参加者10名、スイスドロー4回戦で行われました。

全員プロモがもらえる人数っていうのは、嬉しいような寂しいような。

●結果
1回戦 ×○× 対アタルカレッド
2回戦 ×○○ 対エスパードラゴン (minatoさん)
3回戦 ○○- 対ナヤミッドレンジ (Iさん)
4回戦 ○×× 対ノヤンジェスカイ (TAYAさん)

2勝2敗で終了。記憶が曖昧で細かい勝敗は間違ってるかもしれない!

●感想
デッキの強さは引き次第ってデッキだと感じた1日。
1回戦の「アタルカレッド」とのマッチアップは、相性が良いと思っていただけに、プレイもサイドもちょっと見直さないといけないかな、と思うシーンが多かった。3本目は土地2で止まる残念な終わり方だったけれど。
2回戦の「エスパードラゴン」とは、やはりメインでは勝てる気がしません。サイド後は《見えざるものの熟達》と《引き裂く流弾》が非常に強く、しっかりとプランを立てて戦える気がしました。サイドの枚数をどれだけ取るかは悩ましいところです。
3回戦の「ナヤミッドレンジ」は、除去が薄いので《僧院の導師》が非常に強く感じました。《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を4枚引いて、3枚紋章にしたあたりで謎のゲームになっていましたが。
4回戦の「ノヤンダールジェスカイ」は、1本目でノヤンダール見たのに気づいたらサイドアウトされてて激おこ。土地おじさんで完全敗北。だいたいそんな感じ。

来週の「ポーラースターオープン」に何を持っていこうか悩んでるけど、正直なんでもいい気がするんだよね。今使ってるデッキは、アブザンには特に強いけど。

あまり変わり映えのしないデッキレシピはこんな感じ。

●白赤ミッドレンジ

4 : 《魂火の大導師/Soulfire Grand Master》
4 : 《僧院の導師/Monastery Mentor》
4 : 《雷破の執政/Thunderbreak Regent》
2 : 《風番いのロック/Wingmate Roc》
14 creatures

4 : 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》
1 : 《龍語りのサルカン/Sarkhan, the Dragonspeaker》
5 planeswalker

4 : 《乱撃斬/Wild Slash》
4 : 《龍詞の咆哮/Draconic Roar》
4 : 《極上の炎技/Exquisite Firecraft》
4 : 《勇敢な姿勢/Valorous Stance》
16 other spells

3 : 《平地/Plains》
3 : 《山/Mountain》
4 : 《戦場の鍛冶場/Battlefield Forge》
4 : 《風に削られた岩山/Wind-Scarred Crag》
4 : 《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
4 : 《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
1 : 《梢の眺望/Canopy Vista》
1 : 《燃えがらの林間地/Cinder Glade》
1 : 《精霊龍の安息地/Haven of the Spirit Dragon》
25 lands

3 : 《引き裂く流弾/Rending Volley》
3 : 《絹包み/Silkwrap》
3 : 《光輝の炎/Radiant Flames》
2 : 《見えざるものの熟達/Mastery of the Unseen》
2 : 《前哨地の包囲/Outpost Siege》
2 : 《塵への崩壊/Crumble to Dust》
15 sideboard cards

《神聖なる月光》いっぱい入れて、ラリー対策でもしちゃう?
1週間連続で書きます今回の企画記事は、七瀬が個人的に考えているリミテッドの基本です。「リミテッドが上手になりたい!」という声や、「プレイングが上手くなりたい!」という声をいただいたので、大したこと書けないとは思いますが、雑記程度に書かせていただきます。何かしら参考になるところがあれば幸いです。GP名古屋に向けて、頑張っていきましょう!
(ここまで定型文)

ここまで、リミテッドの主役となる「クリーチャー」についてと「コンバット」の基本について、3回に分けて考えてきました。簡単にまとめると以下の通りです。

・ ややタフネスが高く、相手にとって対処が難しく
・ できるだけ能力をもったクリーチャーを
・ 主に2~5マナ域にバランスよく選び
・ 特に軽いマナ域は質の高いクリーチャーを厳選して

・ バランス感覚をしっかりと持ちながら
・ 的確な戦闘でアドバンテージが得られるように努力し
・ 時にコンバットトリックなどを織り交ぜながら
・ どっしり構えて戦っていこう
・ ただし盤面が膠着したときの打開策は考えておこう

さて、これらの約束事を踏まえて、ドラフトのデッキをサンプルに。

●「戦乱のゼンディカー」ドラフト(1回目):白黒ライフゲイン同盟者

1マナ:《絶壁の見張り》
2マナ:《物静かな使用人》、《カラストリアの癒し手》、《コーの懲罰者》、《フェリダーの仔》、《岩屋の衛生兵》
3マナ:《マキンディの巡回兵》x2、《ニルカーナの暗殺者》、《ドラーナの使者》
4マナ:《グリフィンの急使》x2、《オンドゥの大角》
5マナ:《コーの絡め捕り》、《カラストリアの夜鷲》
6マナ:《回生の天使》x2
その他の呪文:《二人戦術》x3、《取り囲む地割れ》、《オンドゥの蜂起》、《乱動の報復》
特殊地形:《砂岩の橋》、《亡骸のぬかるみ》

<ドラフトの感想>
ライフを得るか、同盟者が場に出ることによって様々な効果が誘発するような組合せを考えてドラフトのピックをしました。強力なレアは1枚も取れなかったけれど、《回生の天使》という強力なフライヤーを2体確保できたのは満足。相手に大型のエルドラージなどを出されるとかなり厳しい戦いになりそうだが、クリーチャーのバランスは非常によいと思う。コンバットトリックを積極的に使うために、《二人戦術》を多めに拾った。盤面が膠着したときは、飛行で殴るか、《物静かな使用人》、《カラストリアの癒し手》の両クリーチャーを軸に《ドラーナの使者》のドレインなどでじわりじわりと攻める。除去が回ってこなかったのが心残り。

……ひとまずこんなデッキを組んでみたのですが、これを参考にして、呪文と土地のバランスを考えていきましょう。


●リミテッドにおける呪文の重要性

クリーチャーを多く採用したデッキは、展開としての安定感に優れているのでその点はよいのですが、例えば相手がボムクリーチャーを出してきたとき、対処できるカードがあまりに少ないため、途端に厳しい戦いになってしまいます。

七瀬としては、条件付きであってもよいので、しっかりとした「除去呪文」はデッキに少なくとも2~3枚は欲しいと思っています。上のデッキでいえば、

《ギデオンの叱責》、《停滞の罠》、《真っ逆さま》、《大物潰し》、《悪魔の掌握》、《骨の粉砕》、《荒廃の一掴み》

といったあたりから、何枚かピックできればよかっただろうな、と。

特に《停滞の罠》、《荒廃の一掴み》といったアンコモンの除去は非常に強いものが多く、クリーチャーよりも優先的にキープしておきたいところ。何より、ボムクリーチャーに対処できればそれで充分であり、それ以外に除去を使わないように注意しなければならないのです。それだけ除去呪文というのは重要で、その重要度でいえばこの2枚の除去はボムクリーチャーの次に大事だということになります。

☆デッキに選択する呪文の優先度
1、ボムクリーチャー
2、確定除去呪文
3、優良クリーチャー
4、限定除去呪文

では、2~3枚とるべき除去呪文以外の呪文はどう考えればいいでしょうか。

除去呪文というのは種類も枚数も限られているため、それの代わりの担うカードも少し取っておきたいかなと。例えば、上記の《二人戦術》はコンバットトリックでアドバンテージを稼げるカード。このコンバットトリックが除去の代わりを務めており、さすがに3枚は多すぎるけど、1~2枚ぐらいあっても良いだろう。

残る呪文ですが、戦術に合った呪文というものがあります。

横に並べるデッキなら、全体強化呪文があれば強いので2枚はとりたい。

ボムクリーチャーで勝つデッキなら、それらを守る手段があれば1枚はとりたい。

大型クリーチャーで勝つデッキなら、マナ加速や序盤を耐える軽い除去がほしい。

除去を多めにつんだ青いデッキなら、2ドロー呪文は1枚はとっておきたい。

削りきる赤いデッキなら、相手のクリーチャーを奪って殴る呪文は1枚はほしい。

除去に乏しい緑のデッキなら、格闘呪文や、飛行を破壊する呪文は1枚はほしい。

……例えばこんな具合かと。そういう呪文ばかり取るとバランスが悪いけど、無いなら無いで困ることが多い、というのが、七瀬が考える「アーキタイプ別必須呪文」。もちろんセットにより違いますが、この呪文があるかどうかでデッキパワーが大幅に違うので、そういった呪文を見かけたら早めに1枚はキープしておくべき。

☆デッキに選択する呪文の優先度
1、ボムクリーチャー
2、確定除去呪文
3、アーキタイプ別優良クリーチャー
4、アーキタイプ別必須呪文(1枚目)
5、優良クリーチャー
6、限定除去呪文
7、アーキタイプ別クリーチャー
8、アーキタイプ別必須呪文(2枚目)
9、クリーチャー
10、その他の呪文

基本的に、いつでもクリーチャーは優先的になります。

ボムクリーチャーとボム呪文があれば、どちらかといえばクリーチャー優先。
アーキタイプで強いクリーチャーと呪文は、やはりクリーチャー優先。
もちろん、今までに何を取ってきたかによって優先度は変わります。

●リミテッドの土地のバランス

「土地は17枚入れよう」というのは、あくまで基準である。デッキが3色になってしまったなら、18枚のほうがいい場合もあるし、軽いデッキなら16枚のほうがいい場合もある。

七瀬は以前、土地14枚というデッキを組み上げて結構勝った大会があったけれど、土地3枚あれば大丈夫で、あとはマリガンでどうにかする、土地よりも呪文の手数が大事!というクロックパーミッションのような2色デッキだった。

そんな話もあれど、基本はやっぱり17枚。理想的なバランスの例は以下

2色ベーシック:基本地形8、基本地形8、特殊地形1
3色ベーシック:基本地形6、基本地形6、基本地形6(いわゆる均等3色)
3色目がタッチ:基本地形7、基本地形7、基本地形2、特殊地形2
ダブルシンボルが片方だけ多い場合:基本地形9~10、基本地形6~7、特殊地形1

よくやるのが、デッキに入っているカードのマナシンボルの数を数えて、その比率で土地のバランスを考える、というやり方。

1白白なら白が2、3青なら青が1、合計で白が20、青が10だったら、平地11、島6

こういったやり方はいくつかあると思うが、均等3色はできれば避けたいし、そもそも3色は避けたい傾向にある。でも、2色じゃデッキが弱すぎる…

●土地の重要性

ドラフトのときに流れてくる、《進化する未開地》や2色土地といったカード。これらのカードは、特に予定している色にマッチする場合、かなり重要な役割を担います。

七瀬はドラフトでは、妥協したクリーチャーをとるぐらいなら、早めに土地を確保する傾向にあり、とにかくデッキが色事故を起こさないように、努力してつくります。

シールドについては特に、まず特殊地形から見ます。ここで、特定の色の土地が充実していた場合は、この色に従って組むのが最も安定した構築です。

例えば、白青土地が2枚、青黒土地が1枚あった場合は、白青黒のエスパーカラーを構築の基本とします。もしカードプールに赤のレアが多かった場合は、白赤タッチ青か、青赤タッチ白という構築にすると思います。タッチ色にはダブルシンボルを使わないのがポイントです。

3色デッキのときは、ダブルシンボルはなるべく使わないようにもします。

☆デッキに選択するカードの優先度
1、ボムクリーチャー
2、確定除去呪文
3、アーキタイプ別優良クリーチャー(デッキの中核をなす存在)
4、アーキタイプ別必須呪文(1枚目)(デッキの中核をなす存在)
(このあたりの優先度で3色土地)
5、優良クリーチャー
6、アーキタイプ別クリーチャー
7、アーキタイプ別必須呪文(2枚目)
8、限定除去呪文
(このあたりの優先度で2色土地)
9、クリーチャー
10、その他の呪文

だいたいこんな優先度でしょうか。自分の感覚をちゃんと表現できているか、いまひとつわかりませんが…

では、次回からは実際にシールドの構築、ドラフトの構築などの実践編にいこうかと思います!
1週間連続で書きます今回の企画記事は、七瀬が個人的に考えているリミテッドの基本です。「リミテッドが上手になりたい!」という声や、「プレイングが上手くなりたい!」という声をいただいたので、大したこと書けないとは思いますが、雑記程度に書かせていただきます。何かしら参考になるところがあれば幸いです。GP名古屋に向けて、頑張っていきましょう!
(ここまで定型文)

前回はコンバットの基本として、ブロックするかしないか、バランス感覚がどうとか、そんな話をしましたが、今回は戦闘に呪文を絡めていきたいと思います。

1回目の冒頭に、「リミテッドほどクリーチャーの戦闘が面白いフォーマットはないかと思います」と書きましたが、そのコンバットをより面白くするのが、「インスタント呪文」の存在です。

マジックがカードゲームとして他のものと一線を画する理由は多々あるとは思いますが、インスタントタイミングによる呪文の応酬、というのは魅力のひとつかと思います。

これにより、有利に戦闘を進めることを「コンバットトリック」などと呼びますが、マジックの基本中の基本ですので、今回はそこについて詳しく説明していこうかと思います。


●コンバットの話をする前に

たまにはちょっとジャッジらしく、ルールの話から。

(戦闘前)メインフェイズと、(戦闘後)メインフェイズの間に存在しているのが、戦闘フェイズです。戦闘フェイズは、細かく5つのステップに分けられます。


戦闘フェイズ
戦闘開始ステップ
攻撃クリーチャー指定ステップ
ブロック・クリーチャー指定ステップ
戦闘ダメージ・ステップ
戦闘終了ステップ


ルールはとても大事ですので、ひとつひとつおさらいしておきましょう。

①戦闘開始ステップ

・ 戦闘開始ステップの開始時に誘発する能力を全てスタックに積む。
・ その後、アクティブ・プレイヤー(以下、AP)が優先権を得る。
・ APが優先権を放棄した場合、ノン・アクティブ・プレイヤー(以下、NAP)が得る。
・ お互いに放棄した場合、次のステップへと進む。

<七瀬のコメント> ※12/30 14:40 内容に誤りがあったので訂正しました。
ちょっと長くなります!が大事なところなので、気になる人はしっかり読んでね!

よく、「戦闘入ります!」っていう宣言があるけど、これはルール上は「メイン・フェイズを終えて、戦闘開始ステップをAP側がパスし、戦闘フェイズの攻撃クリーチャー指定ステップまで進みたいのですが、NAP側は何かありますか?」という意味に取られる。

対戦相手は、ここで「待ってください」と宣言することで、最大でメインフェイズまで巻き戻してもよい。もし「どうぞ」と言った場合は、「戦闘開始ステップ」は終わり、「攻撃クリーチャー指定ステップ」に進む。

ここで問題になるのは、「戦闘開始時、~~~」や「~が攻撃したとき」といった誘発効果が発生する状況での「戦闘入ります」「どうぞ」のやり取りで、この場合は「誘発忘れ」や「あのタイミングで除去したいのに除去できなかった」ということにもなりかねない。実際の大会でもしばしば問題になる、意思疎通の難しい瞬間なのです。

「競技用ルール」の「マジック:ザ・ギャザリング イベント規定」で、「4.2 イベントでの手順省略」という部分に明記されているのだが、
==============================
自分のターンの戦闘前に、「戦闘」「攻撃」などの単語を使った「戦闘入ります」などの宣言をした場合、非アクティブ・プレイヤーが止めない限り、戦闘開始ステップにアクティブ・プレイヤーがパスした、ということを意味する。非アクティブ・プレイヤーは望むならその時点までの任意の時点でパスを中断し、何か行動することができる。
==============================
つまり、「戦闘入ります」という宣言があれば、それは「戦闘ステップ」の「戦闘開始ステップのNAP側の優先権」まで進む、ということです。

このルールを「単純に」解釈すると…

「戦闘入ります」と言った場合、すでに「戦闘開始時、~~~」のタイミングは過ぎており、例えば《ゴブリンの熟練先導者》のゴブリン・トークンは誘発忘れという扱いになってしまいます。

対戦相手が「どうぞ」と宣言した場合、例えば「太陽のタイタン」の「~が攻撃したとき」という誘発前に、除去を挟むタイミング(戦闘開始ステップのNAP優先権)をパスしたことになります。

ケースA、「戦闘入ります」「はい」「ゴブリントークン出します」「誘発忘れですね」「?!」
ケースB、「戦闘入ります」「はい」「タイタン攻撃で誘発です」「その前に除去を」「?!」

こういった瞬間、ジャッジが呼ばれることになるけれど、七瀬は基本的に、しっかりと意思疎通が取られていなかった場合は、お互いの認識について確認をとった上で、「必要があれば巻き戻す」ようにしてもらっている。ルール上はどんなに正しくても、相手との意思疎通がちゃんとできていなければ試合が成り立たない。特に上記のようなケースは、お互いに「戦闘開始ステップに入りたいのですが、いいですか?」「攻撃クリーチャー指定ステップまで進めていいですか?」などと細かく確認する必要があるのかもしれないが、こんなことをするプレイヤーは稀有だろう。


七瀬が思うのは、こういったルールの細かいところを把握するのは非常に大事だが、それの知識をつかって対戦相手の裏を突こう、という行動は非紳士的行為とも取られかねない、ということです。スキップという特性上、お互いに認識を確認しあって、もし行き違いがあったならば、巻き戻して処理するのが良いかと思うし、最近は特にその傾向が強いと感じています。自身はジャッジとして「今はこういう判断をしている」けれど、もし「それはルール上、絶対に良くない」と思う方がいたら、またコメントしていただければと思います。七瀬にも色々と学ばせてください!(ご指摘いただいた名無しさんありがとう!)


