新環境になり「コピーキャット」と「黒緑カウンターアグロ」が流行を見せる中、前環境のTier1デッキはすっかり影を潜めています。もはや、このアーキタイプに可能性はないのでしょうか?
① 退団選手:禁止された《密輸人の回転翼機》と《反射魔道士》
特に《密輸人の回転翼機》のルーティングが使えなくなったのはデッキとして致命的です。引きのムラが強かったこのデッキを支えていたのは間違いなくコプターのルート能力であり、そこが欠けてしまっては厳しいのも頷けます。《反射魔道士》は対ビートダウンデッキに対しては無類の強さを誇るテンポの象徴的存在でした。
② 加入選手:新エース機体《キランの真意号》と《霊気圏の収集艇》
《キランの真意号》は非常にパワフルな機体ですが、搭乗3と条件が厳しめで除去の良い的に。《霊気圏の収集艇》は搭乗が軽いぶんマナコストが3とやや重めで、除去でなかなか落ちません。その他、《金属の叱責》は優秀なカウンターです。
★ いかにして理想の動きをつくるか
1T:《スレイベンの検査官》または《模範的な造り手》
前者はいつもの。後者はクロックとして機能するなら強力です。他に主だった候補カードはありません。強いて言えば《ギラプールの希望》あたりでしょうか……。
2T:《キランの真意号》《屑鉄場のたかり屋》《街の鍵》《無私の霊魂》《鎖鳴らし》《革命的拒絶》《金属の叱責》
《キランの真意号》を置くのがベストムーブですが、伝説であるので4枚採用は厳しめ。《屑鉄場のたかり屋》は真意号に搭乗でき、クロックとしても優秀ですが、ブロッカーとしては機能してくれません。《模範的な造り手》を生かすにはこのどちらか、もしくは《スレイベンの検査官》や《街の鍵》といった動きが必要になります。《街の鍵》は「即席」と組み合わせると良い動きを見せてくれます。
《無私の霊魂》は以前からあるムーブですが、《歩行バリスタ》の登場により《最後の望み、リリアナ》以外にも天敵が増えたかたちです。後手番ではタフネス1を2ターン目に持ってくるのは、できるだけ避けたいところです。《鎖鳴らし》は意表をつける生物で、《呪文捕らえ》を守ることもできます。
《革命的拒絶》の裏目は先手なら《キランの真意号》と《歩行バリスタ》、後手なら《電招の塔》などであり、検査官を置けたときのみ《金属の叱責》を使っていくことができます。
《霊気晶の鉱夫》は搭乗候補としてワンチャンスありそうにみえます。
ちなみに、2Tに手がかりで1ドローする展開はかなり厳しいといえます。
3T:《霊気圏の収集艇》《異端聖戦士、サリア》《呪文捕らえ》《停滞の罠》
3ターン目あたりからやれることが増えてくる白青。3マナの呪文を唱えるものよいのですが、できればこのあたりから打ち消しを構えながらの展開を意識したいところ。構えるなら《呪文捕らえ》または《停滞の罠》でしょうが、前者は理想的ですが、後者ではPWに対処できません。《革命的拒絶》《金属の叱責》を構えるとおよそ1マナの動きしかできません。《霊気圏の収集艇》ならPWに睨みをきかせつつライフレースにも対応できるため良さそうですが、機体が多すぎると乗り手不足に陥ってしまいかねません。《異端聖戦士、サリア》は除去を構えられていなければ相手のコンボなどに睨みを利かせ、展開を遅らせることができます。《博覧会場の警備員》は打点こそ低いものの、対黒緑では活躍が期待でき、乗り手不足も解消できるかもしれません。
4T:《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
ここにベストな状態でたどり着ければ勝利近い白青。もちろん、2~3マナのツームーブを想定していくのもよいでしょう。
5T:《大天使アヴァシン》《領事の旗艦、スカイソブリン》
ここまでは不要なアグロ構成になるかもしれませんが、盤面の打開策に欠けるときはこれらのパワーカードは頼りになります。
★ 相手の除去を考える
黒ならば《致命的な一押し》《闇の掌握》が、赤ならば《ショック》《蓄霊稲妻》が想定されます。つまり「コピーキャット」対策のインスタント除去です。
つまり、《払拭》のメイン採用は十分に考えられるでしょう。裏目は《チャンドラの誓い》《破滅の道》あたりでしょうか。
これらの呪文を採用できないデッキは《歩行バリスタ》や《停滞の罠》などで対策をとってきています。《歩行バリスタ》に関しては、場に出されると厳しいカードですが、こちらは《呪文捕らえ》という天敵が使えます。プレイングでカバーできるとよいですが、X=3で出されるとすり抜けてくるので、実に厳しいです。
その他、ソーサリーではありますが《石の宣告》《燻蒸》は頼りになる除去でしょう。《神聖な協力》は赤緑に、《否認》はコントロールに、《断片化》《儀礼的拒否》はアーティファクトに、それぞれ刺さるサイドボードカードです。《領事の権限》はコピーキャット対策にはなりますが、ここまでする必要があるかどうか疑問です。
