1週間連続で書きます今回の企画記事は、七瀬が個人的に考えているリミテッドの基本です。「リミテッドが上手になりたい!」という声や、「プレイングが上手くなりたい!」という声をいただいたので、大したこと書けないとは思いますが、雑記程度に書かせていただきます。何かしら参考になるところがあれば幸いです。GP名古屋に向けて、頑張っていきましょう!
(ここまで定型文)

更新直前でパソコン落ちてかなりの量の文章が消えてから、やる気が回復するまでちょっと時間がかかりました。やる気がダウンした理由は、文中に登場する《灰色熊》の数でも数えてもらえればよいかと思います…。遅れを取り戻すためにどんどん書きますよー!

●コンバットについて

コンバットはマジックの基礎中の基礎であり、ここが上手なプレイヤーは、どのフォーマットで戦っても上手だと七瀬は思います。

慣れている方は読み飛ばしてもらっても構いません。コンバットに不安が残る人は、できれば手元にカードを用意しながら読んでいただけると、より理解が早いかと。では、一度全部消えてしまったAくんとBさんによる《灰色熊》の攻防を、ご覧ください。

出題形式でいきますので、あなたの直感で答えを出してから、読み進めてください!


★Case1. 「ゲーム序盤のコンバットその1」

先手のAくんは、場に《灰色熊》(1緑、2/2、能力なし)をコントロールしています。
後手のBさんは、場に《荒野の後継者》(1緑、2/2、接死など)を出しました。
先手3ターン目、Aくんが《灰色熊》で攻撃宣言しました。

Q、Bさんはブロックすべきでしょうか?


Aくん 「アタック!通しますか?通しませんか?」

さあ、どうでしょう?

Aくんの《灰色熊》とBさんの《荒野の後継者》は、同じマナコストで同じパワーとタフネスを持つクリーチャー。しかし《荒野の後継者》は他にも能力をもっており、《灰色熊》よりはずっと強いクリーチャーです。どちらか1枚をデッキに入れても良いというときに《灰色熊》を選ぶ人は、よほどの熊好きか、ムラガンダ信者かのどちらかでしょう。

この攻撃をブロックするということは、Aくんにとっては、「《灰色熊》を使って《荒野の後継者》を討ち取った」という事実に他なりません。

ケース1解答 「初心者が陥りやすいコンバットの罠」

基本的に、ブロックしない、が正解です。

この選択が裏目にみえるケース ⇒ 戦闘後、Aくんが2体目の《灰色熊》を展開。

この場合、《荒野の後継者》が攻撃しにいくと《灰色熊》にブロックされるため、先ほどの攻防と何ら変わりありません。もしブロックしておけば、2点のダメージを抑えることができたでしょう。しかし考えてみれば、3ターン目のアクションを《灰色熊》程度に抑えることができたなら、七瀬はそれで十分であると考えます。もしもより強い3マナクリーチャーが出てきたら、《荒野の後継者》がブロックすべきは、《灰色熊》ではなくそちらの方になるわけです。

Aくんとしては、何としても《灰色熊》で《荒野の後継者》を討ち取りたい!

つまり2体目の《灰色熊》を展開したAくんは上手なプレイヤーだと、七瀬は思います。

では引き続き、連問です。


Case2. 「ゲーム序盤のコンバットその2」

戦闘後、Aくんが2体目の《灰色熊》を展開。
続くターンでBさんは《絡み爪のイトグモ》(2緑、1/4到達)を召喚しターンを返します。
Aくんは《絡み爪のイトグモ》に《魂裂き》(1黒、パワー3以下を除去できるソーサリー)を撃ち込み、熊2体で攻撃。

Q、Bさんはブロックすべきでしょうか?


Aくん 「アタック!4点です!」

さあ、どうでしょう?

