七瀬が考える「白黒」というカラーは、まずはライフゲインがしっかりとしています。

2マナ域の《永代巡礼者、アイリ》の主張は強く、3マナ域の《苦渋の破棄》、6マナ域の《死の宿敵、ソリン》といったカードは「白黒」というカラーだからこそ採用できる強いカード。そして何より《乱脈な気孔》をナチュラルに採用できるのが強みです。

七瀬が色別にデッキを組む場合、そのカラーでしかできないことをしっかりと認識し、その特徴を最大限に利用できるような構築を目指します。ここでいうならば、

《永代巡礼者、アイリ》、《苦渋の破棄》、《死の宿敵、ソリン》、《乱脈な気孔》

の4枚がそれに当たります。これらのカードを強く使ってこそ、「白黒」というカラーのデッキの持ち味を最大限に発揮できるのです。


●七瀬式「白黒」

《永代巡礼者、アイリ》を強く使うには、同時に使われるクリーチャーカードがポイントになります。つまりは「生け贄に捧げる」クリーチャーです。候補としては、メタゲームとしては不適切な《搭載歩行機械》が1stに挙げられます。《石の宣告》といった追放除去が流行の昨今ですが、「生け贄」というデメリットをデメリットとして感じさせないクリーチャーはまずこれでしょう。極端なところまでいうと、《復興の壁》は非常にタフでユニークです。

《苦渋の破棄》は枚数をあまり取れないカードです。特に「人間」といったウィニーデッキではそのデメリットが際立ってしまいます。それでも、エンチャントやプレインズウォーカーを追放してくれるインスタントという意味で非常に強力な呪文です。

《死の宿敵、ソリン》は難しいカードです。そのマナ・コストの重さに見合うだけの仕事をしてくれますが、コントロールで使うと守りにくく、アグロで使うと重すぎるという欠点があるのです。その意味では、ミッドレンジでの採用が最も適当かと七瀬は考えています。

《乱脈な気孔》は対抗色ミシュラランドで最も評価の高いカードです。それは、「アブザン」と「エスパー」という2つのデッキで採用されていて、ライフを戻す手段として強力だったからです。このミシュラランドを強く使うには、やはり《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》もしくは《永遠の見守り》といった強化呪文との組み合わせが適切でしょう。《衰滅》との相性を考えると、前者に軍配が上がるような気がします。

「黒」というカラーリングに注目すれば、手札破壊と除去が最も強く、《ゲトの裏切り者、カリタス》というエースクリーチャーと、《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》という強力なプレインズウォーカー、そして《衰滅》という環境に合った全体除去を使うことができます。

「白」というカラーリングに注目すれば、2~3マナ域の生物は弱くなりましたが、《大天使アヴァシン》というエースクリーチャーと、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》という強力なプレインズウォーカー、そして《罪人への急襲》という新たな全体除去を使うことができます。

問題点を探るとすれば、優良な3マナ生物に乏しいということでしょうか。《マラキールの同盟者、ドラーナ》はデッキに合うクリーチャーではなく、《ドラーナの使者》も使用に耐えるかというと疑問が残ります。《不毛の地の絞殺者》は強力ですが追放呪文を多く採用する必要があり、《ゲトの裏切り者、カリタス》とはディスシナジーです。このあたり、欠色を足せば《変位エルドラージ》を採用でき、更に《大天使アヴァシン》などとのシナジーを形成できるのは、工夫の結果かもしれません。


●試作デッキリスト

3 : 《搭載歩行機械》
3 : 《永代巡礼者、アイリ》
3 : 《不毛の地の絞殺者》
2 : 《ゲトの裏切り者、カリタス》
2 : 《大天使アヴァシン》
13 creatures

2 : 《精神背信》
3 : 《石の宣告》
3 : 《絹包み》
2 : 《骨読み》
2 : 《衰滅》
2 : 《苦渋の破棄》
2 : 《荒野の確保》
16 other spells

3 : 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
2 : 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》
1 : 《死の宿敵、ソリン》
6 planeswalkers

6 : 《平地》
6 : 《沼》
4 : 《コイロスの洞窟》
3 : 《放棄された聖域》
4 : 《乱脈な気孔》
2 : 《ウェストヴェイルの修道院》
25 lands


意識したのは、「人間」と「バントカンパニー」との相性。この2つのデッキにしっかり勝てることがこのアーキタイプを選ぶ理由ですし、勝てなければ価値がありません。

上記2つのデッキに共通して言えることは、「クリーチャーの圧力が強い」こと。

「人間」は1ターン目から全力でクリーチャーを展開してくるため、鋭い除去を駆使しないとまともに戦うことができません。2ターン目の動きとして《搭載歩行機械》や《永代巡礼者、アイリ》は及第点であり、《絹包み》や《石の宣告》は合格点です。追放除去が決まれば《不毛の地の絞殺者》を展開することで1:2交換が容易にとれるでしょうし、そうなれば勝ちは近いです。場に出たプレインズウォーカーが仕事を始めれば、ゲームは決するでしょう。

「バントカンパニー」は2ターン目から徐々に加速するように動いてくるのに加えて、長期戦にも強くデザインされています。《搭載歩行機械》に《反射魔道士》をプレイされるのはかなり厳しいですが、《ゲトの裏切り者、カリタス》を手札に返されるのと比べたらだいぶマシなものです。《絹包み》が《ドロモカの命令》でやられないように、上手に対処していく必要もあります。

《搭載歩行機械》 《荒野の確保》《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》《ウェストヴェイルの修道院》というカードたちからもわかるように、トークン戦術を採用しているため、サイドボード後の《悪性の疫病》が気になるかもしれません。ギデオンに関してのみ言えば、トークンを活かすモード以外も強力であり、それほど気になりません。《搭載歩行機械》を《白蘭の騎士》に、《荒野の確保》を別な勝ち手段に、それぞれ変えることで、それほど気にならなくなるものと考えています。

サイドボードプランは明示していませんが、対アグロなら《鞭打つ触手》や《衰滅》、対カンパニーなら追加の除去や《神聖なる月光》あたりが良サイドです。逆に遅いデッキ相手には手札破壊とプレインズウォーカーのプランが明確に強いでしょう。どちらにも立ち回りやすいのがミッドレンジの強みですので、最大限に活かして戦いたいところです。

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