★ 以上をまとめると……
デッキに採用すべきカードが出揃ってきてきているのではないでしょうか。
● 候補カード一覧
ではここで、以前の日記に挙げていた試作デッキを取り上げてみましょう。
■ デッキリスト / Deck List
このリストを叩き台に、より実戦的な調整をしてきましょう(後編に続く)
① 退団選手:禁止された《密輸人の回転翼機》と《反射魔道士》
特に《密輸人の回転翼機》のルーティングが使えなくなったのはデッキとして致命的です。引きのムラが強かったこのデッキを支えていたのは間違いなくコプターのルート能力であり、そこが欠けてしまっては厳しいのも頷けます。《反射魔道士》は対ビートダウンデッキに対しては無類の強さを誇るテンポの象徴的存在でした。
② 加入選手:新エース機体《キランの真意号》と《霊気圏の収集艇》
《キランの真意号》は非常にパワフルな機体ですが、搭乗3と条件が厳しめで除去の良い的に。《霊気圏の収集艇》は搭乗が軽いぶんマナコストが3とやや重めで、除去でなかなか落ちません。その他、《金属の叱責》は優秀なカウンターです。
★ いかにして理想の動きをつくるか
1T:《スレイベンの検査官》または《模範的な造り手》
前者はいつもの。後者はクロックとして機能するなら強力です。他に主だった候補カードはありません。強いて言えば《ギラプールの希望》あたりでしょうか……。
2T:《キランの真意号》《屑鉄場のたかり屋》《街の鍵》《無私の霊魂》《鎖鳴らし》《革命的拒絶》《金属の叱責》
《キランの真意号》を置くのがベストムーブですが、伝説であるので4枚採用は厳しめ。《屑鉄場のたかり屋》は真意号に搭乗でき、クロックとしても優秀ですが、ブロッカーとしては機能してくれません。《模範的な造り手》を生かすにはこのどちらか、もしくは《スレイベンの検査官》や《街の鍵》といった動きが必要になります。《街の鍵》は「即席」と組み合わせると良い動きを見せてくれます。
《無私の霊魂》は以前からあるムーブですが、《歩行バリスタ》の登場により《最後の望み、リリアナ》以外にも天敵が増えたかたちです。後手番ではタフネス1を2ターン目に持ってくるのは、できるだけ避けたいところです。《鎖鳴らし》は意表をつける生物で、《呪文捕らえ》を守ることもできます。
《革命的拒絶》の裏目は先手なら《キランの真意号》と《歩行バリスタ》、後手なら《電招の塔》などであり、検査官を置けたときのみ《金属の叱責》を使っていくことができます。
《霊気晶の鉱夫》は搭乗候補としてワンチャンスありそうにみえます。
ちなみに、2Tに手がかりで1ドローする展開はかなり厳しいといえます。
3T:《霊気圏の収集艇》《異端聖戦士、サリア》《呪文捕らえ》《停滞の罠》
3ターン目あたりからやれることが増えてくる白青。3マナの呪文を唱えるものよいのですが、できればこのあたりから打ち消しを構えながらの展開を意識したいところ。構えるなら《呪文捕らえ》または《停滞の罠》でしょうが、前者は理想的ですが、後者ではPWに対処できません。《革命的拒絶》《金属の叱責》を構えるとおよそ1マナの動きしかできません。《霊気圏の収集艇》ならPWに睨みをきかせつつライフレースにも対応できるため良さそうですが、機体が多すぎると乗り手不足に陥ってしまいかねません。《異端聖戦士、サリア》は除去を構えられていなければ相手のコンボなどに睨みを利かせ、展開を遅らせることができます。《博覧会場の警備員》は打点こそ低いものの、対黒緑では活躍が期待でき、乗り手不足も解消できるかもしれません。
4T:《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
ここにベストな状態でたどり着ければ勝利近い白青。もちろん、2~3マナのツームーブを想定していくのもよいでしょう。
5T:《大天使アヴァシン》《領事の旗艦、スカイソブリン》
ここまでは不要なアグロ構成になるかもしれませんが、盤面の打開策に欠けるときはこれらのパワーカードは頼りになります。
★ 相手の除去を考える
黒ならば《致命的な一押し》《闇の掌握》が、赤ならば《ショック》《蓄霊稲妻》が想定されます。つまり「コピーキャット」対策のインスタント除去です。
つまり、《払拭》のメイン採用は十分に考えられるでしょう。裏目は《チャンドラの誓い》《破滅の道》あたりでしょうか。
これらの呪文を採用できないデッキは《歩行バリスタ》や《停滞の罠》などで対策をとってきています。《歩行バリスタ》に関しては、場に出されると厳しいカードですが、こちらは《呪文捕らえ》という天敵が使えます。プレイングでカバーできるとよいですが、X=3で出されるとすり抜けてくるので、実に厳しいです。