②攻撃クリーチャー指定ステップ

・ APは攻撃クリーチャーを指定し、タップする。どこに攻撃するかを明確に宣言する。
・ 「~が攻撃したとき」などが誘発し、スタックに置かれる。
・ その後、APが優先権を得て、NAPが得て、次のステップへと進む。

<七瀬のコメント>
攻撃指定後、ブロック指定前のタイミングで何かインスタント呪文を唱えるとしたらこのタイミング。ただし、タップ能力はもう間に合わないので気をつけたいところ。


③ブロック・クリーチャー指定ステップ

・ NAPはブロッククリーチャーを指定する。
・ 複数にブロックされている攻撃クリーチャーが存在した場合、APはそのブロック・クリーチャー群に対してダメージ割り振り順を宣言する。
・ 「~がブロックしたとき」などが誘発し、スタックに置かれる。
・ その後、APが優先権を得て、NAPが得て、次のステップへと進む。

<七瀬のコメント>
複数体ブロックの際、宣言するのはダメージ割り振りの順番だけであるところに注意したい。ダメージは、その割り振り順に従って適正に割り振られる。
また、ブロック指定後前のタイミングで何かインスタント呪文を唱えるとしたらこのタイミングである。

④戦闘ダメージ・ステップ

・ AP側から、どのように戦闘ダメージを割り振るか宣言する。
・ NAP側が、どのように戦闘ダメージを割り振るか宣言する。
・ 両者宣言後にダメージが同時に与えられる。
・ 「ダメージを与えたとき~」などの誘発が起こり、スタックに置かれる。
・ その後、APが優先権を得て、NAPが得て、次のステップへと進む。

<七瀬のコメント>
このステップでも、インスタント呪文を唱えるタイミングがあることはお忘れなく。


⑤戦闘終了ステップ

・ 開始時に、「戦闘終了時に~」の誘発型能力が誘発し、スタックに積まれる。
・ その後、APが優先権を得て、NAPが得て、「メイン・フェイズ」へと進む。

<七瀬のコメント>
このフェイズが意識されることはないが、もし戦闘中にマナを発生させているプレイヤーがいた場合には、このステップの間に使わないと消滅してしまうので注意。

どうだろうか。戦闘フェイズにおいて、どのタイミングでならインスタント呪文を唱えて良いのか、確認できただろうか?戦闘フェイズには5つのステップがあって、各ステップの最後に必ずそのようなタイミングがあるので、対戦相手としっかり意思疎通を行ない、適切なタイミングで呪文をプレイしたいところです。

さて、確認もできたところで、本題に入りましょう。


★Case1. 「コンバットトリックで負けた話」

とあるラヴニカブロック・リミテッドでのこと。

A「《イマーラ・タンドリス》(5/7)で攻撃します!」

B「2/2の熊4体でブロックします!」

A「《巨大化》!」

B「うわー!!!負けました!」



そんな話があったかどうかといえば、たぶん無かったのでしょうが、かんたんに表現すれば「コンバットトリック」とはこういうものです。

なお、《イマーラ・タンドリス》のもつ数々のネタについてはこちら。
http://dic.nicovideo.jp/a/%E3%82%A4%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%BB%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AA%E3%82%B9

「コンバット・トリック」というのは、主にインスタント呪文を上手に使うことで、より大きなクリーチャーを打ち倒したり、1対2交換をとったりすること。お互いにマナを残した状態での戦いは難しく、先に動いたら負け、というシチュエーションは多い。

・ 攻撃⇒ブロック⇒巨大化⇒ショック⇒うわああああ(1対2交換)

・ 攻撃⇒ブロック⇒先制攻撃つけます!⇒巨大化⇒うわああああ(1対2交換)

リミテッド環境では除去はあまりに不足しているので、できるだけ上手にコンバットをしてアドバンテージを取る必要がある。その中でも「コンバット・トリック」は、相手の不意を突くことができる点で非常に大事なテクニックである。発想を変えると、「コンバット・トリック」をにおわせながら「胡散臭い」攻撃を仕掛けることができる。まるで手札に強化呪文のひとつでもあるかのように振る舞うブラフ行為だ。

・ そちらには4/4ドラゴンがいますが、2/2で攻撃します⇒胡散臭いから通す

・ そちらには4/5タシグルがいますが、1/1で攻撃します
⇒こざかしい!ブロックだ!⇒喜んで接死再生つけます⇒イヤン

エースクリーチャーで相手の胡散臭い攻撃を不用意にブロックすると、疑似的に除去されてしまうことがある。だからこそ、手札に何もなくてもマナ立たせて適当に殴れば通ることが多い。そんなときにブロックされても泣かないことも大事。

4/4で攻撃します!⇒2/2の2体でブロック⇒片方にショック⇒うわあああ(1対2交換)


●コンバットトリックではないけれど

インスタント呪文の強さはこんなところにあります。

・ この呪文で格闘します!⇒対応で除去します⇒うわあああ(1対2交換)

・ コントロール奪って殴ります⇒生贄にして2枚引きます⇒うわあああ(1対3交換)

・ 全体除去うちます!⇒全員に再生つけます⇒うわあああ(悲惨)

・ 全体強化して勝ち!⇒濃霧でダメージ受けません⇒うわあああ(白目)

こういったビックアクションに的確に刺さるインスタントは、その瞬間にゲームを決めてしまうほどの効果を発揮してくれるのです。


●以上のことをふまえて…

大事なことまとめ

1、土地をフルタップするときは覚悟すること

  特にゲーム後半でのフルタップは死を意味するときもある

2、手札の無駄な土地は1枚抱えておく

  手札が多ければ多いほど、何かしら構えているようにみえる

3、胡散臭い攻撃にコンバット・トリックの影あり

  ライフに余裕がある限り、主力クリーチャーの余計なブロックはしないようにしよう

4、お互い何かを構えてるときは先に動くと負ける

  それに怯えすぎても良くないが、警戒はしておくべき

5、コンバット時の複数体ブロックは要注意

  1枚のインスタントで全滅しかねない

6、胡散臭い攻撃をすればブロックされないことがある

  ブロックされて無駄死しても泣かない


他にもたくさんあるとは思いますが、基本的なことは以上です。こんな魅力的なインスタント呪文、リミテッドなら1枚や2枚は、取っておくとよいでしょう。


ここからは、コンバット・トリックなどからはちょっと離れた話。

★Case2. 「横に並び合った戦闘」

お互いにクリーチャーを並べあったとき、攻撃すればそれを有利なようにブロックできるのが、ブロック側の利点。これにより、場の均衡状態が続いてしまうことは、構築戦ですらしばしばあります。リミテッドでは日常茶飯事です。

こういった状況を打開して勝つには、どうしたらようでしょうか。

1、飛行などの回避能力

これが最もシンプルで効果的な解答。飛行をもつクリーチャーは多く、到達という能力もあるため、対策は取りやすいほうですが。特に「ブロックされない」という能力は群を抜いて強く、これに対処できなければライフをじわじわと削られて負けてしまいます。

2、全体強化呪文

あなたのコントロールするクリーチャーがすべて+2/+2されたらどうでしょう。さすがにブロック側は厳しい対応を求められることでしょう。

3、全体除去呪文

手札にある程度クリーチャーを残した上で、すべてのクリーチャーを破壊してしまえれば勝ちが見えます。

4、システムクリーチャー

(マナさえあれば)何度でも使える能力をもったクリーチャーというのは、こういった局面を打開するのに非常に有用です。その代表例として、タップするだけで1点のダメージを飛ばしてくれるクリーチャー、ティムこと《放蕩魔術師》《放蕩紅蓮術士》が挙げられます。本人は3マナで1/1と貧弱そのものですが、クリーチャーでもプレイヤーでも1点を飛ばすことができ、じわじわと相手を追い詰めることができます。このクリーチャーに接死をもたせることで、有名な「接死ティム」というコンボになります。

この他、最近だと8マナ払うことで3点のダメージを好きなところに飛ばせる《ヴァラクートの発動者》が強力でしょうか。起動コストは重いものの、長期戦の決定打となる強さをもっています。1枚はデッキに入れておきたいですね。


こういった、横並びになった試合を決定づけるカードというのは、最低でも1枚ないし2枚はデッキに取っておくとよいでしょう。


●何が言いたかったかというと…

リミテッドにおける戦闘は、スタンダードなどの構築と比べてもかなり比重が大きく、コンバット・トリックを含めて上手に戦闘をこなすことで試合を有利に進めることができますが、そのようなテクニックが機能しないほどに横並びの展開になることも多いのです。そんなときに活躍する呪文やクリーチャーをしっかりとデッキに採用することで、混戦になったときにそれらのカードが状況を打開してくれることでしょう。


●まとめ

今回は、戦闘フェイズの仕組みと、コンバット・トリック、注意すべきこと、そして横並びを打開する呪文について、簡単にではありますが紹介しました。これらを踏まえて、次回は残る呪文の選び方、そして土地のバランスについて考えたいと思います。

書いているうちに、自分でも一体何を書こうとしているのかよくわからない状況になってはいますが、大丈夫でしょうか…(苦笑)

コメントから、質問やご意見ご感想なども気軽にどうぞ!
1週間連続で書きます今回の企画記事は、七瀬が個人的に考えているリミテッドの基本です。「リミテッドが上手になりたい!」という声や、「プレイングが上手くなりたい!」という声をいただいたので、大したこと書けないとは思いますが、雑記程度に書かせていただきます。何かしら参考になるところがあれば幸いです。GP名古屋に向けて、頑張っていきましょう!
(ここまで定型文)

更新直前でパソコン落ちてかなりの量の文章が消えてから、やる気が回復するまでちょっと時間がかかりました。やる気がダウンした理由は、文中に登場する《灰色熊》の数でも数えてもらえればよいかと思います…。遅れを取り戻すためにどんどん書きますよー!

●コンバットについて

コンバットはマジックの基礎中の基礎であり、ここが上手なプレイヤーは、どのフォーマットで戦っても上手だと七瀬は思います。

慣れている方は読み飛ばしてもらっても構いません。コンバットに不安が残る人は、できれば手元にカードを用意しながら読んでいただけると、より理解が早いかと。では、一度全部消えてしまったAくんとBさんによる《灰色熊》の攻防を、ご覧ください。

出題形式でいきますので、あなたの直感で答えを出してから、読み進めてください!


★Case1. 「ゲーム序盤のコンバットその1」

先手のAくんは、場に《灰色熊》(1緑、2/2、能力なし)をコントロールしています。
後手のBさんは、場に《荒野の後継者》(1緑、2/2、接死など)を出しました。
先手3ターン目、Aくんが《灰色熊》で攻撃宣言しました。

Q、Bさんはブロックすべきでしょうか?


Aくん 「アタック!通しますか?通しませんか?」

さあ、どうでしょう?

Aくんの《灰色熊》とBさんの《荒野の後継者》は、同じマナコストで同じパワーとタフネスを持つクリーチャー。しかし《荒野の後継者》は他にも能力をもっており、《灰色熊》よりはずっと強いクリーチャーです。どちらか1枚をデッキに入れても良いというときに《灰色熊》を選ぶ人は、よほどの熊好きか、ムラガンダ信者かのどちらかでしょう。

この攻撃をブロックするということは、Aくんにとっては、「《灰色熊》を使って《荒野の後継者》を討ち取った」という事実に他なりません。

ケース1解答 「初心者が陥りやすいコンバットの罠」

基本的に、ブロックしない、が正解です。

この選択が裏目にみえるケース ⇒ 戦闘後、Aくんが2体目の《灰色熊》を展開。

この場合、《荒野の後継者》が攻撃しにいくと《灰色熊》にブロックされるため、先ほどの攻防と何ら変わりありません。もしブロックしておけば、2点のダメージを抑えることができたでしょう。しかし考えてみれば、3ターン目のアクションを《灰色熊》程度に抑えることができたなら、七瀬はそれで十分であると考えます。もしもより強い3マナクリーチャーが出てきたら、《荒野の後継者》がブロックすべきは、《灰色熊》ではなくそちらの方になるわけです。

Aくんとしては、何としても《灰色熊》で《荒野の後継者》を討ち取りたい!

つまり2体目の《灰色熊》を展開したAくんは上手なプレイヤーだと、七瀬は思います。

では引き続き、連問です。


Case2. 「ゲーム序盤のコンバットその2」

戦闘後、Aくんが2体目の《灰色熊》を展開。
続くターンでBさんは《絡み爪のイトグモ》(2緑、1/4到達)を召喚しターンを返します。
Aくんは《絡み爪のイトグモ》に《魂裂き》(1黒、パワー3以下を除去できるソーサリー)を撃ち込み、熊2体で攻撃。

Q、Bさんはブロックすべきでしょうか?


Aくん 「アタック!4点です!」

さあ、どうでしょう?

Aくんは初期手札7枚から、熊、熊、除去(と土地4)と使って残りは3枚。とにかくイトグモに除去を使ってでも、《灰色熊》を有効に使いたいAくん。

ケース2解答 「中級者が陥りやすいコンバットの罠」

ここは、素直にブロックするのが正解です。

というのも、除去を先に使ってマナを使ってくれたため、このターンに展開できるクリーチャーに限りがあるのがわかります。ここで2体のうち1体の《灰色熊》を討ち取ると、《荒野の後継者》を失ってでも、次のBさんのターンの行動がとりやすくなるのです。

追加で3体目の《灰色熊》を召喚し、ターンを返すAくん。
続くターンに《大蜘蛛》(3緑、2/4、到達)を場に出して、盤面で有利を築くBさん。

まだまだ試合はわかりませんが、もしブロックしなかったら3体の《灰色熊》が並び、かなり厳しい展開になっていたことでしょう(もちろん、ブロックしなかった時点でBさんが全体に2点のダメージを与える呪文を握っている可能性があるので、Aくんはそれを多少は警戒すべきである)。

「じゃあ、なぜ先ほどはブロックしなかったのに、今度はブロックしたの?行動に一貫性が無くない?」

と疑問を持たれる人もいるかと思いますし、その疑問も当然かと思いますので、ここで少しその話をしたいと思います。


●バランス感覚

マジックは、将棋やチェス、麻雀に似ていると言われることがあります。頭をそこそこ使ってゲームプランを組み立てて戦う、という点ではどれも共通するところがあるでしょう。

そんな中で、「直感でこうした」という瞬間があると思います。直感でこの牌を切った、とかそういうやつです。それは、今までの経験則から何となく導かれた結論であって、すべての人がそうではありませんが、大抵のマジックプレイヤーも何となく、最初の戦闘ではブロックしないし、次の戦闘ではブロックすると思います。でも「何となく」では、納得がいかない人もいると思いますので、その「直感」の中身を探ってみましょう。

例えば最初の戦闘でブロックするかしないかは、もちろん手札次第ではあるのですが、《灰色熊》同士だったらブロックを宣言していたことでしょう。釣り合いのとれた交換であり、後手側からしてみれば1枚手札が多いので、願ってもない条件です。しかし価値のある2マナクリーチャーをあの場面で犠牲にするのと、2点食らって残りライフ18になるのと、天秤にかけたとき、後者(ライフ2点)のほうが安い、と考えるわけです。《灰色熊》が2/2ではなく3/1だったら迷わずブロックしたでしょうし、《荒野の後継者》同士だったとしてもブロックしたでしょう。後手の感覚としては、「損な交換さえしなければ」このままいけば勝てる、と思っているわけです。

逆の立場だったらどうでしょう。先手番がBさんで、《荒野の後継者》を出した返しに、Aくんが《灰色熊》を召喚した。これも手札次第ではあるのですが、Bさんが攻撃宣言したらAくんにとっては願ってもない展開なわけです。ここでBさんが《ショック》を灰色熊に撃ち込んで、《荒野の後継者》で攻撃宣言、更に《荒野の後継者》を追加、という展開があれば、それは明らかに強いです。次にAくんがいかに強いクリーチャーを出しても、接死持ちの2/2をブロックしなければ大きくライフを失いかねないからです。パワー4が出てきて《荒野の後継者》が獰猛達成してしまっては、目もあてられません。

さて、話を戻しまして、2回目の戦闘はブロックで正解なのでしょうか?ここで大事になるのは、《灰色熊》と《荒野の後継者》との交換条件が、それだけ「有利な場がつくれるか」というところです。

ブロックしなかった場合、場に残るのは、Aくんが《灰色熊》2体、Bさんが《荒野の後継者》1体で残りライフ14。この状況、あなたならどう感じますか?

七瀬は、「要注意」と判断します。《荒野の後継者》が機能しないままにライフを6点失うことは、油断ならない状況です。次に《大蜘蛛》を出したとしても、同じように除去されてしまっては、再び同じ展開。更にブロックしなければ残りライフは10まで落ち込み、「危険域」に入ります。完全にAくんペースです。あとはAくんの引きが強ければこのまま押し切られてしまうでしょう。逆に考えれば、上手なプレイヤーは弱い手札を駆使して、このような展開を狙ってくるわけです。

ブロックした場合、場に残るのは、Aくんの《灰色熊》1体のみで、残るライフは16。先ほどの状況と比べてどうでしょう?

七瀬は、「安全圏」と判断します。Bさんは返しのターンに《大蜘蛛》出して、これ除去されても、まだまだライフには余裕があります。より強いクリーチャーを出すか、軽めの除去を熊に撃ち込んでやれば、Aくんは勢いを失うはずです。

つまり、《灰色熊》と《荒野の後継者》との交換条件が、それに見合うならブロック、見合わないならスルーで良いわけです。最初の戦闘における交換は相手の得にしかなりませんが、2回目の戦闘における交換で手に入れた場の状況は、ゲームを優位に進めるに値するものだと七瀬は思います。

こういったバランス感覚は、人それぞれ若干の違いはあれど、マジックを長くやっているプレイヤーなら誰もが自然に身につけているものです。もしあなたが、高らかにブロックを宣言したとき、周りの人が「え?」という反応を示したときは、感覚のずれがあるのかもしれません。素直な気持ちで、どうしたほうがよかったのか、聞いてみましょう。上達の近道です。


●コンバットのつづき

Case3. 「コンバットトリック」

先手のAくんは、場に《灰色熊》(1緑、2/2)を2体コントロールしています。
後手のBさんは、場に《大蜘蛛》(3緑、2/4、到達)を1体場に出しました。
先手5ターン目、Aくんが《灰色熊》2体で攻撃宣言しました。
Aくんの残る手札は土地を出さずに3枚、Bさんの残りライフは16で手札は4枚。

Q、Bさんはブロックすべきでしょうか?


Aくん 「ブロックは、どうしますか?」

さあ、どう見ても怪しいですね。

Aくんはサイズで劣る《灰色熊》2体で攻撃してきたわけですが、このまま何もなければ、Aくんは1体の《灰色熊》をタダで失うことになります。これほど愚かなことはありません。なので、Aくんは手札にインスタント呪文をもっている、と考えるのがふつうでしょう。

例えば《巨大化》で+3/+3修正することで、一方的に《大蜘蛛》を倒す作戦です。また、あまりオススメはしませんが、《ショック》の2点火力を戦闘後に《大蜘蛛》に撃ち込むことで、2枚のカードを犠牲にしてでも《大蜘蛛》を倒しにいく、という手も考えられます。

ケース3解答 「コンバットトリックへの考え方」

基本的に、ブロックする、が正解です。

ブロックしなかった場合、4点のダメージがBさんに与えられ、残るライフは12になります。まだ余裕はありますが、油断できない状況です。もし《大蜘蛛》がBさんの最後のクリーチャーだというなら、これはブロックするべきではありませんが、そのような条件を除いて、基本的にはブロックします。

ブロックした場合、上述のように《巨大化》が飛んできました。《大蜘蛛》は無念、一方的に討ち取られてしまい、Bさんの残るライフは14になります。これは「してやったり!」なAくんかもしれませんが、Bさんからすれば、「ここで呪文を使わせた」というのがかなり大きいです。コンバットトリックというのは、インスタント呪文を上手に使って戦闘を有利に進めることですが、これで得が取れているか、そうでないか、では大きな差があります。今回のケースでは《巨大化》と《大蜘蛛》で1対1交換であり、正当なコンバットトリックです。Aくんが上手にやったようにみえて、Aくんが得をしたのは、Bさんに与えた2点のダメージだけです。

コンバットトリックは時としてそれだけでゲームを完全に決定づけるほどのアドバンテージ差を生み出しますので、十分に注意すべきです。


Bさんは続くターン、《突進する大鹿の群れ》(3緑緑、5/5、圧倒でトランプル)を召喚。

いよいよ先手でアグレッシブに攻めてきたAくんには厳しい展開になってきました。

Case4. 「終盤、要所での読み合いとミス待ち」

先手のAくんは、場に《灰色熊》(1緑、2/2)を2体コントロールしています。
後手のBさんは、場に《突進する大鹿の群れ》(3緑緑、5/5、圧倒でトランプル)。
先手6ターン目、Aくんは攻撃宣言せず土地を置き、5マナで《センギアの吸血鬼》(3黒黒、4/4飛行)を召喚して終了。土地はフルタップ。

Aくんは気づいていませんが、Bさんのデッキには、実はもう4/4飛行に対応できるカードがありません。Aくん残りライフ20で手札は1枚、Bさん残りライフ14で手札は3枚。

後手6ターン目、Bさんは少し考えてから、《突進する大鹿の群れ》(5/5)単独で攻撃。

Aくんの場には《灰色熊》(2/2)2体と《センギアの吸血鬼》(4/4)です。

Q、Aくんはどうすればよいでしょうか?