Aくんは初期手札7枚から、熊、熊、除去(と土地4)と使って残りは3枚。とにかくイトグモに除去を使ってでも、《灰色熊》を有効に使いたいAくん。

ケース2解答 「中級者が陥りやすいコンバットの罠」

ここは、素直にブロックするのが正解です。

というのも、除去を先に使ってマナを使ってくれたため、このターンに展開できるクリーチャーに限りがあるのがわかります。ここで2体のうち1体の《灰色熊》を討ち取ると、《荒野の後継者》を失ってでも、次のBさんのターンの行動がとりやすくなるのです。

追加で3体目の《灰色熊》を召喚し、ターンを返すAくん。
続くターンに《大蜘蛛》(3緑、2/4、到達)を場に出して、盤面で有利を築くBさん。

まだまだ試合はわかりませんが、もしブロックしなかったら3体の《灰色熊》が並び、かなり厳しい展開になっていたことでしょう(もちろん、ブロックしなかった時点でBさんが全体に2点のダメージを与える呪文を握っている可能性があるので、Aくんはそれを多少は警戒すべきである)。

「じゃあ、なぜ先ほどはブロックしなかったのに、今度はブロックしたの?行動に一貫性が無くない?」

と疑問を持たれる人もいるかと思いますし、その疑問も当然かと思いますので、ここで少しその話をしたいと思います。


●バランス感覚

マジックは、将棋やチェス、麻雀に似ていると言われることがあります。頭をそこそこ使ってゲームプランを組み立てて戦う、という点ではどれも共通するところがあるでしょう。

そんな中で、「直感でこうした」という瞬間があると思います。直感でこの牌を切った、とかそういうやつです。それは、今までの経験則から何となく導かれた結論であって、すべての人がそうではありませんが、大抵のマジックプレイヤーも何となく、最初の戦闘ではブロックしないし、次の戦闘ではブロックすると思います。でも「何となく」では、納得がいかない人もいると思いますので、その「直感」の中身を探ってみましょう。

例えば最初の戦闘でブロックするかしないかは、もちろん手札次第ではあるのですが、《灰色熊》同士だったらブロックを宣言していたことでしょう。釣り合いのとれた交換であり、後手側からしてみれば1枚手札が多いので、願ってもない条件です。しかし価値のある2マナクリーチャーをあの場面で犠牲にするのと、2点食らって残りライフ18になるのと、天秤にかけたとき、後者(ライフ2点)のほうが安い、と考えるわけです。《灰色熊》が2/2ではなく3/1だったら迷わずブロックしたでしょうし、《荒野の後継者》同士だったとしてもブロックしたでしょう。後手の感覚としては、「損な交換さえしなければ」このままいけば勝てる、と思っているわけです。

逆の立場だったらどうでしょう。先手番がBさんで、《荒野の後継者》を出した返しに、Aくんが《灰色熊》を召喚した。これも手札次第ではあるのですが、Bさんが攻撃宣言したらAくんにとっては願ってもない展開なわけです。ここでBさんが《ショック》を灰色熊に撃ち込んで、《荒野の後継者》で攻撃宣言、更に《荒野の後継者》を追加、という展開があれば、それは明らかに強いです。次にAくんがいかに強いクリーチャーを出しても、接死持ちの2/2をブロックしなければ大きくライフを失いかねないからです。パワー4が出てきて《荒野の後継者》が獰猛達成してしまっては、目もあてられません。

さて、話を戻しまして、2回目の戦闘はブロックで正解なのでしょうか?ここで大事になるのは、《灰色熊》と《荒野の後継者》との交換条件が、それだけ「有利な場がつくれるか」というところです。

ブロックしなかった場合、場に残るのは、Aくんが《灰色熊》2体、Bさんが《荒野の後継者》1体で残りライフ14。この状況、あなたならどう感じますか?

七瀬は、「要注意」と判断します。《荒野の後継者》が機能しないままにライフを6点失うことは、油断ならない状況です。次に《大蜘蛛》を出したとしても、同じように除去されてしまっては、再び同じ展開。更にブロックしなければ残りライフは10まで落ち込み、「危険域」に入ります。完全にAくんペースです。あとはAくんの引きが強ければこのまま押し切られてしまうでしょう。逆に考えれば、上手なプレイヤーは弱い手札を駆使して、このような展開を狙ってくるわけです。

ブロックした場合、場に残るのは、Aくんの《灰色熊》1体のみで、残るライフは16。先ほどの状況と比べてどうでしょう?

