スタンダードデッキ概要解説②エスパー
2015年12月10日 Magic: The Gathering最大勢力である「アブザン」に立ち向かうために調整された結果の白青黒のカラーリング「エスパー」。デッキタイプが多岐にわたっているので、ひとまずアーキタイプ別の解説から。
1、エスパードラゴン 使用者:中村修平プロ(GP神戸ベスト8)
スタンダードのエスパーを代表するデッキです。環境最強クラスのクリーチャーである《龍王オジュタイ》と《龍王シルムガル》の2大龍王を中心に、《シルムガルの嘲笑》と《忌呪の発動》の2種類のドラゴン呪文を駆使して場をコントロール、更に環境屈指のドロースペルである《時を越えた探索》がデッキを支えます。最近はパワーカードである《ヴリンの神童、ジェイス》をメインから採用することにより、デッキの安定性を向上させるとともに、「アブザン」といったデッキに有利を取りやすくなりました。コントロールというよりはミッドレンジに近いデッキです。サイドボードは同型とアブザンを強く意識しており、そのぶん「アタルカレッド」のようなアグロデッキには対策が不十分な内容。
2、エスパーメンター 高尾 翔太さん(GP神戸4位)
全環境屈指のパワーカードである《僧院の導師》を中核に、《ヴリンの神童、ジェイス》や、《道の探求者》、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》といった少数精鋭の攻撃陣によるアグロ気味のミッドレンジデッキ。《道の探求者》に代えて《搭載歩行機械》を採用することもありますが、残りは総じて《絹包み》や《究極の価格》、《残忍な切断》といった除去呪文、《強迫》や《蔑み》といった手札破壊呪文であり、呪文が中心の構成。スタンダード環境においては《僧院の導師》のスペックを最大限に発揮できるアーキタイプのひとつといえるでしょう。
3、エスパートークン
《搭載歩行機械》、《僧院の導師》、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》、《風番いのロック》とつなぐトークン中心のデッキ。「エスパーメンター」との違いはあまり大きなものではなく、同一のデッキとして扱われることも多いです。《荒野の確保》まで採用しているとこちらのアーキタイプに分類されることが多いと思われます。
4、エスパーコントロール
《ヴリンの神童、ジェイス》を強く使うために、これ以外のクリーチャーを採用せず、残りをすべてボードコントロールに費やした、ほぼノンクリーチャーのコントロールデッキ。環境に数少ないヘビーコントロールデッキで、勝ち手段をプレインズウォーカーないし覚醒土地に求めるところが、古き良きコントロールの流れを汲んでいるようです。
●エスパーの戦術
エスパーの戦術のすべては、《ヴリンの神童、ジェイス》と《僧院の導師》、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》、《龍王オジュタイ》の4枚の環境屈指のパワーカードに集約されます。特にジェイスとメンターは放置しておくとそのカードパワーを最大限に発揮するため、除去の薄いデッキにとっては悪夢のような存在です。もちろんギデオンやオジュタイも放置しておくとゲームがあっという間に終わってしまうので、対戦相手はそれぞれへの対処を要求されるわけです。
そしてより戦いづらい点として、白青黒のエスパーという色がもつ柔軟性があります。除去、手札破壊、打ち消しという3種類の妨害手段により、相手のゲームプランを崩して状況をコントロールするのが上手な色の組み合わせなのです。
「エスパードラゴン」は、5ターン目に《龍王オジュタイ》を召喚し、そのまま場を掌握してゲームを速やかに終わらせることができるデッキです。オジュタイを排除するための除去呪文は、手札破壊や打消し呪文によって防がれてしまうでしょう。
「エスパーメンター」は、手札を確認した上で《僧院の導師》を召喚。そのまま除去呪文などを使えば使うほど場は大量のモンクトークンに埋め尽くされ、一気にゲームを決めてしまうほどです。多少サイズが物足りない場合は、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》がその攻勢を後押ししてくれるはずです。
「エスパートークン」は、上記トークン戦術をより濃くした内容で、単体除去に頼りがちなデッキ相手には滅法強いです。「エスパーコントロール」は、ミシュラランドか、覚醒した土地が静かにゲームを決めてくれるでしょう。
●デッキ相性
仮想敵である「アブザン」にはどのデッキも相性が良いです。現在、「エスパー」というデッキを使って「アブザン」に勝てない場合は、デッキかプレイングのどちらかを改めないといけないでしょう。特に「エスパードラゴン」というデッキは「アブザン」には滅法強く、相性差でいうと7:3ほどです。サイド後の《自傷疵》は気をつけたいですが、普通に戦ってこれほどわかりやすく「アブザン」に優位を取れるデッキも数少ないものです。
対アグロでは、「エスパードラゴン」は序盤に難があり、相性がかなり悪いマッチアップです。メイン3:7、サイド4:6ぐらいでしょうか。その他、「エスパー」という除去をたくさんとっているデッキならば比較的相性が良いと思います。組み方ひとつでマッチアップは劇的に変化するので、工夫が必要です。
「マルドゥ」や「ダークジェスカイ」には《はじける破滅》があるので「エスパードラゴン」はかなり苦戦を強いられることでしょう。相性差でいうと3:7ぐらいの差はつくかと思います。その他のミッドレンジデッキ、例えば純正の「ジェスカイ」には相性がよく、《はじける破滅》というカードの存在感はそれほど大きいものです。