Aくん 「うーん…考えます。」

あなたの直感はどうでしょう?

いよいよゲームも佳境の大事な場面。残りライフとクリーチャーの数で勝るAくんに対し、Bさんは5/5で攻撃宣言してきました。選択肢としては、

①通して5点受ける
②《灰色熊》1体でブロック
③《灰色熊》1体と《センギアの吸血鬼》で2体ブロック
④《灰色熊》2体と《センギアの吸血鬼》で3体ブロック

ここで考えるは、2体以上でブロックした場合、《センギアの吸血鬼》と《突進する大鹿の群れ》との交換になりそうだ、ということです。これではAくんが勝ち筋がなくなってしまうので、5/5を通すか、熊を1体犠牲にするかの選択になるでしょう。

ライフにも余裕があるので、直感的には①を選ぶのが裏目が少なく、正解かと思われますが、その直感の裏目を考えなくてはなりません。

そして「違和感のある行動には必ず裏がある」ことを覚えておかなければなりません。

<違和感> なぜ殴ってきたのか?

Aくんがこの攻撃をスルーしたあと、Bさんがブロッカーを出せなければ残るライフ14から6まで減少します。ブロッカーを出したとしても、除去されてしまえば同じことになり、さすがにリスクが高すぎる攻撃に思えます。ならば、それを解消できる何かがあるはず。

例えば、2体のクリーチャーを展開して熊の攻撃を阻む。
例えば、大型のクリーチャーを展開して勝負を決めに行く。
例えば、《センギアの吸血鬼》に除去を撃つ。

クリーチャーを複数展開するのが一番な気がしますが、それなら先に出したほうが大鹿がトランプルをもつので、そのほうがいいような気がします。

大型クリーチャーを連打する場合も同じです。

吸血鬼に除去撃つなら先に撃ったほうが素直にみえます。

でもそうしなかった。これは非常に不可解です。

<解答> 違和感の強い攻撃というのは、基本的にミス待ちの可能性が高いです。

例えばここで《センギアの吸血鬼》を含めたクリーチャーでブロックしてしまった場合、飛行という脅威がなくなるため、Bさんが勝つ可能性はぐっと高まります。コンバットトリックがあれば更に有利がつきます。これがおそらくはBさんの狙いです。

《灰色熊》1体でブロックした場合は難しいのですが、ライフレース上、Bさんが優位を取りやすい展開と思われます。残るライフが14というのは、4/4で3回殴る以外に、2/2の攻撃の2点が入ることでちょうど0になります。ここで大事なのは、4/4飛行だけなら4ターンかかる残りライフが、2/2の攻撃が通ってしまうと3ターンで終わるということです。何かを怪しんで《灰色熊》でブロックした場合、何もなければ、Aくんの勝利条件は残り4ターンです。対するBさんは5点クロックが立っており、更にクリーチャーを追加する可能性を残しています。Aくんがクリーチャーを引き続け、ブロッカーを用意し続ければよいのですが、おそらく次からは5/5がトランプルをもって殴ってくることでしょう。

つまり、おそらく5点の攻撃をスルーして本体で受けるという想定での攻撃宣言であり、ブロックされれば儲けもの、特に《センギアの吸血鬼》倒したい、というやつです。圧倒を達成した上で殴れば、トランプルもちであるため、熊単独でブロックするプランはなくなるでしょうし、攻撃はまず通すでしょう。ようするに、このほうがミスが生じにくいシチュエーションなのです。

直感を信じて、考えても負け目が少ないと感じたならば、やはり攻撃を通すのが正解。

攻撃を通した結果、Bさんは5点のダメージを与えた後に、3/3のクリーチャーを展開してターンを終了しました。

さて、状況を再び確認してみましょう。

Aくん (ライフ15)(手札残り1) 場 : 4/4飛行、2/2、2/2
Bさん (ライフ14)(手札残り1) 場 : 5/5(タップ)、3/3 (攻撃時全員トランプル)


この展開はBさんにとっては厳しい。かなり際どいですが、このままでは先に倒れるのはBさんのほうでしょう。この場を想定できたのはBさんのほうだけであり、Aくんは、Bさんの見えない手札を考えながらプレイしなければならなかったわけです。

Bさんが先に3/3を出していた場合、ライフレースで勝りそうだと確信をもって、Aくんはスルーを宣言することができます。

ちなみに全部でブロックした場合、以下の状況になっていました。


Aくん (ライフ20)(手札残り1) 場 : 2/2、2/2
Bさん (ライフ14)(手札残り1) 場 : 3/3


これはBさんのほうが有利な展開ですから、3/3が見えていれば、Aくんもそのようなブロックはしないはずです。しかし、見えない手札の恐怖というのは時として相手に余計な想像をさせ、場合によってはこのような状況になっていたかもしれません。

もし、熊単独でブロックしていた場合はこうなっていました。

Aくん (ライフ20)(手札残り1)場 : 4/4飛行、2/2
Bさん (ライフ14)(手札残り1) 場 : 5/5(タップ)、3/3 (攻撃時全員トランプル)


一見、Aくんの飛行が止まらなければ勝てそうな盤面ですが、実はBさんもかなり勝てそうな盤面です。Aくんはここから飛行で4回殴る必要があり、その間にBさんが3回の攻撃で決着をつけることができればBさんの勝ちです。お互いに追加のクリーチャーを展開できれば状況は変わるのですが、特にBさんの攻撃時トランプルという状況が強く、どちらに転ぶかわかりません。

以上のような想定ができるのはBさんだけであり、Aくんは裏目が少ない選択肢をよくよく考えて行動しなくてはなりません。


Case5. 「最終局面、残りの1枚の手札読み」

さてさて、試合も終盤になり、引いてきたカードが強かったほうに転びそうな状況が続いています。しかしお互いに引いたのは土地。握っている最後の1枚の手札を予想して、より確実に勝利を掴み取りたい場面です。

Aくんのターン、お互いに土地はアンタップで6枚と7枚。
Aくん (ライフ10)(手札残り1) 場 : 4/4飛行、2/2、2/2
Bさん (ライフ10)(手札残り1) 場 : 5/5(タップ)、3/3 (攻撃時全員トランプル)

Q、Aくんは、Bさんの残る手札をどのように予想できるのでしょうか。
Q、Bさんは、Aくんの残る手札をどのように予想できるのでしょうか。


Aくん 「何構えてるのかなぁ…」

さぁ、どうでしょう。

前のターンに、5/5トランプルで単独攻撃したときは。2/2の熊たちはブロックしなかったAくん。お互いのライフが残り10になり、いよいよ佳境です。

Aくんとしては、このターンにフルパンチして残りを4にして、次のターンに勝ち。というプランをとりたいところ。リスクとしては、2点火力や強化呪文があると負けてしまうところ。もしこのターンに4/4飛行が単独攻撃した場合は、ブロッカーを1体用意されただけで、負けが見えます。つまり、Aくんはこのターンにフルパンチするほうが勝つ確率が高そうです。

こういった場合の負け筋をしっかり考えておくと、勝ちを拾いやすいです。

<Aくんの読み><Bさんの読み>
もし手札にクリーチャーがいるならば、もう場に出しているはず。除去や強化呪文をもっているならば、もう使っているはず。ならば残るカードは何がある?土地?それともわざとインスタント呪文を温存?

お互い、相手の手札について、同じような予想をしていると思います。

こういったときに差が出るのが、環境理解度です。

この環境にはどんなカードがあっただろうか?

速攻をもつクリーチャーはどれだけいただろうか?

《反逆の印》のようなコントロールを奪うカードはあっただろうか?

ライフを回復する呪文、ライフを削る呪文はあっただろうか?

などなど……

こういったことを知っているかどうかで、更に正確な読みができるようになります。プロプレイヤーと呼ばれるようなプレイング巧者は、こういったところが本当に的確です。

この試合の結果はどうなったか、もしわかった方がいましたら、理由と共にコメントに書いていただけると幸いです。


●おわりに

とりあえず今回はとある試合を例に出し、序盤のコンバットの基本的な考え方、そのあとは中級者向けにコンバットのバランス感覚や、不可解なアクションに対する考え方といった、ちょっと難しい話までしました。いかがだったでしょうか?

もちろん時と場合によるので、必ずしもこのプレイが常に正しい、ということはありません。しかし、プレイングの基本はこうである、こういう考え方でプレイングしている人もいおる、というものを知ることで、プレイヤーとしてまた一歩成長できるかもしれません。

次回はコンバット<後編>ということで、コンバットトリックなどの内容を中心に書こうと思います。

コメントから、質問やご意見ご感想なども気軽にどうぞ!
1週間連続で書きます今回の企画記事は、七瀬が個人的に考えているリミテッドの基本です。「リミテッドが上手になりたい!」という声や、「プレイングが上手くなりたい!」という声をいただいたので、大したこと書けないとは思いますが、雑記程度に書かせていただきます。何かしら参考になるところがあれば幸いです。GP名古屋に向けて、頑張っていきましょう!

なお、リミテッドに対して違う考えをお持ちの方はたくさんいるかと思います。それぞれにやり方があり、それで楽しめていれば、それでいいのです。以下の内容は、あくまで七瀬個人が「こう考えてるよ」というものですので、寛大な心でよろしくお願いします。


●リミテッドについて

「ドラフト戦」というのは、開封したパックから1枚ずつ好きなカードを取り、隣の人に回すという流れを繰り返し、3パックx14枚=42枚の「あなたの選んだ」カードから、土地を含めた40枚のデッキを構築して対戦する、というものです。

「シールドデッキ戦」というのは、各自渡された6パックX14枚=84枚の「あなたに渡された」カードから、土地を含めた40枚のデッキを構築して対戦する、というものです。

「スタンダード」などといった構築戦とは別の独自の技術が必要なフォーマットであるため、ある程度自分の中でやり方を確立させないと、なかなか勝てないものです。


しかし、リミテッドにはマジックの基本がたくさん詰まっています。

リミテッドでよく考えながら遊ぶことで、マジックの基礎力がつくのです。

だからこそ、マジック初心者の方にはリミテッドで遊んでほしいのです。

プレイングなどで伸び悩んでいる中級者の方にも、強くオススメします。


ちなみに、リミテッドで遊ぶお金が厳しいというのなら、「ワンブー」などと呼ばれる「1パックドラフト」という遊びがあります。人数が厳しいというのなら、「4パックシールド」という遊びがあります。興味のある方がいましたら紹介しますので、教えてください。

さて、よく言われる基本となる構成枚数は「クリーチャー15~16枚、呪文7~8枚、土地17枚」かと思います。七瀬としても、この基本的な配分に異論はありません。昔のクリーチャーの弱さを知っている世代としては、呪文を10枚ぐらい取る感覚のほうがまだそれに近いのですが、最近のクリーチャーの強さは「異常」ですので、「迷ったらクリーチャー優先で」ということを覚えておくとよいでしょう。

ということで、今回は「クリーチャー」に焦点を当てて、七瀬のリミテッドに対する考えを紹介していこうと思います。


●クリーチャーについて

<① クリーチャーとコンバット>

七瀬は、リミテッドほどクリーチャーの戦闘が面白いフォーマットはないかと思います。構築戦で見かけるクリーチャーは、例えば今ですと《包囲サイ》など、どれも見慣れたものばかりであり、場合によってはクリーチャーを使わずに勝つデッキも多く存在します。

リミテッドでは、普段は触る機会の少ない「よくわからないクリーチャー」を使って戦うわけですから、それらの意外な強さに気づかされることも多いことでしょう。マジックのクリーチャーは非常に魅力的なものが多く、彼らのほとんど全てが輝ける場がリミテッドである、といっても過言ではありません。彼らをよく知りよく使いこなすことで、彼らはあなたに勝利を届けてくれるはずです。

1枚1枚のクリーチャーを大事にしながら上手に戦闘をこなし、相手のライフをゼロにしたほうが勝ち。これは基本的には構築戦でも変わらない、マジックの基本中の基本といえます。せっかく出したクリーチャーを、コンバットで簡単に失うわけにはいかないのです。ここがしっかりしている人は、構築のフォーマットでも十分に活躍できます。

複数体によるブロックや、呪文を上手に用いた「コンバットトリック」などのより詳細な内容は後日改めて紹介したいと思います。

まずは、クリーチャーをよく知りよく使いこなすこと。リミテッドで特に大事なことです。


<② マナレシオ>

「マナレシオ」という言葉は、Mana Ratio のことで、パワーとタフネスの平均を点数でみたマナコストで割った値です。

現代のクリーチャーは非常に強いので、2マナ以上でマナレシオが1、つまり2マナ2/2、3マナ3/3、4マナ4/4といったサイズが標準です。これに満たなくても、+αの能力をもっているものを上手に使うことで戦いを有利に進めていくことができるのです。

また基本的には、「2/3と3/2だったら2/3のほうが強い」ということを覚えておくとよいでしょう。もちろん積極的にライフを詰めにいくなら3/2のほうが強いですし、そちらを好む人も多いでしょうが、「クリーチャーはできれば死ににくいものを選ぶべき」です。タフネスが高いというのは死ににくいということであり、対処が難しいといえます。もちろん、そのセットに存在する主要な除去カードの内容によって基準は変わります。4点火力までしか存在しないのであれば、タフネス5のクリーチャーは対処が難しく、パワー3のクリーチャーが多いならばタフネス4のクリーチャーは対処が難しいです。

これもマジックの基本だと思うのですが、「対処が難しいカード」は「強い」のです。

ちなみに、もし「除去も能力も何も存在しない環境」ならば、同じマナコストという条件なら、七瀬の感覚からいうと次のように強さを比較することができます。もちろん状況にはよりますが。

1/2 < 2/1
1/3 < 3/1
1/4 < 4/1
2/3 > 3/2
2/4 > 4/2
2/5 > 5/2
3/4 ≒ 4/3
3/5 ≒ 5/3
4/5 > 5/4

これは「2マナ2/2」という、俗に「熊」と言われるクリーチャーサイズがいかに重要か、ということを顕著に表しています。同じマナコスト(ただし3マナ以上)で、同じバニラ(何も能力をもっていない)クリーチャーがいたとして、どちらをデッキに入れようか悩んだときは、基本的にはタフネス重視にすれば、間違いありません。

ここでは、クリーチャーは死ににくく対処しづらいものが重要である、と紹介しました。


<③ クリーチャーの能力>

クリーチャーは、様々な能力をもっています。代表的な例を、以下に示します。

★強力なキーワード能力 : 飛行、接死、再生、絆魂、二段攻撃

 「飛行」に代表される、「威嚇」や「威迫」といった「回避能力」は、リミテッドにおいて最も基本的で強力な能力です。もしその回避能力に対応できないならば、それだけでゲームが決まってしまうことがあります。

 「接死」のような「疑似除去」効果は、リミテッドで価値が高い除去に時として匹敵する非常に強力なキーワードです。1/1接死が4/4と相打ち、ということを考えれば、その強さは非常にわかりやすいものでしょう。

 「再生」のような「場に残る」効果もまた、価値が高い能力です。再生のコストはかかるでしょうが、それを払えるならば、1/1再生で6/6を受け止め続けることができます。

 「絆魂」は、ライフレースというものを大きく崩すことができる極めて強力な能力です。例えば2点ダメージを与えて2点回復した場合、ライフレースにおいて4点もの差になるわけですから、ライフゲインというのは、ゲームプランそのものを立て直させるほど効果があります。(※コメントで「絆魂がないよ!」と指摘がありましたので、追記しました!)

