現環境スタンダード分析
2016年8月25日 Magic: The Gatheringあんまり需要は無さそうだけど、たまにこうやって書いておかないと環境からどんどん離れていきそうなので。書きたかったので書きました、許してください。
■Tier 1
完成された基本形、自己流チューニングの応用力、メタられてもなお勝ち続けるデッキパワーの高さが、支持を集める「バントカンパニー」。本来突き詰められるべきプレイングの難しさを差し置いて、多くのプレイヤーが今日も「6連中隊ガチャ」に一喜一憂しているらしい。
・ バントカンパニー(Bant Company)
現環境の王者で、最も多くのプレイヤーが選択している。それだけ腕の差も出やすい。
特に、その引き出しの多さがプレイングの難しさをより一層高めており、練習は絶対。
ミラーマッチでは長期戦になりやすく、引き分けを避けるためのプレイ速度も求められる。
メタられてなお勝ち続けているそのデッキパワーに関しては、もはや議論は不要だろう。
■Tier 1.5
どのデッキもTier 1に相応しいだけのデッキパワーを持ちながら、環境の王者となった「バントカンパニー」を引きずり下ろすだけのインパクトを与えられていない印象のデッキたち。白と黒と緑の3色で殆どメインの説明がついてしまうのは、適正なバランスなのだろうか。
・ 黒緑昂揚(GB Delirium)/ジャンド(Jund Delirium)/スゥルタイ(Sultai Delirium)
次に活躍を見せている「昂揚/Delirium」デッキ。基本は黒緑の組み合わせだが、
《膨らんだ意識曲げ》と《コジレックの帰還》の組み合わせを採用したジャンド型、
《ヴリンの神童、ジェイス》および《龍王シルムガル》などを採用したスゥルタイ型
などがみられている。デッキパワーと応用力の高さが売りで、人気を集めている。
・ 白単人間(W Humans)/白赤人間(WR Humans)/バント人間(Bant Humans)
手軽に組める環境最速のアグロデッキ。赤をタッチして《無謀な奇襲隊》を採用したり、
どちらかというとバントカンパニーに近い《集合した中隊》を採用した型も存在する。
アグレッシブに攻める速度が「バントカンパニー」に優位を取れるため、根強く人気。
一方で、流行を見せている「黒緑昂揚」といったデッキには、構造上不利である。
・ 白緑トークン(GW Tokens)/ナヤトークン(Naya Tokens)
前環境の王者は下火になっていきているが、そのデッキパワーの高さは突出しており、
《首絞め》を採用するようになってからは再び上位に顔を見せる活躍っぷりである。
元々は「バントカンパニー」に有利がつくデッキであっただけに、対飛行を強化して、
マッチアップが再び改善している点は、注目に値する。
・ 白黒コントロール(BW Control)/エスパーコントロール(Esper Control)
豊富な除去呪文を武器に、精鋭のクリーチャー、PWで勝利するコントロールデッキは、
プロツアー「異界月」を制したのが記憶に新しい。環境に存在するデッキのほとんどが
クリーチャーデッキであるため、構造的には基本的に有利を取りやすい。このアーキに
《ヴリンの神童、ジェイス》を足し直したエスパーカラーが最新型だろうか。
■Tier 2
「現出」、「ランプ」といった派手なアクションで戦いを挑むデッキと、豊富な火力で焼き切る「バーン」、そしてどうしても人間に追いつけない「種族ビートダウン」などが存在する。
・ 4色現出(4C Emerge)(通称:タコミッドレンジ)
「バントカンパニー」に勝つために生み出されたタコデッキ。そのトリッキーな挙動から、
ビックアクションまで、使っても見ていても面白いデッキ。ただし、他のデッキとの
相性がそこまで高くない点、デッキの動きにムラがある点などの問題点を抱えており、
他のアーキタイプと比べて、デッキとしての完成度はいまひとつである。
・ 赤緑ランプ (RG Ramp)/ ティムールランプ(Temur Ramp)(通称:ターボエムラクール)
土地を伸ばしてからのビックアクションで勝負をかけるランプデッキは、