「4Cラリー」や「エルドラージランプ」相手には、適切なプレイングができれば有利が取れますし、特にサイド後はその有利が顕著です。《無限の抹消》がジェイスで使いまわせれば勝利は目前です。
1、エスパードラゴン 使用者:中村修平プロ(GP神戸ベスト8)
4 : 《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn’s Prodigy》
4 : 《龍王オジュタイ/Dragonlord Ojutai》
2 : 《龍王シルムガル/Dragonlord Silumgar》
10 creatures
4 : 《シルムガルの嘲笑/Silumgar’s Scorn》
3 : 《忌呪の発動/Foul-Tongue Invocation》
3 : 《絹包み/Silkwrap》
2 : 《強迫/Duress》
1 : 《苦い真理/Painful Truths》
1 : 《破滅の道/Ruinous Path》
1 : 《風への散乱/Scatter to the Winds》
2 : 《完全なる終わり/Utter End》
2 : 《命運の核心/Crux of Fate》
4 : 《時を越えた探索/Dig Through Time》
1 : 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis Reignited》
24 other spells
5 : 《島/Island》
1 : 《平地/Plains》
1 : 《沼/Swamp》
3 : 《大草原の川/Prairie Stream》
3 : 《窪み渓谷/Sunken Hollow》
4 : 《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
4 : 《汚染された三角州/Polluted Delta》
1 : 《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
3 : 《乱脈な気孔/Shambling Vent》
1 : 《精霊龍の安息地/Haven of the Spirit Dragon》
26 lands
2 : 《アラシンの僧侶/Arashin Cleric》
1 : 《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang》
2 : 《強迫/Duress》
2 : 《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke》
2 : 《自傷疵/Self-Inflicted Wound》
1 : 《絹包み/Silkwrap》
1 : 《正義のうねり/Surge of Righteousness》
1 : 《究極の価格/Ultimate Price》
3 : 《僧院の導師/Monastery Mentor》
15 sideboard cards
スタンダードのエスパーを代表するデッキです。環境最強クラスのクリーチャーである《龍王オジュタイ》と《龍王シルムガル》の2大龍王を中心に、《シルムガルの嘲笑》と《忌呪の発動》の2種類のドラゴン呪文を駆使して場をコントロール、更に環境屈指のドロースペルである《時を越えた探索》がデッキを支えます。最近はパワーカードである《ヴリンの神童、ジェイス》をメインから採用することにより、デッキの安定性を向上させるとともに、「アブザン」といったデッキに有利を取りやすくなりました。コントロールというよりはミッドレンジに近いデッキです。サイドボードは同型とアブザンを強く意識しており、そのぶん「アタルカレッド」のようなアグロデッキには対策が不十分な内容。
2、エスパーメンター 高尾 翔太さん(GP神戸4位)
4 : 《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn’s Prodigy》
4 : 《道の探求者/Seeker of the Way》
4 : 《僧院の導師/Monastery Mentor》
2 : 《龍王オジュタイ/Dragonlord Ojutai》
14 creatures
4 : 《強迫/Duress》
2 : 《蔑み/Despise》
2 : 《勇敢な姿勢/Valorous Stance》
1 : 《絹包み/Silkwrap》
1 : 《究極の価格/Ultimate Price》
2 : 《破滅の道/Ruinous Path》
2 : 《残忍な切断/Murderous Cut》
2 : 《宝船の巡航/Treasure Cruise》
4 : 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》
1 : 《真面目な訪問者、ソリン/Sorin, Solemn Visitor》
21 other spells
2 : 《平地/Plains》
1 : 《島/Island》
2 : 《沼/Swamp》
2 : 《大草原の川/Prairie Stream》
1 : 《窪み渓谷/Sunken Hollow》
4 : 《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
4 : 《汚染された三角州/Polluted Delta》
1 : 《進化する未開地/Evolving Wilds》
4 : 《コイロスの洞窟/Caves of Koilos》
4 : 《乱脈な気孔/Shambling Vent》
25 lands