 「二段攻撃」は非常に強力なキーワード能力であり、その能力をもつクリーチャーを強化することができれば、極めて迅速に相手のライフを削ることができます。回避能力と合わせ技で使いたいですね。

★便利なキーワード能力 : 先制攻撃、到達、警戒、速攻、トランプル

 「先制攻撃」は戦闘上でも単純に強い能力。そのクリーチャーがタフであればあるほど、対処は困難を極めるでしょう。

 「到達」は「飛行」をもつクリーチャーをブロックできる素晴らしい能力です。それだけ「飛行」という能力が、ポピュラーで強力であるのです。

 「警戒」は攻撃に参加してもタップしないという、攻守に優れた能力です。大型クリーチャーがこの能力を持つことは、戦場に非常に大きな影響力をもつことを意味します。

 「速攻」は召喚してすぐに攻撃などができるという、アグレッシブな能力。ライフを削る上で強いことはもちろん、相手の不意をつきやすく、意外と便利な能力です。

 「トランプル」は大型のクリーチャーがもっていると強力な能力です。戦闘の基本のひとつに、大きなクリーチャーを弱いクリーチャーでブロック(チャンプブロック)して身を守る、というものがありますが、トランプルはこれを許してくれません。

★システムクリーチャー

 コストを払ってタップするなどして能力を発揮するクリーチャーのことです。これはコストさえ払うことができれば、場に居続ければ何度でも使用できるので、まるで毎ターン呪文を唱えているかのよう。特にゲーム後半で、非常に強力な存在です。

★CIP能力(場に出たときに誘発する誘発型能力) ※Comes Into Playの略

 「○○○○○が場に出たとき」と記載されているクリーチャーが、この能力を所持しています。この能力は、呪文つきクリーチャーというものをイメージしていただければわかりやすいかと思いますが、特にカード・アドバンテージを取りやすいものが多く、好まれやすいです。

★その他の能力

 各セットには、そのセットオリジナルの能力が用意されています。これらを正しく理解し、積極的に利用することで、新しい環境のリミテッドで、それらを初めて触るであろう他のプレイヤーに一歩リードすることができる、というものです。

クリーチャーがもっている能力を十分に発揮してあげることが、リミテッドの勝利の法則であると、七瀬は考えています。

以上、マナレシオやクリーチャーの能力について説明してきましたが、ここからはより実践的な内容となります。


<④ 優先するクリーチャーとその枚数バランス>

デッキに優先して入れるべきクリーチャー、というものがあります。場に出て対処されなければゲームを決めてしまうような「ボムカード」はもちろんそれなのですが、今回の話題はそちらではなく、縁の下の力持ち的な存在。マナ域は3マナを中心とした2~4マナでマナレシオも悪くなく、かつ様々な能力をもつクリーチャーたちをバランス良く採用するのがよいでしょう。

特に大事なのは2マナ圏です。通常サイズは2/2ですが、これにおまけの能力がついているものは総じて強力です。2マナクリーチャーというのはそれだけ盤面に登場しやすく、ゲーム序盤に影響力を及ぼしやすい存在なのです。理想としては、2マナ2/2+αのクリーチャーが3~4体いると良いでしょう。特に、後半引いても利用価値の高い能力がついていれば最高です。アンコモン以上の2マナクリーチャーはそのようなものが多いので、見かけたら積極的に取りに行きたいところです。

3マナクリーチャーはゲーム序盤を支える主軸です。ここにエース級のクリーチャーが揃うデッキは非常に強力なものになるでしょう。しかし、3マナ域というのは代用がききやすいマナ域でもありますので、最低でも2/3であれば十分入れる価値があります。ここは4~5枚ほど採用できると、バランスが良いかと思います。

4マナクリーチャーは、ゲーム展開を大きく左右するような強いカードを選択したいです。ここが3/3バニラだったりすると、デッキとしてはいまひとつな印象。逆にレアカードなどで壊れた性能のクリーチャーがこのマナ域に集まりやすく、除去呪文を当てるひとつの基準になるマナ域といえます。ここは3~5枚ほど採用すると良いでしょう。

5マナ以上のクリーチャーはコモンでも強いものが多く、単純に4/5という大きなサイズのクリーチャーを入れるだけでも、盤面に与える影響力は大きいものがあります。しかし、あまりここの数を多くしてしまっても、序盤がおろそかになってしまいがちです。多くても4枚以下にとどめたいところですが、序盤にマナを伸ばせるクリーチャーなどが多く採用できていれば、このマナ域にたくさんのカードを採用することで、ビックアクションが取りやすいですね。

七瀬がバランス良く構築できたと感じるマナバランスの1例は、以下のような感じです。

<やや低速寄りミッドレンジ>
合計 16枚+呪文7枚
2マナ:3枚
3マナ:4枚
4マナ:4枚
5マナ:3枚
6マナ:2枚

<やや高速寄りミッドレンジ>
合計 16枚+呪文7枚
2マナ:4枚
3マナ:5枚
4マナ:4枚
5マナ:2枚
6マナ:1枚

2マナは特に質の高い3枚を厳選して、アグロ寄りにしたいときは4-5枚ほど。
3マナはバランスの良い、様々な能力もちの2/2~2/3クリーチャーを4-5枚ほど。
4マナはどっしり落ち着いたタフネスのを2枚+主軸2枚。
あとは5マナ以上の大きなサイズまたはボムを3-5枚入れて、合計で15-16枚ほど取るのが、七瀬の好きなバランスの構成です。

とにかくクリーチャーは質を重視しています。本来ならば呪文を10枚ほど取りたいぐらい呪文好きな七瀬なのですが、デッキにクリーチャーが少なくなってしまった時の弱さが際立ってしまうので、呪文として扱えるようなCIPもちクリーチャーは好んで採用します。また、相互関係が強いカードも好きなので、新しいキーワード能力などをもっているクリーチャーは積極的に採用する傾向があります。

ここでは、各マナ域にバランス良く質の高いクリーチャーを用意することが大事だと紹介しました。


<⑤ クリーチャーの質を重視する理由>

あなたがゲーム終盤の重要な場面で引いてきたカード、それはどのようなものだったら嬉しいでしょうか。

「2マナ2/2バニラ」、これは嬉しいとは言えません。ゲーム序盤にこそ仕事はすれど、後半に引いてしまっては弱いカードです。

「4マナ2/2で場に出たときに1ドロー」、これは及第点です。とりあえず1ドローしてくれているので、損はしていません。その引いてきたカード次第では盤面を有利にできるかもしれません。しかし、今まさにほしいカード、というわけではありませんね。

「6マナ5/5飛行」、これは嬉しいですね。ゲームの決定打といえるカードです。これが除去されなければゲームに勝つことができるでしょう。

つまりクリーチャーに限った話ですと、重くて強いカードは終盤に引いて嬉しいですが、軽くて質の低いカードは紙くずでしかありません。つまり、軽いカードこそ、後半引いても嬉しいような質の高い能力もちのカードである必要があるのです。山札にあるカードの価値は均等ですから、1マナ1/1のようなカードは、よほどの理由がない限りは、入れたくはありませんね。

たくさん軽いクリーチャーを展開して殴り切る戦術は、リミテッドとしてほとんどのケースで正解とは言えません。2/2を2体展開しても、1体の2/3相手に攻撃を躊躇してしまいます。攻撃を通すには、2/3に貴重な除去を使わなければなりません。そうこうしているうちに、より対処が困難なクリーチャーを展開されてしまっては、よほど引きが強くない限りは勝ち目はないでしょう。そして、いつも先手から攻められるわけではないのです。

※リミテッドの先攻後攻理論は、後日改めて紹介します。

3マナの確定除去は、いつ引いても有効なカードです。

4マナで2ドローできるカードは、使う余裕さえあれば、1枚アドバンテージを簡単に稼いでくれます。

5マナですべてのクリーチャーを破壊するカードは、大逆転を起こしてくれます。

いつ引いても強そうな、そういった「呪文」のほうが、本来であれば下手なクリーチャーよりは好まれるわけです。

だからこそ、軽いクリーチャーには高い質を要求しますし、そういったカードは人気が高いので、早い段階でキープするのが七瀬のやり方です。

ここでは、軽いクリーチャーこそ質の高いものを優先・厳選しよう、とオススメしました。


<まとめ>

① クリーチャーをよく知りよく使いこなそう。
② クリーチャーは死ににくく対処しづらいものが重要である。
③ クリーチャーの能力を十分に発揮してあげることが勝利の法則。
④ 各マナ域にバランス良く質の高いクリーチャーを用意することが大事。
⑤ 軽いクリーチャーこそ質の高いものを優先・厳選しよう。


いかがだったでしょうか。「こんな当然のことを書いても仕方がないだろ」と思った方は、きっとマジックの基本がしっかりしている方です。

七瀬は決してリミテッド巧者というわけではありませんが、これからリミテッドの腕を磨きたい人は是非参考にしていただければと思います。一緒に上達していきましょう!

コメントから、質問やご意見ご感想なども気軽にどうぞ!
●予想と答え(2日目進出割合)

グランプリ・神戸2015 2日目メタゲームブレイクダウン
http://coverage.mtg-jp.com/gpkob15/article/016090/#

公式から発表されたメタゲームブレイクダウンは当然、2日目進出デッキの割合なので、実際に居た割合とは大きく異なると思うけど。まぁせっかくなので答え合わせといきましょう!(予想しておいて投げっぱなしにするほど、無責任ではないのです(真顔))

★アブザン系 予想25% ⇒ 正解42%

当初は33%を予想していたけれど、直前にあれだけやられていたから、若干数を減らすかと思っていたアブザン。会場に占める割合は圧倒的だったようで、予想を大きく上回る勢力だったようです。しかしこれだけ《包囲サイ》への信頼度が高いとなると、対策もしやすくて助かりますね。

★エスパー系 20%

ドラゴン 予想10% ⇒ 正解11%
コントロ 予想 5% ⇒ 正解不明
トークン 予想 5% ⇒ 正解 5%

全部合わせて20%ほどを予想していたエスパー。コントロールの数が若干少なかったのがちょっと過大評価だったけれど、16%+αぐらいだったので、ほぼ予想通りだったといえるでしょう。

★ジェスカイ系 15%

ダーク 予想10% ⇒ 正解 9%
純正   予想 5% ⇒ 正解 不明

ダークジェスカイに関しては予想通りかと思われますが、純正の数が予想以上に少なかったですね。ここは反省材料。

★3つのアーキタイプ合わせて、「約60%の環境支配率」

42+11+5+9 = 67%

全体としてはどうだったかわかりませんが、2/3の支配率はぼちぼち。想像以上に、ジェスカイがアブザンになっていたようです。

★赤緑アグロ系 予想 6% ⇒ 正解 6%

上陸系含めるともうちょっといたのかと思いますが、勢力的にはこんなところかと。優勝はアタルカレッドが掻っ攫って行きましたね!みんな対策怠りすぎやで!

★ラリー系 予想6%前後 ⇒ 正解 5%

こちらもだいたい予想通りかな、と。おそらく全体としてはもう少し少なかったのではないかと思います。

★ランプ系 6%前後 ⇒ 正解 3%

ランプの流行は本大会では見られなかったようです。やはりデッキの安定性がイマイチだったのか、敬遠されてしまいましたね。デッキとしては強いので、もう少しで輝く可能性もあるデッキかと思っています。

★マルドゥ系 6%前後 ⇒ 正解 3%

1日目はもう少したくさんいたと聞いているマルドゥ。パワー不足だった感も否めません。

★ティムール系 3%前後 ⇒ 正解 2%

こちらはだいたい予想通り。勢いに乗ればとことん強いデッキのひとつなので、今後の活躍にも期待ですね。

★その他

大変異系 3%前後 ⇒ 不明
赤黒系 3%前後 ⇒ 不明
緑黒系 3%前後 ⇒ 不明
以上いずれにも該当せず 3-4%

ここらへんはよくわかりませんが、少なくとも緑黒系はウソでしたね^^;気軽に組めるデッキだったので、使用者は一定数いるかと思ったのですが、どうだったのでしょうか。
●現地レポート <最終更新時間: 22時30分>
ボブボブが現地レポートしてくれるということで、七瀬が時間ごと更新していきます。

●成績
プレイヤー : ボブボブ
使用デッキ : 白黒ミッドレンジ(トークン) (※記事下部に掲載)
<1日目>  6勝 3敗 0分 18Points
(09:44-10:34) 1回戦 Bye
(11:05-11:55) 2回戦 Bye
(12:20-13:10) 3回戦 ××- 対アブザンアグロ(純正)
(13:36-14:26) 4回戦 ○○- 対マルドゥミッドレンジ (純正)
(14:52-15:42) 5回戦 ×○○ 対エスパードラゴン
(16:12-17:02) 6回戦 ○×○ 対アブザンアグロ(純正)
(17:31-18:21) 7回戦 ××- 対白黒戦士
(18:50-19:40) 8回戦 ×○○ 対アタルカレッド
(20:08-20:58) 9回戦 ×○× 対ブルーアブザン

●レポート

初めてのGP参加となるボブボブから、大会の様子を聞いたものをかんたんにではありますが、レポートとしてまとめてみました。

初戦となる3回戦、メタっていた「アブザンアグロ」にさっそく当たったが、ハンガー⇒アナフェンザ⇒包囲サイ⇒ロックときれいに回られて対処しきれずに敗戦。いきなりの敗北にがっかりした、とボブボブ。

そこから、続く4回戦の「マルドゥミッドレンジ」には快勝、5回戦の「エスパードラゴン」ではきわどい接戦を制して、6回戦の「アブザンアグロ」戦ではリベンジを果たし、3連勝と勢いに乗る。ここまで5勝1敗はいいペースだ。

しかし、7回戦の「白黒戦士」は動きがよくわからないところでやられてしまったとのことで、若干の経験不足が出てしまったか。特に《アラシンの先頭に立つ者》の効果を勘違いしたのが最大のミスだったようだ。そういうこともある。

2敗目で後がなくなった8回戦の「アタルカレッド」戦では、1ゲーム目を土地事故で落としてしまうが、残るゲームを連取することに成功。2日目進出を最終戦に賭ける。

最終戦のブルーアブザン戦はこれも接戦になるが、もつれた末に、最終的に相手の《搭載歩行機械》が止まらずに1-2で敗戦。《払拭》などを警戒して《完全なる終わり》をサイドアウトしたとのことだが、それがちょっと裏目に出てしまったか。サイドボード含めて、プランがはっきりしていないと難しい戦いだったかもしれない。

最終結果は6勝3敗(2Bye含む)と、何とかひとつ勝ち越しで終わることができた、と語るボブボブ。次のGP名古屋にも参加する予定だったので、それがもっと楽しみになったのではないだろうか。

デッキについてはほとんど不満に思うところはなかったとのことだが、除去カードの選び方が難しかった模様。《究極の価格》や《絹包み》はいずれも裏目のある除去で、ここぞというときに適切な除去がなくて辛かった場面が多かったようだ。

《僧院の導師》、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》、《風番いのロック》はいずれも強く、勝利につながったカードだった、とのこと。やはりこの3-4-5マナラインはデッキの主軸であり、特に《僧院の導師》に関しては「アブザン」や「エスパー」戦などで特に活躍したとのこと。スペックの高いカードであり、本大会でも評価を上げたカードの1枚ではないだろうか。

サイドボードはどれも平均的に使ったようだ。サイドボードプランについてはだいぶ練って、認識のすり合わせをしたので、助けになったとのこと。直前に入れた《龍王シルムガル》については、残念ながら引けなかったそうだ。

おやすみ前に手短に聞いた話なので、とりあえずはこんなところ。後日もう少し詳しく、感想など聞いてみたいと思います。


●使用デッキリスト

4 : 《搭載歩行機械/Hangarback Walker》
3 : 《僧院の導師/Monastery Mentor》
3 : 《風番いのロック/Wingmate Roc》
10 creatures

4 : 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》
2 : 《真面目な訪問者、ソリン/Sorin, Solemn Visitor》
1 : 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis Reignited》
7 planeswalkers

2 : 《強迫/Duress》
2 : 《絹包み/Silkwrap》
2 : 《究極の価格/Ultimate Price》
2 : 《破滅の道/Ruinous Path》
2 : 《苦い真理/Painful Truths》
2 : 《完全なる終わり/Utter End》
2 : 《残忍な切断/Murderous Cut》
3 : 《荒野の確保/Secure the Wastes》
17 other spells

3 : 《平地/Plains》
3 : 《沼/Swamp》
3 : 《コイロスの洞窟/Caves of Koilos》
4 : 《乱脈な気孔/Shambling Vent》
4 : 《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
4 : 《汚染された三角州/Polluted Delta》
2 : 《大草原の川/Prairie Stream》
1 : 《窪み渓谷/Sunken Hollow》
2 : 《荒廃した湿原/Blighted Fen》
26 lands

2 : 《正義のうねり/Surge of Righteousness》
2 : 《精神背信/Transgress the Mind》
2 : 《衰滅/Languish》
1 : 《アラシンの僧侶/Arashin Cleric》
1 : 《光輝の粛清/Radiant Purge》
1 : 《自傷疵/Self-Inflicted Wound》
1 : 《苦い真理/Painful Truths》
1 : 《命運の核心/Crux of Fate》
1 : 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis Reignited》
1 : 《徴税の大天使/Archangel of Tithes》
1 : 《龍王シルムガル/Dragonlord Silumgar》
1 : 《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang》
15 sideboard cards


●MTG公式サイトで…

「エスパートークン」が特集されていました。
http://mtg-jp.com/reading/translated/dd/0016022/#

津村さんによるスタンダード分析記事もあがっていたので、気になる方はチェックすることをおすすめします。
http://mtg-jp.com/reading/tsumura/0016028/#

ちなみに、しつこいまでに調整を繰り返してきたデッキ「白黒ミッドレンジ」。これだけ考えても1か月前の初期型からほとんど変わってないような気もするけど、各カードの理解はずいぶん進んだと思います。

★デッキ調整の1か月の記録 (10/14(水)の記事からスタート)

http://infiniteblue.diarynote.jp/201510151431171526/ オリジナル:白黒ミッドレンジ
http://infiniteblue.diarynote.jp/201510171905202390/ ①カードの評価
http://infiniteblue.diarynote.jp/201510220301054945/ ②デッキの弱点探し
http://infiniteblue.diarynote.jp/201510231543361888/ ③デッキリスト完成

10/23(金) FNM 3勝1敗 (プレイヤー:七瀬)
10/25(日) ゲームデー 3勝1敗1分 (プレイヤー:七瀬) 3位
10/30(金) FNM 3勝1敗 (プレイヤー:ボブボブ)

http://infiniteblue.diarynote.jp/201511010325032555/ GP神戸に向けた調整録①
http://infiniteblue.diarynote.jp/201511030412463299/ GP神戸に向けた調整録②
http://infiniteblue.diarynote.jp/201511030835569362/ GP神戸に向けた調整録③
http://infiniteblue.diarynote.jp/201511051046213685/ GP神戸に向けた調整録④
http://infiniteblue.diarynote.jp/201511051128436049/ GP神戸に向けた調整録⑤

11/06(金) FNM 3勝1敗 (プレイヤー:ボブボブ)

http://infiniteblue.diarynote.jp/201511100350401189/ オリジナル:白黒ミッドレンジ
http://infiniteblue.diarynote.jp/201511131643476832/ 白黒ミッドレンジ<最新版>

11/13(金) FNM 2勝0敗1分 (プレイヤー:ボブボブ)
11/15(日) GPT 5勝1敗1分 (プレイヤー:ボブボブ) 優勝

http://infiniteblue.diarynote.jp/201511190917061574/ サイドボードプラン

戦績 : 19勝 5敗 3分 (2ID)


七瀬が初期型を使って6勝2敗1分(1ID)、ボブボブが調整版を使って13勝3敗2分(1ID)

結果だけ見ると、まずまずの戦績なのではないでしょうか。


デッキリストは最終的に以下のように落ち着きました。

●白黒ミッドレンジ

4 : 《搭載歩行機械/Hangarback Walker》
3 : 《僧院の導師/Monastery Mentor》
3 : 《風番いのロック/Wingmate Roc》
10 creatures

4 : 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》
2 : 《真面目な訪問者、ソリン/Sorin, Solemn Visitor》
1 : 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis Reignited》
7 planeswalker

2 : 《強迫/Duress》
2 : 《絹包み/Silkwrap》
2 : 《究極の価格/Ultimate Price》
2 : 《破滅の道/Ruinous Path》
2 : 《苦い真理/Painful Truths》
2 : 《完全なる終わり/Utter End》
2 : 《残忍な切断/Murderous Cut》
3 : 《荒野の確保/Secure the Wastes》
17 other spells

3 : 《平地/Plains》
3 : 《沼/Swamp》
3 : 《コイロスの洞窟/Caves of Koilos》
4 : 《乱脈な気孔/Shambling Vent》
4 : 《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
4 : 《汚染された三角州/Polluted Delta》
2 : 《大草原の川/Prairie Stream》
1 : 《窪み渓谷/Sunken Hollow》
2 : 《荒廃した湿原/Blighted Fen》
26 lands

2 : 《アラシンの僧侶/Arashin Cleric》
2 : 《正義のうねり/Surge of Righteousness》
2 : 《精神背信/Transgress the Mind》
2 : 《衰滅/Languish》
1 : 《命運の核心/Crux of Fate》
1 : 《苦い真理/Painful Truths》
1 : 《光輝の粛清/Radiant Purge》
1 : 《自傷疵/Self-Inflicted Wound》
1 : 《徴税の大天使/Archangel of Tithes》
1 : 《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang》
1 : 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis Reignited》
15 sideboard cards

その他のサイドボード候補
1 : 《龍王シルムガル/Dragonlord Silumgar》


木曜深夜の最終調整で、まずメインボードに《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を3枚から4枚に増量するとともに、《強迫》を3枚から2枚へと減量した。強いカードはしっかり4枚取りたい、という単純な意見ではあるが、たしかに強い動きを太くするのは間違ってはいない。ここぞ!というときにしっかりギデオンを着地させる確率を重視した。

サイドボードに関しては

① 《アラシンの僧侶》はどうするか?