七瀬は、「安全圏」と判断します。Bさんは返しのターンに《大蜘蛛》出して、これ除去されても、まだまだライフには余裕があります。より強いクリーチャーを出すか、軽めの除去を熊に撃ち込んでやれば、Aくんは勢いを失うはずです。

つまり、《灰色熊》と《荒野の後継者》との交換条件が、それに見合うならブロック、見合わないならスルーで良いわけです。最初の戦闘における交換は相手の得にしかなりませんが、2回目の戦闘における交換で手に入れた場の状況は、ゲームを優位に進めるに値するものだと七瀬は思います。

こういったバランス感覚は、人それぞれ若干の違いはあれど、マジックを長くやっているプレイヤーなら誰もが自然に身につけているものです。もしあなたが、高らかにブロックを宣言したとき、周りの人が「え?」という反応を示したときは、感覚のずれがあるのかもしれません。素直な気持ちで、どうしたほうがよかったのか、聞いてみましょう。上達の近道です。


●コンバットのつづき

Case3. 「コンバットトリック」

先手のAくんは、場に《灰色熊》(1緑、2/2)を2体コントロールしています。
後手のBさんは、場に《大蜘蛛》(3緑、2/4、到達)を1体場に出しました。
先手5ターン目、Aくんが《灰色熊》2体で攻撃宣言しました。
Aくんの残る手札は土地を出さずに3枚、Bさんの残りライフは16で手札は4枚。

Q、Bさんはブロックすべきでしょうか?


Aくん 「ブロックは、どうしますか?」

さあ、どう見ても怪しいですね。

Aくんはサイズで劣る《灰色熊》2体で攻撃してきたわけですが、このまま何もなければ、Aくんは1体の《灰色熊》をタダで失うことになります。これほど愚かなことはありません。なので、Aくんは手札にインスタント呪文をもっている、と考えるのがふつうでしょう。

例えば《巨大化》で+3/+3修正することで、一方的に《大蜘蛛》を倒す作戦です。また、あまりオススメはしませんが、《ショック》の2点火力を戦闘後に《大蜘蛛》に撃ち込むことで、2枚のカードを犠牲にしてでも《大蜘蛛》を倒しにいく、という手も考えられます。

ケース3解答 「コンバットトリックへの考え方」

基本的に、ブロックする、が正解です。

ブロックしなかった場合、4点のダメージがBさんに与えられ、残るライフは12になります。まだ余裕はありますが、油断できない状況です。もし《大蜘蛛》がBさんの最後のクリーチャーだというなら、これはブロックするべきではありませんが、そのような条件を除いて、基本的にはブロックします。

ブロックした場合、上述のように《巨大化》が飛んできました。《大蜘蛛》は無念、一方的に討ち取られてしまい、Bさんの残るライフは14になります。これは「してやったり!」なAくんかもしれませんが、Bさんからすれば、「ここで呪文を使わせた」というのがかなり大きいです。コンバットトリックというのは、インスタント呪文を上手に使って戦闘を有利に進めることですが、これで得が取れているか、そうでないか、では大きな差があります。今回のケースでは《巨大化》と《大蜘蛛》で1対1交換であり、正当なコンバットトリックです。Aくんが上手にやったようにみえて、Aくんが得をしたのは、Bさんに与えた2点のダメージだけです。

コンバットトリックは時としてそれだけでゲームを完全に決定づけるほどのアドバンテージ差を生み出しますので、十分に注意すべきです。


Bさんは続くターン、《突進する大鹿の群れ》(3緑緑、5/5、圧倒でトランプル)を召喚。

いよいよ先手でアグレッシブに攻めてきたAくんには厳しい展開になってきました。

Case4. 「終盤、要所での読み合いとミス待ち」

先手のAくんは、場に《灰色熊》(1緑、2/2)を2体コントロールしています。
後手のBさんは、場に《突進する大鹿の群れ》(3緑緑、5/5、圧倒でトランプル)。
先手6ターン目、Aくんは攻撃宣言せず土地を置き、5マナで《センギアの吸血鬼》(3黒黒、4/4飛行)を召喚して終了。土地はフルタップ。

Aくんは気づいていませんが、Bさんのデッキには、実はもう4/4飛行に対応できるカードがありません。Aくん残りライフ20で手札は1枚、Bさん残りライフ14で手札は3枚。

後手6ターン目、Bさんは少し考えてから、《突進する大鹿の群れ》(5/5)単独で攻撃。

Aくんの場には《灰色熊》(2/2)2体と《センギアの吸血鬼》(4/4)です。

Q、Aくんはどうすればよいでしょうか?


Aくん 「うーん…考えます。」

あなたの直感はどうでしょう?