その他、ソーサリーではありますが《石の宣告》《燻蒸》は頼りになる除去でしょう。《神聖な協力》は赤緑に、《否認》はコントロールに、《断片化》《儀礼的拒否》はアーティファクトに、それぞれ刺さるサイドボードカードです。《領事の権限》はコピーキャット対策にはなりますが、ここまでする必要があるかどうか疑問です。
★ 以上をまとめると……
デッキに採用すべきカードが出揃ってきてきているのではないでしょうか。
● 候補カード一覧
《模範的な造り手/Toolcraft Exemplar》
《スレイベンの検査官/Thraben Inspector》
《屑鉄場のたかり屋/Scrapheap Scrounger》
《霊気晶の鉱夫/Aethergeode Miner》
《無私の霊魂/Selfless Spirit》
《鎖鳴らし/Rattlechains》
《呪文捕らえ/Spell Queller》
《博覧会場の警備員/Fairgrounds Warden》
《異端聖戦士、サリア/Thalia, Heretic Cathar》
《大天使、アヴァシン/Archangel Avacyn》
《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》
《街の鍵/Key to the City》
《キランの真意号/Heart of Kiran》
《霊気圏の収集艇/Aethersphere Harvester》
《領事の旗艦、スカイソブリン/Skysovereign, Consul Flagship》
《払拭/Dispel》
《革命的拒絶/Revolutionary Rebuff》
《金属の叱責/Metallic Rebuke》
《停滞の罠/Stasis Snare》
《石の宣告/Declaration in Stone》
《燻蒸/Fumigate》
《領事の権限/Authority of the Consuls》
《断片化/Fragmentize》
《儀礼的拒否/Ceremonious Rejection》
《神聖な協力/Blessed Alliance》
《否認/Negate》
ではここで、以前の日記に挙げていた試作デッキを取り上げてみましょう。
■ デッキリスト / Deck List
「白青フラッシュ(タッチ黒)」(試作版)
4 《模範的な造り手/Toolcraft Exemplar》 [KLD]
4 《スレイベンの検査官/Thraben Inspector》 [SOI]
4 《屑鉄場のたかり屋/Scrapheap Scrounger》 [KLD]
4 《呪文捕らえ/Spell Queller》 [EMN]
2 《異端聖戦士、サリア/Thalia, Heretic Cathar》 [EMN]
2 《大天使、アヴァシン/Archangel Avacyn》 [SOI]
―― Creatures (20)
4 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》 [BFZ]
―― Planeswalkers (4)
3 《キランの真意号/Heart of Kiran》 [AER]
2 《石の宣告/Declaration in Stone》 [SOI]
3 《停滞の罠/Stasis Snare》 [BFZ]
4 《金属の叱責/Metallic Rebuke》 [AER]
―― Spells (12)
6 《平地/Plains》
6 《島/Island》
4 《秘密の中庭/Concealed Courtyard》 [KLD]
4 《港町/Port Town》 [SOI]
3 《大草原の川/Prairie Stream》 [BFZ]
1 《ウェストヴェイルの修道院/Westvale Abbey》 [SOI]
―― Lands (24)
1 《領事の権限/Authority of the Consuls》 [KLD]
1 《断片化/Fragmentize》 [KLD]
1 《儀礼的拒否/Ceremonious Rejection》 [KLD]
1 《石の宣告/Declaration in Stone》 [SOI]
2 《神聖な協力/Blessed Alliance》 [EMN]
2 《無私の霊魂/Selfless Spirit》 [EMN]
2 《否認/Negate》 [OGW]
2 《燻蒸/Fumigate》 [KLD]
2 《大天使アヴァシン/Archangel Avacyn》 [SOI]
1 《保護者、リンヴァーラ/Linvala, the Preserver》 [OGW]
―― Sideboard (15)
このリストを叩き台に、より実戦的な調整をしてきましょう(後編に続く)
コメント