2 : 《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid》
2 : 《層雲の踊り手/Stratus Dancer》
1 : 《払拭/Dispel》
2 : 《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke》
2 : 《自傷疵/Self-Inflicted Wound》
2 : 《正義のうねり/Surge of Righteousness》
1 : 《見えざるものの熟達/Mastery of the Unseen》
1 : 《絹包み/Silkwrap》
1 : 《究極の価格/Ultimate Price》
1 : 《次元の激高/Planar Outburst》
15 sideboard cards
全環境屈指のパワーカードである《僧院の導師》を中核に、《ヴリンの神童、ジェイス》や、《道の探求者》、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》といった少数精鋭の攻撃陣によるアグロ気味のミッドレンジデッキ。《道の探求者》に代えて《搭載歩行機械》を採用することもありますが、残りは総じて《絹包み》や《究極の価格》、《残忍な切断》といった除去呪文、《強迫》や《蔑み》といった手札破壊呪文であり、呪文が中心の構成。スタンダード環境においては《僧院の導師》のスペックを最大限に発揮できるアーキタイプのひとつといえるでしょう。
3、エスパートークン
《搭載歩行機械》、《僧院の導師》、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》、《風番いのロック》とつなぐトークン中心のデッキ。「エスパーメンター」との違いはあまり大きなものではなく、同一のデッキとして扱われることも多いです。《荒野の確保》まで採用しているとこちらのアーキタイプに分類されることが多いと思われます。
4、エスパーコントロール
《ヴリンの神童、ジェイス》を強く使うために、これ以外のクリーチャーを採用せず、残りをすべてボードコントロールに費やした、ほぼノンクリーチャーのコントロールデッキ。環境に数少ないヘビーコントロールデッキで、勝ち手段をプレインズウォーカーないし覚醒土地に求めるところが、古き良きコントロールの流れを汲んでいるようです。
●エスパーの戦術
エスパーの戦術のすべては、《ヴリンの神童、ジェイス》と《僧院の導師》、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》、《龍王オジュタイ》の4枚の環境屈指のパワーカードに集約されます。特にジェイスとメンターは放置しておくとそのカードパワーを最大限に発揮するため、除去の薄いデッキにとっては悪夢のような存在です。もちろんギデオンやオジュタイも放置しておくとゲームがあっという間に終わってしまうので、対戦相手はそれぞれへの対処を要求されるわけです。
そしてより戦いづらい点として、白青黒のエスパーという色がもつ柔軟性があります。除去、手札破壊、打ち消しという3種類の妨害手段により、相手のゲームプランを崩して状況をコントロールするのが上手な色の組み合わせなのです。
「エスパードラゴン」は、5ターン目に《龍王オジュタイ》を召喚し、そのまま場を掌握してゲームを速やかに終わらせることができるデッキです。オジュタイを排除するための除去呪文は、手札破壊や打消し呪文によって防がれてしまうでしょう。
「エスパーメンター」は、手札を確認した上で《僧院の導師》を召喚。そのまま除去呪文などを使えば使うほど場は大量のモンクトークンに埋め尽くされ、一気にゲームを決めてしまうほどです。多少サイズが物足りない場合は、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》がその攻勢を後押ししてくれるはずです。
「エスパートークン」は、上記トークン戦術をより濃くした内容で、単体除去に頼りがちなデッキ相手には滅法強いです。「エスパーコントロール」は、ミシュラランドか、覚醒した土地が静かにゲームを決めてくれるでしょう。
●デッキ相性
仮想敵である「アブザン」にはどのデッキも相性が良いです。現在、「エスパー」というデッキを使って「アブザン」に勝てない場合は、デッキかプレイングのどちらかを改めないといけないでしょう。特に「エスパードラゴン」というデッキは「アブザン」には滅法強く、相性差でいうと7:3ほどです。サイド後の《自傷疵》は気をつけたいですが、普通に戦ってこれほどわかりやすく「アブザン」に優位を取れるデッキも数少ないものです。
対アグロでは、「エスパードラゴン」は序盤に難があり、相性がかなり悪いマッチアップです。メイン3:7、サイド4:6ぐらいでしょうか。その他、「エスパー」という除去をたくさんとっているデッキならば比較的相性が良いと思います。組み方ひとつでマッチアップは劇的に変化するので、工夫が必要です。
「マルドゥ」や「ダークジェスカイ」には《はじける破滅》があるので「エスパードラゴン」はかなり苦戦を強いられることでしょう。相性差でいうと3:7ぐらいの差はつくかと思います。その他のミッドレンジデッキ、例えば純正の「ジェスカイ」には相性がよく、《はじける破滅》というカードの存在感はそれほど大きいものです。
「4Cラリー」や「エルドラージランプ」相手には、適切なプレイングができれば有利が取れますし、特にサイド後はその有利が顕著です。《無限の抹消》がジェイスで使いまわせれば勝利は目前です。
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