いよいよゲームも佳境の大事な場面。残りライフとクリーチャーの数で勝るAくんに対し、Bさんは5/5で攻撃宣言してきました。選択肢としては、

①通して5点受ける
②《灰色熊》1体でブロック
③《灰色熊》1体と《センギアの吸血鬼》で2体ブロック
④《灰色熊》2体と《センギアの吸血鬼》で3体ブロック

ここで考えるは、2体以上でブロックした場合、《センギアの吸血鬼》と《突進する大鹿の群れ》との交換になりそうだ、ということです。これではAくんが勝ち筋がなくなってしまうので、5/5を通すか、熊を1体犠牲にするかの選択になるでしょう。

ライフにも余裕があるので、直感的には①を選ぶのが裏目が少なく、正解かと思われますが、その直感の裏目を考えなくてはなりません。

そして「違和感のある行動には必ず裏がある」ことを覚えておかなければなりません。

<違和感> なぜ殴ってきたのか?

Aくんがこの攻撃をスルーしたあと、Bさんがブロッカーを出せなければ残るライフ14から6まで減少します。ブロッカーを出したとしても、除去されてしまえば同じことになり、さすがにリスクが高すぎる攻撃に思えます。ならば、それを解消できる何かがあるはず。

例えば、2体のクリーチャーを展開して熊の攻撃を阻む。
例えば、大型のクリーチャーを展開して勝負を決めに行く。
例えば、《センギアの吸血鬼》に除去を撃つ。

クリーチャーを複数展開するのが一番な気がしますが、それなら先に出したほうが大鹿がトランプルをもつので、そのほうがいいような気がします。

大型クリーチャーを連打する場合も同じです。

吸血鬼に除去撃つなら先に撃ったほうが素直にみえます。

でもそうしなかった。これは非常に不可解です。

<解答> 違和感の強い攻撃というのは、基本的にミス待ちの可能性が高いです。

例えばここで《センギアの吸血鬼》を含めたクリーチャーでブロックしてしまった場合、飛行という脅威がなくなるため、Bさんが勝つ可能性はぐっと高まります。コンバットトリックがあれば更に有利がつきます。これがおそらくはBさんの狙いです。

《灰色熊》1体でブロックした場合は難しいのですが、ライフレース上、Bさんが優位を取りやすい展開と思われます。残るライフが14というのは、4/4で3回殴る以外に、2/2の攻撃の2点が入ることでちょうど0になります。ここで大事なのは、4/4飛行だけなら4ターンかかる残りライフが、2/2の攻撃が通ってしまうと3ターンで終わるということです。何かを怪しんで《灰色熊》でブロックした場合、何もなければ、Aくんの勝利条件は残り4ターンです。対するBさんは5点クロックが立っており、更にクリーチャーを追加する可能性を残しています。Aくんがクリーチャーを引き続け、ブロッカーを用意し続ければよいのですが、おそらく次からは5/5がトランプルをもって殴ってくることでしょう。

つまり、おそらく5点の攻撃をスルーして本体で受けるという想定での攻撃宣言であり、ブロックされれば儲けもの、特に《センギアの吸血鬼》倒したい、というやつです。圧倒を達成した上で殴れば、トランプルもちであるため、熊単独でブロックするプランはなくなるでしょうし、攻撃はまず通すでしょう。ようするに、このほうがミスが生じにくいシチュエーションなのです。

直感を信じて、考えても負け目が少ないと感じたならば、やはり攻撃を通すのが正解。

攻撃を通した結果、Bさんは5点のダメージを与えた後に、3/3のクリーチャーを展開してターンを終了しました。

さて、状況を再び確認してみましょう。

Aくん (ライフ15)(手札残り1) 場 : 4/4飛行、2/2、2/2
Bさん (ライフ14)(手札残り1) 場 : 5/5(タップ)、3/3 (攻撃時全員トランプル)


この展開はBさんにとっては厳しい。かなり際どいですが、このままでは先に倒れるのはBさんのほうでしょう。この場を想定できたのはBさんのほうだけであり、Aくんは、Bさんの見えない手札を考えながらプレイしなければならなかったわけです。

