵐の息吹のドラゴン》という飛行クリーチャーが多く取れるため、アブザンに優位を取るためには確実です。これらに特化したのが「黒赤ドラゴン」というデッキであり、ある程度見かけることになるでしょう。
「赤アグロ」「アタルカレッド」や「青赤ソプター」のようなデッキは、かなり対策が取られており、活躍は難しいはず(それでも運良く勝ち抜く人は一定数いる)。ハンガーバックアブザンがまだまだ強いので、青系コントロールを倒しにきた赤アグロが、アブザンに叩かれて消えていく可能性のほうが高いと予想します。「赤いアグロ系のデッキは新環境初期に強い」という傾向があるので、「戦乱のゼンディカー」後のスタンダードは、アブザンとジェスカイと赤アグロに焦点が集まりそうではあります。
その他にも数多くのアーキタイプが存在する現行スタンダード。各自、思い入れのあるデッキを持ち込む人も多いはずですから、メタゲームによってデッキを尖らせるのは正解とは言えません。
七瀬のメタ予想は、
アブザン全般 (25%) > 青系コントロール(青黒+青白+白青黒) (20%) > ジェスカイ (10%)&ドラゴン系 (赤緑、赤黒等) (10%) > その他アーキタイプ色々 (5%前後ずつ)
です。これらの予想が当たるかどうか、実際にどうなったかは、来週以降に結果報告致しますので、お楽しみにお待ちください。
●これらの予想を基に…
デッキの最終調整をしていこうと思います。
アブザンに乗ることは鼻から考えていない七瀬とこばゆいの二人は、「ジェスカイ」というデッキがあまりに辛すぎたため、「エスパードラゴンコントロール」というパワーデッキを調整してシェアしようという計画で練習を重ねてきましたが、思いのほか「アブザンコントロール」に勝てないとわかり、悪戦苦闘中。
さて、どのようなデッキリストに落ち着くのでしょうか。
そして、各マッチアップのサイドボードプランはどうするのでしょうか。 続く!
正直、メインデッキの調整よりもサイドボードの調整のほうが大事だと思われますが。まぁぼちぼちデッキを完成させていきましょう。
その前に、まずちょっとこの話をさせてください。
●「マジック・オリジン」が「エスパードラゴンコントロール」に与えた影響
《搭載歩行機械》の登場により、多くのデッキがこの除去耐性マシンを使用するようになりました。これはエスパードラゴンにとっては、対処が難しい問題です。これを解決するためには、オジュタイではなくシルムガルの力を借りる必要があります。
《極上の炎技》は、非常に対処が難しいカードです。打ち消すことができない4点火力はエスパードラゴンにとっては不利に働きます。本体に撃たれても、タップ状態のオジュタイに撃たれても、どちらにしても辛い状況です。
《衰滅》は強力なスイーパーですが、使うには《龍王オジュタイ》と相性が悪く、使われるぶんにはオジュタイがやられてしまう厄介なカードです。特に5ターン目にオジュタイを着地させるという強力なムーブに容易く対処されてしまう点が苦しいのです。この動きを「アブザンコントロール」にされてしまうのは、非常に苦しいと言わざるを得ません。
《ヴリンの神童、ジェイス》は、特に「ジェスカイ」や「青白コントロール」を劇的に強化しましたが、エスパードラゴンがメインに採用するべきカードではなく、サイドボードに取るには中途半端なカードです。
《巨森の予見者、ニッサ》は、特に「アブザンコントロール」を更に強化させました。コントロールマッチにおいて土地詰まりの問題を解決するという意味でも有効なカードであり、ほぼ互角のマッチアップであったはずのエスパードラゴンに、一歩差をつけることになったのです。
そして、新カードによって一躍一線に躍り出た「青赤ソプター」に対して有利がつくようなデッキではないのです。
以上のようなことを考えるとおわかりになるかと思いますが、オリジンの登場によってエスパードラゴンは何も得られていないのです。唯一、《意思の激突》というカウンターを得ることができましたがあまり採用する機会はなく、これに喜んでいるのはよっぽど青黒コントロールのほうでしょう。
それでも高い勝率を誇るのは「エスパードラゴンコントロール」というデッキパワーの高さが確かなものであるからですが、「アブザンコントロール」に有利がつくようでなければ、活躍できる可能性は低いと言わざるを得ません。