② 《龍王シルムガル》はどうするか?

③ 《軽蔑的な一撃》などのカウンターはどうするか?

という3点について主に最終検討したけれど、

①については、「アグロ対策を多めにとるべき」という判断で、《アラシンの僧侶》を残す方針に。もちろん反対意見もあるだろうが、「アタルカレッド」というデッキを1か月間プレイしてきた七瀬とボブボブとしては、彼らを残したほうが安心して戦えるという意見で一致した。あんなやつでも、手札にある時とない時では明らかに勝率が変わる。「アタルカレッド」というデッキで一番強いのは、《ティムールの激闘》と《強大化》の組み合わせではなくて、ゴブリントークンと《アタルカの命令》の組み合わせなのだ。また、《血に染まりし勇者》から始まる黒系アグロにも有効に働くことから、明確なアグロ対策枠ということで、今回は2枚採用する方針で。《徴税の大天使》も制圧力が高く、頼りになる。

⇒ 直前になってボブボブがアブザンにビビって《アラシンの僧侶》1枚を《龍王シルムガル》1枚に差し替えた模様。アグロ戦が非常に不安である。

②については、とても強いカードであることは間違いないのだけれど、ビックバード枠として《徴税の大天使》を採用しているので、ひとまずは保留。やはり6マナという重さがネックである。もう少し遊んでみて、ボブボブがどうしても必要だと判断したら1枚とることにした。ということで1枚渡しておいた。この枠と差し替えになるとしたら、おそらく2枚目の《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》の枠である。

⇒ って言ったのに《アラシンの僧侶》と差し替えした模様。まぁサイドボードは各自の感覚によるところも大きいので、それが正解かもしれないし、裏目に出るかもしれないし、楽しみなところではある。

③については、このアーキタイプ自体がカウンターを構えながら戦うようなデッキではない、という意見でまとまり、採用は見送り。《否認》に関しても同様である。これらの決定により、「エスパー」というアーキタイプではなく、「白黒」で押し通すことが可能になった。正直そんなことはどうでもいいんだろうけど、「エスパートークン」という呼称にずっと疑問を持っていた七瀬としては、重要なことであった(呆れ顔


●最後に

色々なアイデアをくださった方々、ありがとうございます。

七瀬は頑固でなかなか考えを曲げないヤツなのかもしれませんが、貴重な意見を聞いて、そのたびに検討を重ねた上での判断なので、今考えられる最善のレシピに仕上がっていると思います。何卒お許しください。自身の手でそのデッキを操れないのが悔しいぐらいです。

そんなデッキを携えて神戸に向かうボブボブは、初めてのグランプリ参加。思いっきり楽しんできてほしいと思います!
追記:直前に何枚か変更したので、その変更を適用しています。

●サイドボード答え合わせ編

水曜会では、ラリー対策にチカラが入ったみたいだけど、どちらかといえばTier2のデッキより、Tier1のデッキにしっかり勝つことが大事。

GP神戸でこのデッキを使うボブボブと、そのサポートをしてくれているこばゆいに、主要サイドボードのIn/Outについて決める課題を出しておいたんだけれど、どうなっただろうか?

もちろん、「七瀬のIn/Outが絶対的に正しい!」なんて言わないけれど、デッキつくった本人だし、1枚1枚意味を込めて選んでいるつもり。少なくとも参考にはなるはず…。

さて、どれぐらいイメージと合っているだろうか?さっそくいってみよう!

●メインデッキリスト

4 : 《搭載歩行機械/Hangarback Walker》
3 : 《僧院の導師/Monastery Mentor》
3 : 《風番いのロック/Wingmate Roc》

4 : 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》
2 : 《真面目な訪問者、ソリン/Sorin, Solemn Visitor》
1 : 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis Reignited》

2 : 《強迫/Duress》
2 : 《絹包み/Silkwrap》
2 : 《究極の価格/Ultimate Price》
2 : 《破滅の道/Ruinous Path》
2 : 《苦い真理/Painful Truths》
2 : 《完全なる終わり/Utter End》
2 : 《残忍な切断/Murderous Cut》
3 : 《荒野の確保/Secure the Wastes》

3 : 《平地/Plains》
3 : 《沼/Swamp》
3 : 《コイロスの洞窟/Caves of Koilos》
4 : 《乱脈な気孔/Shambling Vent》
4 : 《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
4 : 《汚染された三角州/Polluted Delta》
2 : 《大草原の川/Prairie Stream》
1 : 《窪み渓谷/Sunken Hollow》
2 : 《荒廃した湿原/Blighted Fen》
26 lands

2 : 《正義のうねり/Surge of Righteousness》
2 : 《精神背信/Transgress the Mind》
2 : 《衰滅/Languish》
1 : 《アラシンの僧侶/Arashin Cleric》
1 : 《光輝の粛清/Radiant Purge》
1 : 《自傷疵/Self-Inflicted Wound》
1 : 《苦い真理/Painful Truths》
1 : 《命運の核心/Crux of Fate》
1 : 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis Reignited》
1 : 《徴税の大天使/Archangel of Tithes》
1 : 《龍王シルムガル/Dragonlord Silumgar》 NEW!
1 : 《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang》

なんだか重いカードがやたらと増えたけど、まぁなるようになるでしょう。


●対アブザン

☆OUT候補について考える

《搭載歩行機械》は、対アブザンではあまり強くないカードだ。成長すれば《アブザンの魔除け》で追放され、何もしなければ《先頭に立つ者、アナフェンザ》が邪魔すぎる。しかし考え方によっては《アブザンの魔除け》と1対1交換とれれば優秀だし、アナフェンザさえ処理できれば働いてくれるので、序盤を支える貴重なクリーチャーとしてあまりサイドアウトはしたくない。

《強迫》は手札確認および《アブザンの魔除け》、《ドロモカの命令》、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》、サイドインされた手札破壊などに対策を取る意味では重要な役割を担っている。しかし外れを引くときついので、より確実なカードに変更したい。

《絹包み》は《搭載歩行機械》対策の筆頭だが、《ドロモカの命令》が取られているデッキ相手にわざわざ裏目を引きそうなカードは採用したくない。

《究極の価格》はアブザン相手に裏目が多そうなカードではあるが、たしかに《始まりの木の管理人》ぐらいしか確実に処理できるクリーチャーがいない。他に当たりそうなカードがデッキに入っているようなら、わざわざサイドアウトする必要もないだろう。

《荒野の確保》はトランプル持ちの《包囲サイ》相手には役不足感が否めず、《悪性の疫病》にひっかかる可能性もあるので不安がある。裏目を引きづらいように、数枚を別なカードに変更するといいだろう。

☆IN候補について考える

《精神背信》は、《強迫》にかえて採用したいカード。2~3ターン目に使えば、外れることはほとんどない。

《命運の核心》は、厳しい状況を覆す可能性がある全体除去。

《自傷疵》《光輝の粛清》は、序盤の《先頭に立つ者、アナフェンザ》《包囲サイ》を綺麗に処理できる除去であり、サイドボードに採用しているなら、入れておきたい。

《黄金牙、タシグル》は、《衰滅》をサイドインされた場合に流せないカードとして強そうに見えるが、《アブザンの魔除け》に引っかかるため、採用は慎重にしたい。

《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》は、アブザン相手に非常に有効な1枚。最低でも5マナ除去なので、ぜひ2枚目を採用したいところ。


<Out>
2 : 《強迫/Duress》
1 : 《究極の価格/Ultimate Price》
1 : 《絹包み/Silkwrap》
2 : 《搭載歩行機械/Hangarback Walker》
3 : 《荒野の確保/Secure the Wastes》

1 : 後手時《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》

<In>
2 : 《精神背信/Transgress the Mind》
1 : 《光輝の粛清/Radiant Purge》
1 : 《自傷疵/Self-Inflicted Wound》
2 : 《正義のうねり/Surge of Righteousness》
(※以下、荒野の確保と入れ替え枠)
1 : 《龍王シルムガル/Dragonlord Silumgar》
1 : 《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang》
1 : 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis Reignited》

1 : 後手時《命運の核心/Crux of Fate》


ポイントとしては、あまりデッキのバランスを崩さないようにすること。重いカードでアブザンに強いカードはたくさんあるが、あまりそれを増やしても、何もできないまま殴りきられるケースのほうが圧倒的に多いので注意すること。


●対ダークジェスカイ

☆OUT候補について考える

《僧院の導師》は、あまりに簡単に対処されてしまうので、対処しづらいクリーチャーなどに変更すべきだろう。しかしここを外した場合はデッキ内のクリーチャーが減りすぎてしまうので、上手にバランスをとりたいところだが。

《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》も対処が容易であるので5マナのする仕事ではない。できれば外したい。

《絹包み》は便利なシーンもあるが、《完全なる終わり》によって不意を突かれたりするとゲームプランが崩れてしまう。上手に使いたい。

《荒野の確保》はやはり《悪性の疫病》《光輝の炎》に弱いため、裏目を引かないように若干枚数を減らすべきだろう。

☆IN候補について考える

《正義のうねり》は《カマキリの乗り手》や《黄金牙、タシグル》にしっかりと対処できるカードであり、2枚は取っておきたい。

《精神背信》は追放効果が有効。《コラガンの命令》やジェイスでクリーチャーや呪文を使いまわせないようにするには効果的なカードだ。

《黄金牙、タシグル》は単体除去がサイドアウトされた後なら、かなり有効に思える。


<Out>
3 : 《荒野の確保/Secure the Wastes》
1 : 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis Reignited》

3 : 《僧院の導師/Monastery Mentor》

<In>
2 : 《正義のうねり/Surge of Righteousness》
2 : 《精神背信/Transgress the Mind》

(以下3枚、《僧院の導師》と入れ替え枠)
1 : 《徴税の大天使/Archangel of Tithes》
1 : 《龍王シルムガル/Dragonlord Silumgar》
1 : 《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang》


《僧院の導師》が外れると若干攻め手が細い気がするので、サイドに2枚目の《黄金牙、タシグル》や《徴税の大天使》などを検討すべきだろう ⇒ シルムガルさんも加わりました。


●対エスパーコントロール

☆OUT候補について考える

《絹包み》または《究極の価格》どちらかはサイドアウトすべき。ジェイス対策になるようで一長一短があり、いっそのこと全部サイドアウトしても良いのではないかというぐらいである。

《完全なる終わり》はプレインズウォーカーをはじめ、なんでも処理できる強いカードではあるものの、唯一ミシュラランドに対処できないのが不安材料。

《荒野の確保》はやはり少し枚数を減らして、トークン戦術をぶらすのがいいだろう。


☆IN候補について考える

《精神背信》は有効なカードなのでぜひ取りたい。

《苦い真理》も追加で取ることで、手札差で有利に戦えるといいだろう。

《黄金牙、タシグル》、《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》のどちらもアドバンテージを取りやすいカードであるので、採用したいところ。


<Out>
2 : 《絹包み/Silkwrap》か《究極の価格/Ultimate Price》
1 : 《完全なる終わり/Utter End》
2 : 《荒野の確保/Secure the Wastes》 または 《風番いのロック/Wingmate Roc》

<In>
2 : 《精神背信/Transgress the Mind》
1 : 《苦い真理/Painful Truths》
1 : 《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang》
1 : 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis Reignited》


エスパーコントロールは思うほどカウンター呪文は入っておらず、ジェイスを中心としてじわじわアドバンテージを稼いでいくデッキである。プレインズウォーカーを中心に、相手が嫌がるムーヴを繰り返せば、自然と優位が取れるはず。

追記・ロックか確保、どっちをOutするか考え直した方がいいかもしれない。《悪性の疫病》のことを考えれば、確保を外すほうが裏目は少ないかと思われる。

●対エスパードラゴン

☆OUT候補について考える

《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》は《龍王シルムガル》奪われるときついカードなので、

《絹包み》、《究極の価格》はどちらも外してよさそう。ジェイス対策は残しておきたいが、そのために除去を残すのも怪しいので、クリーチャーで殴って倒すのがいいだろう。

《破滅の道》のようなソーサリー除去は無駄になりやすいので、2枚はいらないだろう。

《荒野の確保》はいつもの理由で枚数を減らすべき。

☆IN候補について考える

《精神背信》はドラゴンを狙い撃ちできると大きいので、ぜひ取りたい。
《苦い真理》も追加で取ることで、手札差で有利に戦えるといいだろう。

《命運の核心》、《光輝の粛清》、《自傷疵》の3枚はドラゴン対策としてわかりやすく、《光輝の粛清》についてはミシュラランドにも対応可能。


<Out>
2 : 《絹包み/Silkwrap》
2 : 《究極の価格/Ultimate Price》
1 : 《破滅の道/Ruinous Path》
2 : 《荒野の確保/Secure the Wastes》

<In>
2 : 《精神背信/Transgress the Mind》
1 : 《苦い真理/Painful Truths》
1 : 《命運の核心/Crux of Fate》
1 : 《苦い真理/Painful Truths》
1 : 《光輝の粛清/Radiant Purge》
1 : 《自傷疵/Self-Inflicted Wound》


龍王に対策を取れれば、俄然戦いやすくなる。《精神背信》で龍王を落とせば再利用されないだけでなく、関連呪文も一気に弱まる。一度場に出ると対処しづらいが、オジュタイに仕事をさせなければ間違いなく勝てるマッチアップかと思う。

以下、Tier2に対するサイドボード案

●対アタルカレッド

<Out>
1 : 《僧院の導師/Monastery Mentor》
2 : 《苦い真理/Painful Truths》
2 : 《完全なる終わり/Utter End》
1 : 《破滅の道/Ruinous Path》
1 : 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis Reignited》

<In>
1 : 《アラシンの僧侶/Arashin Cleric》
2 : 《正義のうねり/Surge of Righteousness》
2 : 《衰滅/Languish》
1 : 《徴税の大天使/Archangel of Tithes》
1 : 《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang》


隙を減らすために《風番いのロック》を外すパターンも多いが、しっかりどっしり、手札破壊を含めて攻略するのがよいかと。このデッキに対する対策には非常に不安が残る。より安定して戦いたいなら、《アラシンの僧侶》のような軽いタップアウトカードを増やすべきかと。


●対ランプ

<Out>
2 : 《搭載歩行機械/Hangarback Walker》
1 : 《残忍な切断/Murderous Cut》
1 : 《真面目な訪問者、ソリン/Sorin, Solemn Visitor》
1 : 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis Reignited》

<In>
2 : 《精神背信/Transgress the Mind》
1 : 《自傷疵/Self-Inflicted Wound》
1 : 《龍王シルムガル/Dragonlord Silumgar》
1 : 《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang》


手札破壊で、ランパンもしくはデカブツを落としてプランを決めたら、あとは全力でライフを削りにいくだけ。下手に対策を凝りすぎると、デッキ本来の動きができなくなる。

追記・こばゆいが《自傷疵》使うと書いたのを見て、たしかにそうだと思った。

●対ラリー


<Out>
1 : 《搭載歩行機械/Hangarback Walker》
3 : 《荒野の確保/Secure the Wastes》
1 : 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis Reignited》

<In>
2 : 《精神背信/Transgress the Mind》
1 : 《苦い真理/Painful Truths》
1 : 《徴税の大天使/Archangel of Tithes》
1 : 《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang》


《僧院の導師》を中心に、ゴリゴリ攻めるのみ。除去と手札破壊でしっかりと相手のキーカードを落とせるかどうかが重要。対ランプ同様、とにかく相手のライフを削りきるプランでいったほうが勝率が高いだろうと思われる。なお、《衰滅》に関しては方針が大きくぶれるので、決して取るべきではない。


●おわりに

正直、サイドボードの細かいところっていうのは最善手が見つかりづらいので難しい。その場、その相手、その状況に合わせて適切なサイドボードをするのが腕の見せ所、というものだろう。ただし、ある程度サイドボードプランを準備しておくことで、本番で焦って変なミスをしなくなることが多い。

その人によってサイドボードプランは若干異なるとは思いますが、以上、「七瀬だったらこうするかなぁ」、というサイドボードプラン例でした。

ボブボブはこれを読んで、本番の参考にしてくださいな!