Bさんが先に3/3を出していた場合、ライフレースで勝りそうだと確信をもって、Aくんはスルーを宣言することができます。

ちなみに全部でブロックした場合、以下の状況になっていました。


Aくん (ライフ20)(手札残り1) 場 : 2/2、2/2
Bさん (ライフ14)(手札残り1) 場 : 3/3


これはBさんのほうが有利な展開ですから、3/3が見えていれば、Aくんもそのようなブロックはしないはずです。しかし、見えない手札の恐怖というのは時として相手に余計な想像をさせ、場合によってはこのような状況になっていたかもしれません。

もし、熊単独でブロックしていた場合はこうなっていました。

Aくん (ライフ20)(手札残り1)場 : 4/4飛行、2/2
Bさん (ライフ14)(手札残り1) 場 : 5/5(タップ)、3/3 (攻撃時全員トランプル)


一見、Aくんの飛行が止まらなければ勝てそうな盤面ですが、実はBさんもかなり勝てそうな盤面です。Aくんはここから飛行で4回殴る必要があり、その間にBさんが3回の攻撃で決着をつけることができればBさんの勝ちです。お互いに追加のクリーチャーを展開できれば状況は変わるのですが、特にBさんの攻撃時トランプルという状況が強く、どちらに転ぶかわかりません。

以上のような想定ができるのはBさんだけであり、Aくんは裏目が少ない選択肢をよくよく考えて行動しなくてはなりません。


Case5. 「最終局面、残りの1枚の手札読み」

さてさて、試合も終盤になり、引いてきたカードが強かったほうに転びそうな状況が続いています。しかしお互いに引いたのは土地。握っている最後の1枚の手札を予想して、より確実に勝利を掴み取りたい場面です。

Aくんのターン、お互いに土地はアンタップで6枚と7枚。
Aくん (ライフ10)(手札残り1) 場 : 4/4飛行、2/2、2/2
Bさん (ライフ10)(手札残り1) 場 : 5/5(タップ)、3/3 (攻撃時全員トランプル)

Q、Aくんは、Bさんの残る手札をどのように予想できるのでしょうか。
Q、Bさんは、Aくんの残る手札をどのように予想できるのでしょうか。


Aくん 「何構えてるのかなぁ…」

さぁ、どうでしょう。

前のターンに、5/5トランプルで単独攻撃したときは。2/2の熊たちはブロックしなかったAくん。お互いのライフが残り10になり、いよいよ佳境です。

Aくんとしては、このターンにフルパンチして残りを4にして、次のターンに勝ち。というプランをとりたいところ。リスクとしては、2点火力や強化呪文があると負けてしまうところ。もしこのターンに4/4飛行が単独攻撃した場合は、ブロッカーを1体用意されただけで、負けが見えます。つまり、Aくんはこのターンにフルパンチするほうが勝つ確率が高そうです。

こういった場合の負け筋をしっかり考えておくと、勝ちを拾いやすいです。

<Aくんの読み><Bさんの読み>
もし手札にクリーチャーがいるならば、もう場に出しているはず。除去や強化呪文をもっているならば、もう使っているはず。ならば残るカードは何がある?土地?それともわざとインスタント呪文を温存?

お互い、相手の手札について、同じような予想をしていると思います。

こういったときに差が出るのが、環境理解度です。

この環境にはどんなカードがあっただろうか?

速攻をもつクリーチャーはどれだけいただろうか?

《反逆の印》のようなコントロールを奪うカードはあっただろうか?

ライフを回復する呪文、ライフを削る呪文はあっただろうか?

などなど……

こういったことを知っているかどうかで、更に正確な読みができるようになります。プロプレイヤーと呼ばれるようなプレイング巧者は、こういったところが本当に的確です。

この試合の結果はどうなったか、もしわかった方がいましたら、理由と共にコメントに書いていただけると幸いです。


●おわりに

とりあえず今回はとある試合を例に出し、序盤のコンバットの基本的な考え方、そのあとは中級者向けにコンバットのバランス感覚や、不可解なアクションに対する考え方といった、ちょっと難しい話までしました。いかがだったでしょうか?

もちろん時と場合によるので、必ずしもこのプレイが常に正しい、ということはありません。しかし、プレイングの基本はこうである、こういう考え方でプレイングしている人もいおる、というものを知ることで、プレイヤーとしてまた一歩成長できるかもしれません。

次回はコンバット<後編>ということで、コンバットトリックなどの内容を中心に書こうと思います。

コメントから、質問やご意見ご感想なども気軽にどうぞ!

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