《約束された終末、エムラクール》というラスボスを手に入れたことにより、
「昂揚」というキーワードを生かすデッキへと変化を遂げ、活躍している。
今後は《ニッサの巡礼》を失うことになるが、新たな変化を見せるか注目。
・ 赤青熱病バーン(RU Fevered Burn)/赤黒バーン(RB Burn)
低予算から始められるバーンデッキはメタ外からじわじわとその勢力を伸ばしている。
《熱病の幻視》を採用した赤青型が最多だが、黒を足したものも増えてきている。
その流行の一方で、天敵といえる《ドロモカの命令》が環境にあまりにも多いほか、
昂揚系のデッキも《ムラーサの胎動》をサイドに取り始めるなど、状況はかなり苦しい。
・ 青白スピリット(UW Spirits)
《呪文捕らえ》を中心に、新環境に入ってから流行をみせたフライヤービート。
インスタントタイミングで動けてテンポが取れるのが、このデッキ最大の強み。
しかしそれぞれのカードパワーの低さが仇となり、落ち目といわざるをえない。
特に、《最後の望み、リリアナ》との相性が最悪であるのが最大の問題点。
・ 青黒ゾンビ(BU Zombies)
非常に面白い動きをするゾンビデッキ。純正ゾンビは2色でまとめられており、
緑を足したスゥルタイカラーのものは違ったアーキタイプとして扱われるべきだろう。
カードパワーがそこまで高くないため、伸び悩んでいる。次の環境で完成を迎えるか。
《石の宣告》が最大の弱点であるため、その採用枚数次第では活躍も見られるか。
・ 赤黒吸血鬼(RB Vampires)
幾度となく期待されては「バントカンパニー」の前に捻りつぶされてきた、みんなの夢。
《血の間の僧侶》の登場によっていよいよ完成かと思われたが、いまだ追いつかず。
個人的に、デッキとして納得のいく構築がなされる前に諦められているように思える。
《ピア・ナラーとキアン・ナラー》、《コラガンの命令》が落ちる前に再構築を期待したい。
■個人的注目アーキタイプ
前半は、最近見なくなったデッキたちについて。
まずは、一時期あれだけ活躍していたのに全く見なくなった「グリクシスコントロール」。《ヴリンの神童、ジェイス》や《コラガンの命令》といった重要パーツはギリギリ健在。『カラデシュ』が発売する前に、もうひと花咲かせてもいいのだろうが、問題はスタンダードシーズンがほとんど終わりを迎えてしまったことだろうか……。
次に、「エルドラージビートダウン」。全フォーマットで活躍している《難題の予見者》をはじめとする強力なエルドラージが存在するのに、どうしてここまで姿を消してしまったのだろう?環境が変わればまた活躍のときも来るのかもしれないが、ダメージランドがスタン落ちした後にどうやって無色マナを安定供給させるのか。
あとは、みんな大好き「エスパードラゴン」。全く見かけなくなったような気がするが、何度も言及するように、デッキパワーが保証された、非常に強力なデッキである。《最後の望み、リリアナ》という新戦力を得たが、帰ってくる様子はない。環境の最後に《龍王オジュタイ》の勇姿を拝みたいところである。
後半は、七瀬のオリジナルデッキ。
「白青人間」は、中途半端なデッキをしっかりと咎めることができるバランス感覚の良いデッキ。人間アグロらしい速度を保ちつつ、《呪文捕らえ》が相手のスイーパーを面白いようにキャッチしていく。アグロデッキを使うならオススメのデッキ。
「赤緑トークン」は、「白緑トークン」の基本を守りつつ、《ピア・ナラーとキアン・ナラー》や《ハンウィアー守備隊》といった、白とは違った角度のトークン戦術を展開する。特に、《無謀な奇襲隊》や《アタルカの命令》が、高い攻撃性を主張してくれる。
「エスパーミッドレンジ」は、新戦力の《呪文捕らえ》と、強力なクリーチャーである《難題の予見者》が相手の行動を著しく制限する「高速コントロール」。《不毛の地の絞殺者》を使えば《呪文捕らえ》の不安要素も解消されるに違いない。
「青赤現出バーン」「黒赤マッドネス」は、それぞれの貧弱要素を解消して、より実戦向きな構築を目指したもの。
来週、そんな七瀬の妄想たくましいオリジナルゴミデッキを紹介していきたいと思います!