●前回のまとめ

<メタゲーム予想>

アブザン系 25%、エスパー系 20%、ジェスカイ系 15%

6%前後:赤緑アグロ系、ラリー系、ランプ系、マルドゥ
3%前後:ティムール、大変異系、赤黒、緑黒、その他


●仮にメタゲーム予想がしっかりと当たったとして…

その予想をしっかり実戦で生かさないと意味がない。

6割を占めると予想した3強デッキそれぞれに優位が取れることは大前提で、アグロやラリー、ランプといった動きの全く違うTier2デッキにも対応する必要がある。

ボブボブの持ち込む予定のデッキは、「白黒ミッドレンジ」
http://infiniteblue.diarynote.jp/201511131643476832/

対アブザンは、先手は有利が取れ、後手は除去の枚数次第。メイン戦はアブザンとの対戦を強く意識しているので、基本的には有利な戦いになるはず。サイドプランで、よりしっかりと有利が取れるように、最後の詰めをする必要がある。

対ジェスカイは、サイド前6:4、サイド後7:3ぐらいで有利、との印象で戦ってはいる。トークン戦術というのがそもそもジェスカイに強い戦術なので、サイド後に《光輝の炎》が入ってきてなお、しっかりと有利を保てているかどうか。今一度確認すべき。

対エスパーは、コントロール相手には強い構成にしてあるが、「エスパードラゴン」の《龍王オジュタイ》に対する応じ手が少ないため、もう少し対策を練らないといけない。

もちろん、アブザン、ダークジェスカイ、エスパーのすべてのデッキは黒を採用しているので、《悪性の疫病》のサイドインは強く意識する必要がある。もちろん、これに対する戦い方というのは十分に取られているのだがその練習はもう少ししておきたいところ。

Tier2の対策カードをサイドボードにどれだけ取るか、というのは正直難しい。

赤緑アグロ系、ラリー系、ランプ系の3種類は動きが全く異なるので、サイドボードから対策を取れば対応しやすくなるのは当然であるが、その枚数を取りすぎると、一番対戦する可能性が高いアブザン、ジェスカイ、エスパーに対する対策が甘くなってしまう。

現在のサイドボードを改めて見てみる。


3 : 《アラシンの僧侶/Arashin Cleric》
2 : 《正義のうねり/Surge of Righteousness》
2 : 《精神背信/Transgress the Mind》
2 : 《衰滅/Languish》
1 : 《命運の核心/Crux of Fate》
1 : 《苦い真理/Painful Truths》
1 : 《自傷疵/Self-Inflicted Wound》
1 : 《無限の抹消/Infinite Obliteration》
1 : 《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang》
1 : 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis Reignited》



《アラシンの僧侶》は赤系アグロを強く意識した対策カードであり、《僧院の導師》との入れ替えでサイドインする。他のマッチでは全く役に立たない。ここに3枠割いていいのかという疑問は残るが、それだけ赤アグロ相手にはマッチを落としたくない。

《正義のうねり》も同じく赤系アグロを意識したカードだが、「ジェスカイ」の《カマキリの乗り手》や「アブザン」の《包囲サイ》といった、マルチカラーの強いクリーチャーにしっかりと対応できる、サイドイン率が高いカード。特に《乱脈な気孔》に対応できる数少ないカードでもある。

《精神背信》はミッドレンジ~コントロール相手に強いカード。メインボードから《強迫》を3枚も採用しており、元々手札破壊を多めに採用している。

《衰滅》は横に並ぶアグロ系のデッキ全般に強く、単体除去と入れ替えで使う場面が多くなる。

《命運の核心》は、《衰滅》とは質の異なる全体除去。「アブザン」「エスパードラゴン」のクリーチャーにしっかりと対応できるため、サイドインの出番は多いはず。

《苦い真理》は、コントロール相手に採用する3枚目のドローカード。ライフレースにならない限りは、それだけ強力なカードである。

《自傷疵》は、「エスパードラゴン」の《龍王オジュタイ》対策として追加したカード。もちろん「アブザン」に強いカードなので、追加除去として採用しやすい。

《無限の抹消》は、ランプデッキ対策として採用されているカード。できれば2枚採用したいところだが、取りすぎてもバランスが悪い。

《黄金牙、タシグル》は、サイドボードでトークン対策を意識した相手に強いカード。特に《衰滅》では流せないタフネス5であり、デッキは青マナも出すことができることから墓地回収のアドバンテージ能力も起動できる。

《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》は追加のプレインズウォーカー。火力の多い相手には弱いものの、「アブザン」や「エスパー」といったデッキ相手には劇的に強く、メインの1枚に追加してでも採用したい。


他に取れるカードはないだろうか?

過剰になっているサイドボードはないだろうか?

まだ検討する余地はきっとあると思う。


●次回は…

「白黒ミッドレンジ」のサイドボードプランを改めて検討することで、ボブボブのGP神戸参加に向けた、最後の応援記事としたい。
●現スタンダード環境は「3強」、しかしそのバリエーションは多様。

「アブザン」「ジェスカイ」「エスパー」の3つのアーキタイプが環境のトップメタです。

「アブザン」は最も柔軟かつデッキパワーが高いデッキで、ほとんどのデッキ相手に互角以上の戦いを挑めるため、特に日本で人気の高いアーキタイプです。最も構成が固まっているため対策も取られやすいですが、それでも勝てるのがアブザン。そのカードパワー、デッキパワーの高さは疑いようがありません。GP神戸でも最大勢力となるのはほぼ間違いないでしょう。

「ジェスカイ」はアブザンの対抗馬として活躍しており、その内容も多様を極めます。「ダークジェスカイ」は特に海外勢から人気が高く、長期戦に非常に強く構成されています。プレイングは難しいですが、苦手とするアーキタイプも数少ないことから、このデッキを採用するプレイヤーも多いはずです。「ジェスカイテンポ」「ジェスカイウィンズ」と呼ばれているデッキは純正3色で構成されており、それゆえにギデオンをデッキに採用することができ、非常に攻撃的な構成。「ジェスカイドラゴン」はジェスカイ系で最もデッキパワーが高いと評されており、個人的にも好みのデッキです。

「エスパー」は、上の2つのデッキどちらにも優位を取れる数少ないデッキとして環境を支配しかねないデッキです。エスパーのなかでも最大勢力になりそうなのが、「エスパードラゴン」。デッキパワーは環境随一で、苦手としていたアグロデッキと《はじける破滅》が数を減らしたことから猛威をふるいつつあります。GP神戸直前の大規模大会「GPブリュッセル」で優勝するなどの活躍を見せているため、採用するプレイヤーも多いことが予想されます。「エスパーコントロール」はドラゴンを採用しておらず、現環境に数少ない古典的な純正のコントロールデッキです。「エスパートークン」はダークジェスカイなどに明確に強いミッドレンジであり、今月に入ってから流行をみせたアーキタイプです。「エスパーミッドレンジ」は「エスパードラゴン」と「エスパーコントロール」の中間のようなグッドスタッフであり、カードパワーの高さが明確で、アブザンに十分対抗できる強いデッキのひとつといえます。


●活躍をみせる「ラリー」「ランプ」といったTier2デッキたち

今一番注目を浴びているであろうデッキが、「4色ラリー」と呼ばれるコンボデッキです。その活躍はめざましく、GPブリュッセルでTOP8に3名を送り込んでいます。しかし、その3名全員が優勝者であるLukas Blohon操る「エスパードラゴン」に、準々決勝、準決勝、決勝と、ものの見事に完全敗北しており、コントロールデッキとのマッチアップには不安が残ります。「アブザン」にも天敵アナフェンザが当然採用されているため、決して相性が良いとは言えません。対峙する場合は、戦い方をどれだけ心得ているかどうかで勝率に大きく差が出るので、一度はマッチアップしてみるとよいかと思います。

「ランプ」デッキは、一時は「エスパーコントロール」相手に圧倒的なマッチアップ相性と騒がれたのですが、「無限の抹消」の採用により、逆に食い物にされるという現状に苦しんでいます。緑を中心として、その他どんな色の組み合わせでもデッキパワーは非常に高いだけに、工夫したレシピを持ち込むプレイヤーも多いでしょう。

「アタルカレッド」は環境初期からTier1の座にあったデッキですが、アブザンとの相性の悪さ、対策の取りやすさから激しいメタに晒され、苦しい立場に立たされています。しかし、相性の良い低速のコントロールデッキが勢力を拡大していることから、メタゲームが1周してくればチャンスのあるデッキです。

これらのデッキに共通していえるのは、「対策の取られやすさ」です。対策を取られると勝機の薄いデッキは淘汰され、メタゲーム待ちになりやすいです。

その他、一時環境でTier1であった「緑白大変異」や、日本でしばしば活躍している「マルドゥ」や「ティムール」、ファンデッキとは呼べない強さの「スケイル(鱗)」や「赤緑ランドフォール(上陸)」など、様々なデッキがひしめき合っています。

では、メタゲームについて各デッキをもう少し詳しくみていきましょう。


●最大勢力 「アブザン」 予想支配率 約25%(4人に1人)

《搭載歩行機械》、《始まりの木の管理人》、《棲み家の防御者》、《先頭に立つ者、アナフェンザ》、《包囲サイ》、《風番いのロック》という、《包囲サイ》を筆頭とする各マナ域を代表する超強力クリーチャー陣に加え、環境を代表とするプレインズウォーカーである《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》という布陣は圧倒的の一言。更にそれらに加えて《ドロモカの命令》、《アブザンの魔除け》、《残忍な切断》といった、優良スペルが一切の隙を見せません。バリエーションとしては、《絹包み》や《究極の価格》といった2マナ除去、《黄金牙、タシグル》といったエース級のクリーチャーが採用されることが多いです。また、ここから青や赤をタッチした型も存在し、それぞれ《影響力の行使》や《龍王オジュタイ》、《はじける破滅》といった優良スペルを採用することができます。

得意とするアーキタイプ:アグロ系ほぼ全般
苦手とするアーキタイプ:「エスパードラゴン」「エスパーコントロール」など

ほとんどのアーキタイプに対して互角以上に戦える丸さがデッキの特徴です。その上で、赤アグロ系のデッキに強く、ラリー系のデッキ相手にも《先頭に立つ者、アナフェンザ》が一番の対策カードとなるため相性が良いです。また最近では、「ダークジェスカイ」といったデッキにもカードパワーで勝るため、勝率に差が生じているようです。

一方で、エスパー系のデッキ全般は「アブザン」に対するキラーカードが多く存在するため、対戦は厳しいものになるでしょう。詳しくは以下に記載します。

<アブザンに有利をとれるカード一覧>
《ヴリンの神童、ジェイス》、《僧院の導師》、《龍王オジュタイ》、《龍王シルムガル》、《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》

カード一覧で一目瞭然ですが、エスパー系のデッキに採用されるカードはそもそもがハイスペックであるのに加えて、そのほとんど全てがアブザンに優位の取れるカードばかりなのです。


●対抗勢力その1A 「ダークジェスカイ」 予想支配率 10%(10人に1人)

《ヴリンの神童、ジェイス》、《カマキリの乗り手》、《黄金牙、タシグル》といった優秀なクリーチャーを、《はじける破滅》を代表とする豊富な除去呪文で支え、最終的には《コラガンの命令》や《オジュタイの命令》といったアドバンテージを稼げるカードで更なる有利をとる、長期戦にも強いミッドレンジデッキです。

得意とするアーキタイプ:ミッドレンジ系ほぼ全般
苦手とするアーキタイプ:「エスパーコントロール」「エスパートークン」「ランプ」など

プレイングの難しさから敬遠され、扱いやすい「エスパードラゴン」のようなデッキに流れる人が多いかと予想します。「エスパードラゴン」に対策をとるなら、それこそ《はじける破滅》が使える「ダークジェスカイ」は強そうに思えるのですが。

●対抗勢力その1B 「ジェスカイ」 予想支配率 5%(20人に1人)

黒をタッチしないぶん、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》などをメインデッキに採用した、よりアグレッシブなジェスカイです。ジェスカイ本来のテンポの良さが特徴で、「ダークジェスカイ」とは別物のデッキです。特に「アブザン」や「ダークジェスカイ」、「コントロール」などを意識して構築しているデッキが多く、《搭載歩行機械》や《ヴリンの神童、ジェイス》、《カマキリの乗り手》に《ピア・ナラーとキアン・ナラー》といった、対処されにくいクリーチャーが多いのも特徴です。

得意とするアーキタイプ:「アブザン」「ダークジェスカイ」など
苦手とするアーキタイプ:「エスパードラゴン」「ランプ」など

この他、「ジェスカイドラゴン」「ジェスカイトークン」などのマイナーアーキタイプなどを含めて、「ジェスカイ」は約15%(6-7人に1人)の使用率と予想します。


●対抗勢力その2A 「エスパードラゴン」 予想支配率 10%(10人に1人)

《龍王オジュタイ》と《龍王シルムガル》の2大ドラゴンを操るコントロールデッキですが、メインボードから《ヴリンの神童、ジェイス》を採用することによって最大勢力である「アブザン」に決定的有利を気づこうという構築が見られます。現代の対抗呪文こと《シルムガルの嘲笑》と、ライフを支える《忌呪の発動》、万能追放除去の《完全なる終わり》、そして強力なドロースペルである《時を越えた探索》がデッキを支えます。「エスパーコントロール」と数を分け合うことが予想されます。

得意とするアーキタイプ:「アブザン」「ジェスカイ」「ラリー」
苦手とするアーキタイプ:「アタルカレッド」「マルドゥ」「ティムール」「ダークジェスカイ」

<エスパードラゴンに有利をとれるカード一覧>
《はじける破滅》、《搭載歩行機械》、《軍族童の突発》など

基本的にドラゴンに対策を打たれると急に苦しくなります。特に《はじける破滅》が強い環境が続いたので、しばらく鳴りを潜めていたところがあります。《搭載歩行機械》も天敵といえるカードで、場に並ぶと苦戦は必至です。この他、横並び戦術に弱い傾向にあるので、トークンデッキも苦手です。もちろんアグロデッキ全般も苦手としています。


●対抗勢力その2B 「エスパーコントロール」 予想支配率 5%(20人に1人)

「エスパードラゴン」とは異なり、ドラゴンを採用せず、よりコントロールカードの枚数を増やしたものです。特にプレインズウォーカーが多めに採用されていることが多く、コントロールデッキの最有力です。「エスパードラゴン」と数を分け合うことが予想されます。

得意とするアーキタイプ:「アブザン」「ジェスカイ」「ダークジェスカイ」「ラリー」
苦手とするアーキタイプ:「アタルカレッド」などアグロ系全般、「ティムール」、同系デッキ

<エスパーコントロールに有利をとれるカード一覧>
《強迫》、《搭載歩行機械》、《乱脈な気孔》、プレインズウォーカー全般

「エスパードラゴン」と比べると、メインから《衰滅》を多く採用しているため、トークン系のデッキに対しても十分な強さをもっています。ただし、プレインズウォーカーの連打などの強い動きにはっきりと弱く、また同系対決だと引き分けも多くなるのが問題点。


●対抗勢力その3 「エスパートークン」 予想支配率 5%(20人に1人)

上記の2種類のエスパーデッキとは異なり、白黒にタッチ青という形のトークン主軸のデッキ。今月に入って流行を見せているアーキタイプです。特に「はじける破滅」などの単体除去に強く、除去が多いことからミッドレンジ系のデッキ相手全般に強いです。

得意とするアーキタイプ:「アブザン」「ジェスカイ」「ダークジェスカイ」など
苦手とするアーキタイプ:「ティムール」「ランプ」「エスパードラゴン」など

これら「エスパー」に分類されるデッキを全て合わせると約20%(5人に1人)ほどの支配率と予想されます。


●ここまでのまとめ

アブザン系 25%
エスパー系 20% (ドラゴン10%、コントロール5%、トークン5%)
ジェスカイ系 15% (ダーク10%、純正5%)

3つのアーキタイプ合わせて、「約60%の環境支配率」と予想します。

赤緑アグロ系 6%前後
ラリー系 6%前後
ランプ系 6%前後

マルドゥ系 6%前後

ティムール系 3%前後
大変異系 3%前後
赤黒系 3%前後
緑黒系 3%前後

以上いずれにも該当せず 3-4%

●プロツアー「戦乱のゼンディカー」メタゲームからの推移予想

ジェスカイ系 18.8% ⇒ 形を変えながら維持
赤アグロ系 18.3% ⇒ 約1/3 (6%前後)
「大変異」系 17.4% ⇒ 超大幅減少 (3%前後)
エスパー系12.0% ⇒ 倍増 (25%)
アブザン系9.3% ⇒ 約3倍 (25%)
4色/5色系 8.4% ⇒ ラリーなどに
その他15.8%

●今回のメタゲーム予想の理由

現在、日本勢の《包囲サイ》に対する信頼度は相当高いと思われます。各大規模大会でも十分な結果を残し続けており、環境支配率33%程度を予想していました。しかし、直前になって「エスパードラゴン」などの躍進が見られたため、一部のアブザンプレイヤーが別なデッキにシフトする可能性が高いと思います。

「ジェスカイ」に関しては非常に優れたデッキであるため、ジェスカイ使いがそのまま持ち込んでくると思われます。しかし、エスパーのほうがアブザンに有利がとれると判断した場合は「エスパードラゴン」に切り替える可能性が高いです。採用カード的にも、ジェイスとオジュタイさえいれば組めるので、問題ないでしょう。

「エスパー」は今回のメタゲームの中心になることが予想されます。有利がとれるはずの「アタルカレッド」のようなアグロデッキはやはり《包囲サイ》を恐れて数は減らしているでしょうが、このようなメタを読んで持ち込む人も一定数いるでしょう。

基本は「アブザン」vs「エスパー」の構図に「ジェスカイ」が割って入ることができるか。


●グランプリという大会を考えるにあたって

グランプリは、プロツアーではありません。つまり、普段競技レベルでプレイしていないプレイヤーも多く参加するわけです。

特に持ち込みやすいであろうデッキは、比較的安価に組むことができる「マルドゥ」や「ティムール」、「緑黒ハスク」あたりでしょうか。特に「マルドゥ」は根強い人気があり、この勢力に「エスパードラゴン」がかなり苦しめられるのではないか、というのが七瀬の読みです。

全員がジェイスを持っているわけではありません。

全員がギデオンを持っているわけではありません。

全員がフェッチランドを一式持っているわけではありません。

そして、現在のスタンダードは各カードが非常に高性能です。

そういう点を踏まえると、主要メタ以外のデッキは予想しやすく、柔軟なデッキつまり「アブザン」や「ジェスカイ」が結果を残しやすいのも納得がいきます。

当然、上位層のメタゲームはまた違ったものになるでしょうが、全体的にはこんな感じかと予想します。

当たるも八卦、当たらぬも八卦。信じるかどうかは、あなた次第です。
「白黒ミッドレンジ」、「白赤ミッドレンジ」ときたら、あとは「白青」か「白緑」しかない。

GPT後、gran氏と半分冗談で話していたこのデッキなのだが、デッキリストをつくるまで至ったのは、「緑白メンター」というワードでこの日記を検索した人が居たからである。

「検索したのはgran氏本人なのではないか」という推測は合っているのだろうか?

そもそもこのデッキに、はたしてメンターは必要なのだろうか?