若干の追い風となっているのは、苦手とする《はじける破滅》を採用できるマルドゥが数を減らしているという点と、《死霧の猛禽》を採用したデッキが以前より数を減らしているという点。そして最も苦手としている赤アグロ系のデッキがアブザンアグロに駆逐されたことが、追い風にはなっています。
●メタゲームをどう読むか
晴れる屋さんのホームページに、高橋純也さんの記事があがっています。
http://www.hareruyamtg.com/article/category/detail/1792
《搭載歩行機械》に焦点を当てた彼の記事によると、WMCQ名古屋予選では、メタゲームは一周して「アタルカレッド」や「青赤ソプター」のような高速デッキが活躍する?どうなる?という締めで終わっています。
現行スタンダード環境の集大成といえる今回の大会において、七瀬が考えるメタゲームはこれとは異なるものです。
最大勢力となるのはアブザンで間違いないでしょう。アブザンアグロの進化形である「ハンガーバックアブザン」はその形を丸く変えて、長期戦に強い調整がされてきています。このようなデッキは特にハードなトーナメントを戦い抜くには好まれるものです。また、「アブザンコントロール」自体も非常に強いデッキであり、これを集大成として持ち込む人も多いでしょう。
次点で青系コントロールが多いと七瀬は予想しています。これはGPプラハで「青黒コントロールが結果を残したことから、「今なら青いコントロールデッキで勝てる」と判断する人が多いという読みです。日本人は青いコントロールデッキが大好きなので、特に「ハンガーバックアブザン」に優位を取れる構成の「青白コントロール」や「青黒コントロール」はその数を増やすものと思っています。隙さえあればコントロールを使うのが日本人です。「エスパードラゴンコントロール」も青系コントロールデッキに分類されるわけですが、純正青白ないし青黒と戦うと不利になりやすいので、この相性差を改善できるような工夫が必ず必要かと考えます。
その他の勢力の筆頭は、「ジェスカイ」と「赤緑」です。「ジェスカイウィンズ」はかなり苦戦してはいますがまだまだ使用者が多く、調整の上で持ち込む人は多いでしょう。特に《ゴブリンの熟練扇動者》はコントロール相手に強く、《嵐の息吹のドラゴン》はアブザン相手に強いカードです。それらを使うもうひとつのデッキとして「赤緑」があります。様々なバリエーションがありますが、《エルフの神秘家》から《ゴブリンの熟練扇動者》という強力な動きができるタイプは多く見かけることになるでしょう。《雷破の執政》と《嵐の息吹のドラゴン》という飛行クリーチャーが多く取れるため、アブザンに優位を取るためには確実です。これらに特化したのが「黒赤ドラゴン」というデッキであり、ある程度見かけることになるでしょう。
「赤アグロ」「アタルカレッド」や「青赤ソプター」のようなデッキは、かなり対策が取られており、活躍は難しいはず(それでも運良く勝ち抜く人は一定数いる)。ハンガーバックアブザンがまだまだ強いので、青系コントロールを倒しにきた赤アグロが、アブザンに叩かれて消えていく可能性のほうが高いと予想します。「赤いアグロ系のデッキは新環境初期に強い」という傾向があるので、「戦乱のゼンディカー」後のスタンダードは、アブザンとジェスカイと赤アグロに焦点が集まりそうではあります。
その他にも数多くのアーキタイプが存在する現行スタンダード。各自、思い入れのあるデッキを持ち込む人も多いはずですから、メタゲームによってデッキを尖らせるのは正解とは言えません。
七瀬のメタ予想は、
アブザン全般 (25%) > 青系コントロール(青黒+青白+白青黒) (20%) > ジェスカイ (10%)&ドラゴン系 (赤緑、赤黒等) (10%) > その他アーキタイプ色々 (5%前後ずつ)
です。これらの予想が当たるかどうか、実際にどうなったかは、来週以降に結果報告致しますので、お楽しみにお待ちください。
●これらの予想を基に…
デッキの最終調整をしていこうと思います。
アブザンに乗ることは鼻から考えていない七瀬とこばゆいの二人は、「ジェスカイ」というデッキがあまりに辛すぎたため、「エスパードラゴンコントロール」というパワーデッキを調整してシェアしようという計画で練習を重ねてきましたが、思いのほか「アブザンコントロール」に勝てないとわかり、悪戦苦闘中。
さて、どのようなデッキリストに落ち着くのでしょうか。
そして、各マッチアップのサイドボードプランはどうするのでしょうか。 続く!
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