(ぎゃざで遊べなくて、たまった妄想をDNに書き殴るやつ)
■Tier 1
完成された基本形、自己流チューニングの応用力、メタられてもなお勝ち続けるデッキパワーの高さが、支持を集める「バントカンパニー」。本来突き詰められるべきプレイングの難しさを差し置いて、多くのプレイヤーが今日も「6連中隊ガチャ」に一喜一憂しているらしい。
・ バントカンパニー(Bant Company)
現環境の王者で、最も多くのプレイヤーが選択している。それだけ腕の差も出やすい。
特に、その引き出しの多さがプレイングの難しさをより一層高めており、練習は絶対。
ミラーマッチでは長期戦になりやすく、引き分けを避けるためのプレイ速度も求められる。
メタられてなお勝ち続けているそのデッキパワーに関しては、もはや議論は不要だろう。
■Tier 1.5
どのデッキもTier 1に相応しいだけのデッキパワーを持ちながら、環境の王者となった「バントカンパニー」を引きずり下ろすだけのインパクトを与えられていない印象のデッキたち。白と黒と緑の3色で殆どメインの説明がついてしまうのは、適正なバランスなのだろうか。
・ 黒緑昂揚(GB Delirium)/ジャンド(Jund Delirium)/スゥルタイ(Sultai Delirium)
次に活躍を見せている「昂揚/Delirium」デッキ。基本は黒緑の組み合わせだが、
《膨らんだ意識曲げ》と《コジレックの帰還》の組み合わせを採用したジャンド型、
《ヴリンの神童、ジェイス》および《龍王シルムガル》などを採用したスゥルタイ型
などがみられている。デッキパワーと応用力の高さが売りで、人気を集めている。
・ 白単人間(W Humans)/白赤人間(WR Humans)/バント人間(Bant Humans)
手軽に組める環境最速のアグロデッキ。赤をタッチして《無謀な奇襲隊》を採用したり、
どちらかというとバントカンパニーに近い《集合した中隊》を採用した型も存在する。
アグレッシブに攻める速度が「バントカンパニー」に優位を取れるため、根強く人気。
一方で、流行を見せている「黒緑昂揚」といったデッキには、構造上不利である。
・ 白緑トークン(GW Tokens)/ナヤトークン(Naya Tokens)
前環境の王者は下火になっていきているが、そのデッキパワーの高さは突出しており、
《首絞め》を採用するようになってからは再び上位に顔を見せる活躍っぷりである。
元々は「バントカンパニー」に有利がつくデッキであっただけに、対飛行を強化して、
マッチアップが再び改善している点は、注目に値する。
・ 白黒コントロール(BW Control)/エスパーコントロール(Esper Control)
豊富な除去呪文を武器に、精鋭のクリーチャー、PWで勝利するコントロールデッキは、
プロツアー「異界月」を制したのが記憶に新しい。環境に存在するデッキのほとんどが
クリーチャーデッキであるため、構造的には基本的に有利を取りやすい。このアーキに
《ヴリンの神童、ジェイス》を足し直したエスパーカラーが最新型だろうか。
■Tier 2
「現出」、「ランプ」といった派手なアクションで戦いを挑むデッキと、豊富な火力で焼き切る「バーン」、そしてどうしても人間に追いつけない「種族ビートダウン」などが存在する。
・ 4色現出(4C Emerge)(通称:タコミッドレンジ)
「バントカンパニー」に勝つために生み出されたタコデッキ。そのトリッキーな挙動から、
ビックアクションまで、使っても見ていても面白いデッキ。ただし、他のデッキとの
相性がそこまで高くない点、デッキの動きにムラがある点などの問題点を抱えており、
他のアーキタイプと比べて、デッキとしての完成度はいまひとつである。
・ 赤緑ランプ (RG Ramp)/ ティムールランプ(Temur Ramp)(通称:ターボエムラクール)
土地を伸ばしてからのビックアクションで勝負をかけるランプデッキは、
《約束された終末、エムラクール》というラスボスを手に入れたことにより、
「昂揚」というキーワードを生かすデッキへと変化を遂げ、活躍している。