●白緑ミッドレンジ(初期型)

3 : 《搭載歩行機械/Hangarback Walker》
3 : 《道の探求者/Seeker of the Way》
3 : 《僧院の導師/Monastery Mentor》
2 : 《巨森の予見者、ニッサ/Nissa, Vastwood Seer》
2 : 《囁きの森の精霊/Whisperwood Elemental》
2 : 《風番いのロック/Wingmate Roc》
15 creatures

3 : 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》
3 planeswalker

3 : 《絹包み/Silkwrap》
3 : 《ドロモカの命令/Dromoka’s Command》
1 : 《勇敢な姿勢/Valorous Stance》
3 : 《停滞の罠/Stasis Snare》
1 : 《隔離の場/Quarantine Field》
3 : 《エメリアへの撤退/Retreat to Emeria》
3 : 《荒野の確保/Secure the Wastes》
17 other spells

4 : 《平地/Plains》
4 : 《森/Forest》
4 : 《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
4 : 《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
2 : 《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
4 : 《梢の眺望/Canopy Vista》
1 : 《大草原の川/Prairie Stream》
1 : 《燃えがらの林間地/Cinder Glade》
1 : 《荒廃した森林/Blighted Woodland》
25 lands

3 : 《正義のうねり/Surge of Righteousness》
3 : 《棲み家の防御者/Den Protector》
3 : 《次元の激高/Planar Outburst》
2 : 《見えざるものの熟達/Mastery of the Unseen》
2 : 《進化の飛躍/Evolutionary Leap》
1 : 《勇敢な姿勢/Valorous Stance》
1 : 《忘却蒔き/Oblivion Sower》
15 sideboard cards


メインボードは積極的なビートダウンプランで、サイドボード後は長期戦を見据えたプランに変更することができる。特に《進化の飛躍》プランや《見えざるものの熟達》プランなどは戦術的にも面白いので、色々と戦略の練りがいがあると思う。
シーガル桜田店で初めての競技レベルの大会開催となりました。

岩手からの遠征の方々も参加しての参加者14名。
スイスドロー5回戦+シングルエリミネーション2回戦で戦います。

持ち込んだデッキは、FNMと同じく「白赤ミッドレンジ」。
http://infiniteblue.diarynote.jp/201511131728035135/

ボブボブが「白黒ミッドレンジ」。
http://infiniteblue.diarynote.jp/201511131643476832/


●成績

1回戦 ○×○ アブザン (Gガンナーさん)
2回戦 ○○- 青単
3回戦 ID    白黒ミッドレンジ (ボブボブ)
4回戦 ○○- マルドゥ
5回戦 ID    ジェスカイ (osaさん)

3勝2分で11P、2位通過。

SE1回戦 ○×× (ボブボブ)

とても強いデッキにあたって1没(自画自賛)。


●結果

優勝 白黒ミッドレンジ (ボブボブ) GPT名古屋2Bye獲得
2位 アブザン (A・Sさん)
3位 白赤ミッドレンジ (七瀬)
4位 ジェスカイ (osaさん)


●感想戦

1回戦のアブザン戦、先手を取ることができたのが勝因。

1本目は除去をケアしながら《雷破の執政》や《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》で戦線を保つが、最後は捌き切られそうなところから、手札の2枚の《極上の炎技》を本体に撃ち込んで勝利。これに《ドロモカの命令》を合わされないように、相手の手札にある除去が《アブザンの魔除け》なのか、《ドロモカの命令》なのか、どっちもあるならどっちを使われると相手が美味しい展開になるのかをしっかり意識しながら戦わなければならない。

2本目は手札に《悲劇的な傲慢》があるものの、場の《先頭に立つ者、アナフェンザ》が単騎で上手に攻めてきて、最後は《乱脈な気孔》が強くて負け。手札の除去の使い方を1枚間違えると簡単に負けるときがあるので、気をつけなければ。

3本目は相手が土地詰まりで終局。FNMと合わせて、互角な試合展開である。

ただ、フリープレイを2本追加して検討してみたけど、しっかり2本取れたのでやはり白赤側優勢のマッチアップに見えた。これを受けてどのように対策とったりするか、プレイング含め変わってくるでしょう。

3回戦でボブボブに握手(ID)を求めたら、一度握ったくせにガチりたいとの要望。七瀬が1本取ってなおIDを求めたら、ありがたいと言わんばかりに握手してきた。げんきんなやつめ!個人的にはどちらも自分のデッキなので、どちらの目もしっかり残しておきたい気持ちがあってのIDだった。残り勝てばええんや。ここでのIDが効いたか、どちらも決勝に残ることができたので、まぁよしとしましょう。

そのあとフリープレイでやったら、2本目は即投了して3本目で《前哨地の包囲》出してアドバンテージひたすら稼いで勝ち。とはいえ、デッキ作成者である七瀬の目からみても白黒側がかなり有利なマッチアップであり、特にサイド後から《衰滅》が入るとほぼ勝ち目はないと思われる。

…などというフラグをしっかり回収してか、決勝SE1回戦でボブボブに再びあたり、しっかりと取られている。まぁ、相手のデッキが強いからしょうがないよね(自画自賛)。正直なところトスっても良かったので色々と考えてたんだけど、ガチで戦うことで彼の経験値(糧)になれたなら幸い。

2回戦の青単戦では相手の方がマナフラッドのちトリプルマリガン。申し訳ねぇ。

4回戦のマルドゥ戦では、やはり《はじける破滅》を除去の中心に据えた構成のデッキにはそこそこ強い印象。相手の引きも芳しくなかったようだけれど。

対戦した皆さん、ありがとうございました。またよろしくお願いします!

osaさん、トレードありがとうございました!IDだったので、次はぜひ対戦しましょう!


●GPT名古屋「メタゲームブレイクダウン」 in シーガル桜田店

aretiさんのDNからどうぞ!(全投げ)
http://monoblack33.diarynote.jp/201511152355392450/

七瀬のせいで、メンターの使用率が妙に高い印象(これを印象操作といいます)。
班長も楽しそうにメンター使ってて、こんなにメンターが場に並ぶGPTは山形だけ!

まぁそれは冗談として、GPTともなるとやはりアブザンを使うプレイヤーが増えるのは自然な流れか。ダークジェスカイ的なデッキがもう少しいると、現実のメタゲームに近いような気がするけど。


●おわりに

最寄りの店舗でGPTといった競技レベルの大会が開催されるというのはやっぱり素晴らしいことだし、進行も滞りなく、トラブルなく、とてもよかったと思う。

ジャッジのこばゆいもおつかれさまでした。最後にフリプで優勝者を倒して喜ぶところあたり、えげつないと思いました。さすがにティムールのほうが相性いいやろ!

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●おまけ

ここからが本番。

GPT後、おなかを空かせた「Y-Magic」のメンバー7名で、イタリアンレストラン「ろかーれ」さんにトライアルにお邪魔しました。こばゆいとボブボブが大盛りを注文したので、その様子をレポートします。

メニュー表を見る限り普通のレストランだが、メタゲームはランプデッキがかなり多めの店舗。特にここのドリアは、大量のマナソースで相手を圧倒する正統派なランプ戦術をとっている。多様な環境だが、Tier1はやはり「ドリア」だろう。

今回は、ボブボブ、みなと、granの3名が初の「ろかーれ」ということで、傾向と対策について説明をする。特にgran氏は水曜会後の中華料理店で「からあげビートダウン」のファッティにひき殺されており、警戒心を高めているようだ。

こばゆいとボブボブの対戦相手はやはりランプデッキ。ボブボブはデッキチェックが入り、他の卓より遅い対戦開始となった。

七瀬、みなと、granの3名が「スパゲッティミッドレンジ」と対戦を進める。このアーキタイプは様々なバリエーションがあるが、基本的には長期戦に強く、対戦が長引くほど苦しめられることになる。対戦の様子を見るに、特にみなと氏はなかなか除去が追いつかず、苦しい展開。

そんな中、こばゆいがランプデッキに果敢に挑む。「今日はほとんどごはんを食べてない」と語る彼は、対戦相手の「ランプドリア」の序盤のもっさりとした動きを尻目に、細かい動きで確実にアドバンテージを稼いでいく。序盤にしっかりマウントをとれるかどうかで、試合の展開が大きく変わるという。

その隣の卓ではキアラ氏がTier1の「ハンバーグドリアミッドレンジ」を見事な手際で撃破。まっつん氏の対戦相手はこちらもTier1の「カレーバーン タッチ肉のチーズ焼き」だが、これもしっかりと対策が取られており、安心して見ていられる試合運びであった。どちらも2-0で勝利。

七瀬の対戦相手の「ジェノベーゼミッドレンジ」はタッチで「ホットコーヒー」をとっているタイプ。幾度と対戦を繰り返した相手なので、余裕ある対応ができた。2-0。

ここで、デッキチェックを終えたボブボブに襲い掛かるのは、「オムレツドリアランプ」である。序盤は順調に土地を伸ばしていくボブボブであるが、途中で土地が止まり苦しい展開。残念ながら1本目を落としてしまい、トイレという名のサイドボードを急ぐ。

各対戦は終了したようで、gran氏は苦しい終盤の展開を乗り越え何とか2-1で勝利。キアラ、まっつん、七瀬は順当に勝利するが、みなと氏は1本目は健闘するも、相手の減らないリソースに対処しきれずGG。1-2。

こばゆいはランプ相手に1本目を取り、2本目も順調なペースで対戦を進めている。

ボブボブはサイドボード後もかなり苦しい展開が続き、みんなが見守る中、長考しながらのプレイとなる。

隣の卓でこばゆいが勝利宣言。終盤の殴り合いを制しての勝利だったようだ。2-0。

各対戦が終わり、みなと氏の卓もきれいに片づけられたあと、ボブボブはひとり打開策を見つけられず苦しんでいる。

そしてボブボブは相手のライフを詰められないまま、投了を宣言した。0-2の完敗である。

タッパーをサーチして場に残ったクリーチャーをおさめ、帰宅の途についた。

次回のトライアルが開催されるかどうかは不明だが、ランプ対策にSKG氏の投入を検討すべきだろう。
「CHANNEL FIREBALL」のホームページにEric Froehlichさんが「エスパートークン」についての非常に詳しい記事を掲載しています。

Esper Tokens Deck Guide by Eric Froehlich
http://www.channelfireball.com/articles/esper-tokens-deck-guide/

「全部英語じゃねーか!」と思ったあなたのために、あまり時間もないので大雑把ではありますが、それなりにわかりやすく翻訳しておきましたので、興味がある方はご覧ください。ただし、一部七瀬の適当な意訳がありますので、ご了承ください。

また、「サイドボードガイド」に関しては画像でわかると思ったので省略しています。

「参考になった!」と思った方はコメントなどいただけると、七瀬も嬉しく思います。

以下、翻訳記事。

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●エスパートークンデッキガイド(翻訳)

プロツアー「ゼンディカーの戦乱」のベストデッキは、チーム「UltraPro」の「バントトークン」でした。4名の使用者あわせて勝率75%というのは、驚異的です。しかしプロツアー以降、そのデッキの熱は冷め、結果は平凡なものに落ち着きました。デッキの前提はたしかに強いのですが、たぶんそれは、トークンというアーキタイプを躍進させるアプローチとしては最善の方法ではなかったのです。

《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》は戦乱のゼンディカーのベストカードであり、それはトークン生成機と、それらのトークンを強化するアンセム(※《栄光の頌歌》(USG)のこと)の両方を必要とするデッキにとって完璧なものです。2/2トークンたちのフルパンチが得策でなく、それらを強化するだけの価値があるとき、まるで「これでは足りぬ!」と言わぬばかりに、ギデオンは対戦相手を葬ってくれることでしょう。ギデオンは万能であり、これを中心に構築されるデッキのパーフェクトカードであると同時に、スタンダードの数多くの戦術の完璧なサポートカードでもあるのです。

《荒野の確保》は「ジェスカイ・トークン」といったアーキタイプで散見しましたが、より強力な《太陽の勇者、エルズペス》(THS)の存在によって、その活躍を制限されていました。当時はエルズペスを打ち倒せるほど強力なカードがなかったため、太陽の勇者がスタンダード環境を彼女の時代として支配していたのです。ターン終了ステップにプレイされる《荒野の確保》と何かしらのアンセム効果のコンビネーションは、速やかにゲームを終わらせることでしょう。

「Rookie of the Year」であるRaymond Perez Jrは、彼のバージョンの「エスパートークン」を操り、グランプリ・インディアナポリスの決勝に進出しました。

(七瀬の補足:「彼のバージョン」と言ってはいるが、Raymond本人もインタビューで語っているように、_FAB_のリストを少しアレンジしただけである。)

Grand Prix Indianapolis 2nd Place - Raymond Perez Jr.

4 : 《搭載歩行機械/Hangarback Walker》
4 : 《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid》
3 : 《風番いのロック/Wingmate Roc》
11 creatures

4 : 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》
2 : 《真面目な訪問者、ソリン/Sorin, Solemn Visitor》
1 : 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis Reignited》
7 planeswalker

4 : 《絹包み/Silkwrap》
1 : 《究極の価格/Ultimate Price》
1 : 《破滅の道/Ruinous Path》
2 : 《苦い真理/Painful Truths》
2 : 《完全なる終わり/Utter End》
3 : 《残忍な切断/Murderous Cut》
3 : 《荒野の確保/Secure the Wastes》
16 other spells

4 : 《平地/Plains》
3 : 《沼/Swamp》
3 : 《コイロスの洞窟/Caves of Koilos》
1 : 《磨かれたやせ地/Scoured Barrens》
4 : 《乱脈な気孔/Shambling Vent》
4 : 《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
4 : 《汚染された三角州/Polluted Delta》
2 : 《大草原の川/Prairie Stream》
1 : 《窪み渓谷/Sunken Hollow》
26 lands

1 : 《究極の価格/Ultimate Price》
1 : 《龍王シルムガル/Dragonlord Silumgar》
1 : 《否認/Negate》
1 : 《衰滅/Languish》
1 : 《対立の終結/End Hostilities》
2 : 《払拭/Dispel》
2 : 《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke》
3 : 《強迫/Duress》
3 : 《正義のうねり/Surge of Righteousness》
15 sideboard cards


このデッキには良い点がいっぱいあります。

まずはじめに、単体除去はこのデッキに対しては極端に弱いです。
このデッキにあるカードは対戦相手に1対2交換を迫るものばかりなのです。

《搭載歩行機械》は「マジック・オリジン」が発売されてからスタンダードにすっかり定着しています。このカードは、トークンを強化する手段の多いデッキにおいて、序盤にプレイする生物という役割と、均衡した遅い試合における脅威という役割の、二役を担っています。《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》は、ゲーム終盤における「紋章」が非常に強力なので、(どのモードを選ぶのがベストなのか)正確にプレイするためには扱いが難しいカードのひとつですが、《搭載歩行機械》はその難しさの理由の大部分を占めています。遅いゲーム展開の脅威として、彼らはタップするだけでパワーをあげることができます。「エスパートークン」というデッキは、毎ターンマナをすべて利用するのがベストなので、ハンガーバックをパンプアップするためのコストの支払いがそのためには最適です。ただし、序盤に1対(つまり2体)のトークンを作り出すことはさして重要ではないので、あなたの盤面を安定させるために、ゲーム序盤にあなたの歩行機械を差し出すのを恐れてはいけません。

《白蘭の騎士》は数年前のエクステンデッドの白ウィニーを主戦場としていました。現在の3色のスタンダード環境において、白のダブルシボルを要求して更に平地をサーチしてくるこのカードは、現実的ではありません。しかし次第に、白緑やバント、そして今のエスパーといった戦略に組み込まれるようになりました。余計にマナが出せれば強力なプレインズウォーカーや《荒野の確保》を強く使えるので、簡単に1対2交換をとることができる序盤のブロッカーとして完璧なのです。

2色デッキをプレイするにあたって本当に重要な理由のひとつは、素晴らしい土地が利用できることです。《白蘭の騎士》がもってきてくれる土地は過剰に思われるかもしれませんが、それによって運用される《乱脈な気孔》は非常に強力で、ミシュラランドはマナ基盤として素晴らしいだけでなく、スタンダードのデッキを完全に新しい段階へ引き上げてくれます。このトークンデッキは26枚も土地を採用していますが、これはかなり多いほうです。4マナや5マナの呪文が多く、Xマナ呪文を頂点とする「エスパートークン」は本当に土地多めでキープしたいところ。土地でライフを回復し、ブロックし、プレインズウォーカーにたいして脅威を与え、残り数ポイントのダメージを与えることができるというのは、ゲームを変える強さです。そして《乱脈な気孔》がゲーム終盤にどれほど強いかは、ギデオンのいくつかの紋章によって、3/4ないし4/5に強化されたあと思い知ることになります。

《風番いのロック》は、前環境のスタンダードが終わってから、現スタンダードで最もタフなカードです。そう、《風番いのロック》は戻ってきて、以前に増して輝いているのです。白緑大変異やジェスカイブラックのようなミッドレンジ同士のマッチアップで特に素晴らしく、単体で3/4飛行に対処するのは困難です。現スタンダード環境において1対2交換を取れる素晴らしいカードです。

デッキによって除去呪文は色々ありますが、《絹包み》は今、白をベースとする多くのデッキの除去呪文として選ばれています。《ヴリンの神童、ジェイス》や《搭載歩行機械》といった2マナ生物のいずれにも対処できるのは、完璧です。ほかに、《停滞の罠》、《隔離の場》、《残忍な切断》、《究極の価格》、《完全なる終わり》、《破滅の道》などがあります。個人的には、《破滅の道》はあまり評価しておらず、《完全なる終わり》もあまり使いたくはありません。デッキにはすでに多くの3~4マナ呪文があるからです。

私は同大会でTOP24に入賞したMichael Majorsが使用したデッキに近いものをプレイしました。

Grand Prix Indianapolis 20th Place by Michael Majors

4 : 《搭載歩行機械/Hangarback Walker》
4 : 《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid》
3 : 《風番いのロック/Wingmate Roc》
11 creatures

4 : 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》
1 : 《真面目な訪問者、ソリン/Sorin, Solemn Visitor》
1 : 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis Reignited》
6 planeswalker

2 : 《強迫/Duress》
4 : 《絹包み/Silkwrap》
2 : 《停滞の罠/Stasis Snare》
2 : 《苦い真理/Painful Truths》
1 : 《完全なる終わり/Utter End》
2 : 《残忍な切断/Murderous Cut》
3 : 《荒野の確保/Secure the Wastes》
1 : 《隔離の場/Quarantine Field》
17 other spells

5 : 《平地/Plains》
3 : 《沼/Swamp》
2 : 《コイロスの洞窟/Caves of Koilos》
1 : 《磨かれたやせ地/Scoured Barrens》
4 : 《乱脈な気孔/Shambling Vent》
4 : 《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
4 : 《汚染された三角州/Polluted Delta》
1 : 《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
2 : 《大草原の川/Prairie Stream》
1 : 《窪み渓谷/Sunken Hollow》
26 lands

2 : 《アラシンの僧侶/Arashin Cleric》
1 : 《不毛の地の絞殺者/Wasteland Strangler》
2 : 《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke》
3 : 《否認/Negate》
3 : 《正義のうねり/Surge of Righteousness》
1 : 《龍王シルムガル/Dragonlord Silumgar》
2 : 《無限の抹消/Infinite Obliteration》
1 : 《精神背信/Transgress the Mind》
15 sideboard cards

《隔離の場》は多くのスタンダードデッキに対して素晴らしい働きをします。対ダークジェスカイでは、彼らの脅威を追放することで探査を遅らせることができます。対白緑大変異では、《死霧の猛禽》と《棲み家の防御者》に対処できます。《隔離の場》はプレインズウォーカーにも対処でき、ゲーム後半の安定化に役立ちます。

メインデッキに追加した《強迫》は、私が1ターン目に唱えることができる、かゆいところに手が届くそれでした。ただしダークジェスカイ戦ではジェイスがいるので1ターン目に唱えるべきではありません。しかしながら、ゲーム序盤でこのカードは非常に良い仕事をしてくれると思います。ギデオンのようなプレインズウォーカーを取り除くことが勝敗を左右するのです。

《苦い真理》はとても優秀です。もっと入れたいぐらいです。それだけ3ドローは強力なのです。1対2交換をとれるカードがたくさん入っているデッキではありますが、3対1交換というのは莫大なアドバンテージです。

私は2枚目の《真面目な訪問者、ソリン》を外したことについては納得していません。絆魂はゲームを終わらせるに十分な強さであり、それが重要なライフレースはよくあるからです。ソリンはこのデッキの弱いカードのひとつなので、Majorsがなぜこのカードを切ったかはよくわかります。しかし他のカードとの組み合わせが非常に良いカードなので、私は2枚目のソリンを取りたいと思います。

(※以下、テストデッキ紹介とサイドボードプランなど。省略します。)

===================================

●七瀬の感想

「エスパートークン」というデッキについて、非常に詳しく語られています。採用しているカードの解説について、賛同する部分が非常に多い反面、サイドボードプランなどには、一部共感できないところもあります。しかしながら、こういう記事を読み、プロプレイヤーたちの考えを読み解くことは非常に大事なことです。

今回の翻訳が、そういった各プレイヤーの努力に対する助けになっているとしたら幸いです。特に途中から意訳ばかりになってしまい申し訳ありませんでしたが、言ってることはそのまま伝えられているはずです。

Ericは最後に、「エスパートークンというアーキタイプはTier1である」と断言するほど、このデッキの強さに関しては認めているようです。環境にアブザンとジェスカイがあふれている今、こういったデッキが躍進することを願うばかりです。個人的にはオリジナルで白黒ミッドレンジという形に行き着いているので、ちょっとした自信にはなっています(ドラーナのことは忘れていないよ!)。

GP神戸まであと1週間、このアーキタイプはどこまで健闘してくれるのでしょうか。

ちなみに七瀬の予想では、30%の人がアブザン、15%がジェスカイ、10%がエスパーコントロール、10%がアタルカレッド、10%がマルドゥです。エスパートークンは5%前後で、エスパードラゴンなどとほぼ同数でしょう(エスパーを全部足すと20%ぐらい)。残り15%は、エルドラージランプ、ハスクラリー、ティムールなどなどですかね。
本日参加者は14名。WERの不調で、手動による大会運営になったけどなんとかなった。
スイスドロー3回戦で、デッキは先週のデッキを手直しした「白赤ミッドレンジ」。

デッキリストは以下から。
http://infiniteblue.diarynote.jp/201511131728035135/


●結果

1回戦 ×○○ ダークジェスカイ(こばゆい)
2回戦 ○×× アブザンアグロ(Gガンナーさん)
3回戦 ○×○ 黒緑エルドラージハスク(Eさん)

2勝1敗でした!


●追記

ボブボブは白黒ミッドレンジで2勝1分でした。


●感想戦

1回戦は、1本目はトリプルマリガンで簡単に敗北。先週4マリガンだったので不安がよぎる。2本目からはきれいにデッキが回って連取。特に《雷破の執政》の強さが光った。サイドボードの《引き裂く流弾》は文句なく強かったが、最後の1枠をもうちょっと考えたいかな。《跳ね返る掌》はやっぱり微妙かもしれない。また対戦よろしくです!

2回戦は、1本目はきれいに回って取れたものの、2本目では《悲劇的な傲慢》で《包囲サイ》を2体流すビッグプレイを決めるが後続が土地おじさんで押し切られる。3本目は強い手札だったが、土地3枚で止まり残念賞。ギデオンギデオンギデオンサルカンサルカンがそろったときには、フルハウスを宣言して即投了したかった。とても楽しい1戦だったので、またよろしくお願いします!

3回戦は、2本目で大地主になって負けてしまったが、相手のデッキに除去が少ないため、《僧院の導師》が非常に強かった。サイドボードの《光輝の炎》は強力な1枚で、3枚採用は妥当かと思われる。EさんはGP東京に参加予定ということで、練習してお互い上手になっていきましょう!またよろしくです!

デッキはとても強い気がする。かなりお気に入りなので、しばらくこれで遊ぼうかと思っています(手元のエスパーコントロールをそっと棚にしまいながら)。
自分用デッキリストメモ。

●白赤ミッドレンジ『Draconic Mentor』

4 : 《魂火の大導師/Soulfire Grand Master》
4 : 《僧院の導師/Monastery Mentor》
4 : 《雷破の執政/Thunderbreak Regent》
2 : 《風番いのロック/Wingmate Roc》
14 creatures

4 : 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》
1 : 《龍語りのサルカン/Sarkhan, the Dragonspeaker》
5 planeswalker

4 : 《乱撃斬/Wild Slash》
4 : 《龍詞の咆哮/Draconic Roar》
4 : 《極上の炎技/Exquisite Firecraft》
4 : 《勇敢な姿勢/Valorous Stance》
16 other spells

3 : 《平地/Plains》
3 : 《山/Mountain》
4 : 《戦場の鍛冶場/Battlefield Forge》
4 : 《風に削られた岩山/Wind-Scarred Crag》
4 : 《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
4 : 《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
1 : 《梢の眺望/Canopy Vista》
1 : 《燃えがらの林間地/Cinder Glade》
1 : 《精霊龍の安息地/Haven of the Spirit Dragon》
25 lands

3 : 《引き裂く流弾/Rending Volley》
3 : 《絹包み/Silkwrap》
3 : 《光輝の炎/Radiant Flames》
2 : 《見えざるものの熟達/Mastery of the Unseen》
2 : 《前哨地の包囲/Outpost Siege》
1 : 《悲劇的な傲慢/Tragic Arrogance》
1 : 《塵への崩壊/Crumble to Dust》
15 sideboard cards


●メインおよびサイドボード検討枠
《道の探求者/Seeker of the Way》
《焙り焼き/Roast》
《跳ね返す掌/Deflecting Palm》
《対立の終結/End Hostilities》
《群衆の掟/Mob Rule》

※FNM後の変更点 (11月14日更新)
<メインボード>
《龍語りのサルカン》1枚⇒《精霊龍の安息地》1枚
<サイドボード>
《跳ね返す掌》1枚⇒《塵への崩壊》1枚
自分用デッキリストメモ。

●白黒ミッドレンジ 『Walker&Mentor』

4 : 《搭載歩行機械/Hangarback Walker》
3 : 《僧院の導師/Monastery Mentor》
3 : 《風番いのロック/Wingmate Roc》
10 creatures

3 : 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》
2 : 《真面目な訪問者、ソリン/Sorin, Solemn Visitor》
1 : 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis Reignited》
6 planeswalker

3 : 《強迫/Duress》
2 : 《絹包み/Silkwrap》
2 : 《究極の価格/Ultimate Price》
2 : 《破滅の道/Ruinous Path》
2 : 《苦い真理/Painful Truths》
2 : 《完全なる終わり/Utter End》
2 : 《残忍な切断/Murderous Cut》
3 : 《荒野の確保/Secure the Wastes》
18 other spells

3 : 《平地/Plains》
3 : 《沼/Swamp》
3 : 《コイロスの洞窟/Caves of Koilos》
4 : 《乱脈な気孔/Shambling Vent》
4 : 《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
4 : 《汚染された三角州/Polluted Delta》
2 : 《大草原の川/Prairie Stream》
1 : 《窪み渓谷/Sunken Hollow》
2 : 《荒廃した湿原/Blighted Fen》
26 lands

3 : 《アラシンの僧侶/Arashin Cleric》
2 : 《正義のうねり/Surge of Righteousness》
2 : 《精神背信/Transgress the Mind》
2 : 《衰滅/Languish》
1 : 《命運の核心/Crux of Fate》
1 : 《苦い真理/Painful Truths》
1 : 《自傷疵/Self-Inflicted Wound》
1 : 《無限の抹消/Infinite Obliteration》
1 : 《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang》
1 : 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis Reignited》
15 sideboard cards



※追記(11/18) GPT名古屋以降の変更点

<メインボード>
《窪み渓谷》を1枚《荒廃した湿原》に変更。バトルランド採用枚数に関しては、要検討。

<サイドボード>
《苦い真理》を1枚《自傷疵》に変更。「エスパードラゴン」対策を強めたい意図。

●大会の告知ですよ!


大会名 : グランプリトライアル名古屋

日時 : 11月15日(日) 10:00~

参加費 : 1500円

来年1月末に開催されます「グランプリ名古屋」のトライアル大会となります。

また本大会が、シーガル桜田店が主催する初めての競技レベルの大会となります。

店頭または電話による予約が可能で、大会当日にデッキリストを回収します。

まだ人数に余裕があるそうなので、興味がある方はぜひご参加くださいませ。

店舗にイベントに対応できる駐車スペースがないため公共交通機関をご利用ください。


●水曜会は基本的に木曜朝まで続く

あらすじ

シーガル桜田店で行われていた水曜会という名の調整会は、夕食のあと場所を七瀬宅に移し、だいたい朝まで行われるのであった。

「俺の睡眠時間を返せ!」


●調整会で感じたこと ~カードの再評価~

<クリーチャー> 12枚

《道の探求者》、《白蘭の騎士》、《搭載歩行機械》はそれぞれ一長一短。どれも4枚採用するほどデッキにマッチした強いカードというわけでもなく、ここのバランスは一考の余地がありそうだ。枠としては6枚で考えたい。

《僧院の導師》は除去手段に乏しいデッキ相手には鬼のような強さを誇る。一般的に出回っている流行りのエスパートークンには採用されていないカードだが、個人的には数枚は入れておきたいカード。細かい除去手段が豊富な「ジェスカイ」などの赤い除去を詰むデッキには簡単にアドバンテージを奪われやすく、その場合はサイドアウトするのが良いだろう。あまりにデッキが偏るなら、これを全部サイドに落とすまである。

《風番いのロック》はとりあえず3枚で確定でよい。

<プレインズウォーカー> 8枚⇒7枚

《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》と《真面目な訪問者、ソリン》のバランスについては4:2か3:3かで毎度のように悩むんだけれど、現在3:3のバランスであるが、4:2にしてもいいかもしれないと思う瞬間は日に日に多くなっている気がする。「よし、4:2にしよう」と思ったが、呪文を1枚増やしたかったために1枚ソリンを削ることに。バランスは「3:2:2」でやってみよう。

《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》はこの枚数を増やしたことにより「アブザン」相手に強くなったともいえるカード。一方で「ジェスカイ」相手にはあまり強くないカードであり、出来れば今のまま2枚採用しておきたいけれど、あまりに「ジェスカイ」に勝てなくなるとさすがに枚数を減らすべきかもしれない。ひとまず現状維持で。

<その他の呪文> 14枚⇒15枚

《苦い真理》は1枚から2枚に増やしてみたいカード。3枚入れてしまうとライフが追いつかないことが多いが、ナチュラルに3ドローは強く、1枚は増やす価値がある。先手土地詰まりのときにも助かる確率が上がるかもしれない。

《蔑み》のように手札を確認できるカードは2枚はほしいが、それがこのカードでいいのかどうか。《強迫》が強そうにも見えるが、裏目が少ないカードのほうがいいだろう。

《絹包み》は4枚採用するデッキが多い中、3枚に数を減らして調整していた。これ以上減らすことも難しいが、増やすことにも若干抵抗は感じる。この枚数で様子をみたい。

《破滅の道》は2枚採用して然るべきカード。PWへの対処が非常に楽で、覚醒も役に立つシーンは多い気がした。

《完全なる終わり》はユーティリティとして1枚採用が適正枚数かと思われる。

《残忍な切断》は複数枚を序盤に引くとごたつく印象があり、2枚で十分かと。

《荒野の確保》はゲームを決めにいけるカードで、3枚というバランスは揺るがない。

<土地>

バトルランドを2枚ずつにすることにより、色事故をもう少し改善しようという意欲的な調整。イマイチだったら、また元に戻せばいいだけ。

<変更点まとめ>

《白蘭の騎士》をメイン採用にしてサイドボードに余裕を持たせるのが良さそう。
《苦い真理》を2枚に増やしたいので、とりあえずソリンを3枚から2枚に減らそう。
《大草原の川》と《窪み渓谷》を2枚ずつにしてみよう。


●白黒ミッドレンジ (再調整版)

3 : 《搭載歩行機械/Hangarback Walker》
3 : 《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid》
3 : 《僧院の導師/Monastery Mentor》
3 : 《風番いのロック/Wingmate Roc》
12 creatures

3 : 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》
2 : 《真面目な訪問者、ソリン/Sorin, Solemn Visitor》
2 : 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis Reignited》
7 planeswalker

2 : 《蔑み/Despise》
3 : 《絹包み/Silkwrap》
2 : 《破滅の道/Ruinous Path》
2 : 《苦い真理/Painful Truths》
1 : 《完全なる終わり/Utter End》
2 : 《残忍な切断/Murderous Cut》
3 : 《荒野の確保/Secure the Wastes》
15 other spells

3 : 《平地/Plains》
3 : 《沼/Swamp》
3 : 《コイロスの洞窟/Caves of Koilos》
4 : 《乱脈な気孔/Shambling Vent》
4 : 《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
4 : 《汚染された三角州/Polluted Delta》
2 : 《大草原の川/Prairie Stream》
2 : 《窪み渓谷/Sunken Hollow》
1 : 《荒廃した湿原/Blighted Fen》
26 lands

3 : 《精神背信/Transgress the Mind》
2 : 《強迫/Duress》
2 : 《衰滅/Languish》
1 : 《正義のうねり/Surge of Righteousness》
1 : 《究極の価格/Ultimate Price》
1 : 《苦い真理/Painful Truths》
1 : 《命運の核心/Crux of Fate》
4 : 《自由枠/Free Space》
15 sideboard cards


サイドボードに余裕が生まれた。マッチを重ねて感じたのは、「アブザン」にはすこぶる強くなった気がするんだけど、「ジェスカイ」にはすこぶる弱くなった気がする。サイドボード含めて細かいところでのプレイングが難しいデッキだとは思うけれど、元々ジェスカイに有利を取るためにつくったデッキ、弱くなっているのでは本末転倒である。

この枠を存分に使って、苦手デッキへ有効なカードを取りたいところ。

細かいところは今から考えるよ…。
連日、考えてはメモ帳に書きためていたデッキを紹介するコーナーになっているんだけど、どうなんだろうか。忙しくてこの程度で申し訳ないけれど。

…さてさて、青(主にジェイス)から一度離れ、「白黒ミッドレンジ」と「白赤ミッドレンジ」というデッキを考えていたんだけれど、それもこれも《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》というカードを基準に考えたもの。

じゃあ白(主にギデオン)からも一度離れてみよう!

黒も赤も除去が強いカラーなので、除去を中心にした構成にしてみた。

●黒赤ミッドレンジ『Draconic Nalaar』

4 : 《搭載歩行機械/Hangarback Walker》
4 : 《雷破の執政/Thunderbreak Regent》
3 : 《ピア・ナラーとキラン・ナラー/Pia and Kiran Nalaar》
3 : 《嵐の憤怒、コラガン/Kolaghan, the Storm’s Fury》
14 creatures

2 : 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis Reignited》
2 planeswalker

3 : 《強迫/Duress》
4 : 《龍詞の咆哮/Draconic Roar》
3 : 《破滅の道/Ruinous Path》
3 : 《軍族童の突発/Hordeling Outburst》
3 : 《コラガンの命令/Kolaghan’s Command》
2 : 《残忍な切断/Murderous Cut》
18 other spells

4 : 《沼/Swamp》
4 : 《山/Mountain》
4 : 《燻る湿地/Smoldering Marsh》
4 : 《血溜まりの洞窟/Bloodfell Caves》
4 : 《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
2 : 《汚染された三角州/Polluted Delta》
2 : 《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
2 : 《荒廃した湿原/Blighted Fen》
26 lands

3 : 《引き裂く流弾/Rending Volley》
3 : 《自傷疵/Self-Inflicted Wound》
3 : 《光輝の炎/Radiant Flames》
1 : 《前哨地の包囲/Outpost Siege》
1 : 《精神背信/Transgress the Mind》
1 : 《焙り焼き/Roast》
1 : 《骨読み/Read the Bones》
1 : 《無限の抹消/Infinite Obliteration》
1 : 《忌呪の発動/Foul-Tongue Invocation》
15 sideboard cards


このカラーリングはアグロ構成にして《マラキールの解放者、ドラーナ》を強く使うデッキもアリかとは思うけれど、今回はあえてミッドレンジで。

ポイントは、《搭載歩行機械》はもちろん、《軍族童の突発》と《ピア・ナラーとキラン・ナラー》の横並び戦術が《嵐の憤怒、コラガン》と非常に噛み合っているところ。《コラガンの命令》で自主的に《搭載歩行機械》をいつでも割ることができるというのも個人的には高評価。

《雷破の執政》だけではなく《嵐の憤怒、コラガン》がいるため、《龍詞の咆哮》をより強く使いやすいのも特徴。

もう少しアブザンに有利が取れるように構成してもいいかとは思うけれど、やはりミッドレンジはバランスを取らないといけない。

そしてサイドボードは相変わらず適当な感じになっております。
火曜日、シーガル桜田店…には行かない実は行った。

忙しいのであまり書けることもないんだけれど、この前完成したGP神戸用のデッキレシピを改めて載せておきます。

デッキはボブボブに託してあるので自分では遊べないんだけれど、今週日曜日の「GPT名古屋」が最終調整になるだろうから、そこで是非「結果」を残してほしいところではあります。

●白黒ミッドレンジ『SONG』 (調整版)

3 : 《搭載歩行機械/Hangarback Walker》
3 : 《道の探求者/Seeker of the Way》
3 : 《僧院の導師/Monastery Mentor》
3 : 《風番いのロック/Wingmate Roc》
12 creatures

3 : 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》
3 : 《真面目な訪問者、ソリン/Sorin, Solemn Visitor》
2 : 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis Reignited》
8 planeswalker

2 : 《蔑み/Despise》
3 : 《絹包み/Silkwrap》
2 : 《破滅の道/Ruinous Path》
1 : 《苦い真理/Painful Truths》
1 : 《完全なる終わり/Utter End》
2 : 《残忍な切断/Murderous Cut》
3 : 《荒野の確保/Secure the Wastes》
14 other spells

3 : 《平地/Plains》
3 : 《沼/Swamp》
4 : 《コイロスの洞窟/Caves of Koilos》
4 : 《乱脈な気孔/Shambling Vent》
4 : 《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
4 : 《汚染された三角州/Polluted Delta》
1 : 《大草原の川/Prairie Stream》
1 : 《窪み渓谷/Sunken Hollow》
1 : 《磨かれたやせ地/Scoured Barrens》
1 : 《荒廃した湿原/Blighted Fen》
26 lands

3 : 《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid》
3 : 《精神背信/Transgress the Mind》
2 : 《強迫/Duress》
2 : 《衰滅/Languish》
1 : 《正義のうねり/Surge of Righteousness》
1 : 《究極の価格/Ultimate Price》
1 : 《苦い真理/Painful Truths》
1 : 《命運の核心/Crux of Fate》
1 : 《自由枠/Free Space》
15 sideboard cards


< 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21

 

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