今後は《ニッサの巡礼》を失うことになるが、新たな変化を見せるか注目。
・ 赤青熱病バーン(RU Fevered Burn)/赤黒バーン(RB Burn)
低予算から始められるバーンデッキはメタ外からじわじわとその勢力を伸ばしている。
《熱病の幻視》を採用した赤青型が最多だが、黒を足したものも増えてきている。
その流行の一方で、天敵といえる《ドロモカの命令》が環境にあまりにも多いほか、
昂揚系のデッキも《ムラーサの胎動》をサイドに取り始めるなど、状況はかなり苦しい。
・ 青白スピリット(UW Spirits)
《呪文捕らえ》を中心に、新環境に入ってから流行をみせたフライヤービート。
インスタントタイミングで動けてテンポが取れるのが、このデッキ最大の強み。
しかしそれぞれのカードパワーの低さが仇となり、落ち目といわざるをえない。
特に、《最後の望み、リリアナ》との相性が最悪であるのが最大の問題点。
・ 青黒ゾンビ(BU Zombies)
非常に面白い動きをするゾンビデッキ。純正ゾンビは2色でまとめられており、
緑を足したスゥルタイカラーのものは違ったアーキタイプとして扱われるべきだろう。
カードパワーがそこまで高くないため、伸び悩んでいる。次の環境で完成を迎えるか。
《石の宣告》が最大の弱点であるため、その採用枚数次第では活躍も見られるか。
・ 赤黒吸血鬼(RB Vampires)
幾度となく期待されては「バントカンパニー」の前に捻りつぶされてきた、みんなの夢。
《血の間の僧侶》の登場によっていよいよ完成かと思われたが、いまだ追いつかず。
個人的に、デッキとして納得のいく構築がなされる前に諦められているように思える。
《ピア・ナラーとキアン・ナラー》、《コラガンの命令》が落ちる前に再構築を期待したい。
■個人的注目アーキタイプ
前半は、最近見なくなったデッキたちについて。
まずは、一時期あれだけ活躍していたのに全く見なくなった「グリクシスコントロール」。《ヴリンの神童、ジェイス》や《コラガンの命令》といった重要パーツはギリギリ健在。『カラデシュ』が発売する前に、もうひと花咲かせてもいいのだろうが、問題はスタンダードシーズンがほとんど終わりを迎えてしまったことだろうか……。
次に、「エルドラージビートダウン」。全フォーマットで活躍している《難題の予見者》をはじめとする強力なエルドラージが存在するのに、どうしてここまで姿を消してしまったのだろう?環境が変わればまた活躍のときも来るのかもしれないが、ダメージランドがスタン落ちした後にどうやって無色マナを安定供給させるのか。
あとは、みんな大好き「エスパードラゴン」。全く見かけなくなったような気がするが、何度も言及するように、デッキパワーが保証された、非常に強力なデッキである。《最後の望み、リリアナ》という新戦力を得たが、帰ってくる様子はない。環境の最後に《龍王オジュタイ》の勇姿を拝みたいところである。
後半は、七瀬のオリジナルデッキ。
「白青人間」は、中途半端なデッキをしっかりと咎めることができるバランス感覚の良いデッキ。人間アグロらしい速度を保ちつつ、《呪文捕らえ》が相手のスイーパーを面白いようにキャッチしていく。アグロデッキを使うならオススメのデッキ。
「赤緑トークン」は、「白緑トークン」の基本を守りつつ、《ピア・ナラーとキアン・ナラー》や《ハンウィアー守備隊》といった、白とは違った角度のトークン戦術を展開する。特に、《無謀な奇襲隊》や《アタルカの命令》が、高い攻撃性を主張してくれる。
「エスパーミッドレンジ」は、新戦力の《呪文捕らえ》と、強力なクリーチャーである《難題の予見者》が相手の行動を著しく制限する「高速コントロール」。《不毛の地の絞殺者》を使えば《呪文捕らえ》の不安要素も解消されるに違いない。
「青赤現出バーン」「黒赤マッドネス」は、それぞれの貧弱要素を解消して、より実戦向きな構築を目指したもの。
来週、そんな七瀬の妄想たくましいオリジナル
(ぎゃざで遊べなくて、たまった妄想をDNに書き殴るやつ)
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